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1 -9 究極の美の称号ネオビーナス⑨

【無敵の「レインボージュエル」】


ヴィクトリアと、アリアンナ・ヴォルフハートは、舞台上に上がると、観客に向かっている。ヴィクトリアは、今まで、【プラメリーゼ】の指導者から、美麗隊・特殊部隊サージに入ってからは、美麗隊としてモデルをしてきたことはあるのだが、モデルとしての経験は浅く、ここまで緊張するモデルとしての現場は、初めてであった。そんな緊張のせいで、自分の美貌のレベルを上げていくというのが、なんとなく恥ずかしい気持ちがありながら、アピールを始めていた。


すると、一方の、アリアンナは、別名、七色国ななしきこくとも言われるセブリア国からきた女性だというが、以前、各、色成国しきせいこくから、モデルラボ事務所に各色の7人の美少女が相談にきていた。ヴィクトリアは、その時の話しをコスメや実務から、詳しく聞いたのだが、その美少女たちは、それぞれの色に身を包んで、超人レベルの美貌を発揮するらしい。だが、今回の七色国ななしきこくからきた美少女は、特に、七色の衣装を身につけているわけではない。普通に、何色かの特に際立った衣装ではなかった。


だが、その特に、特別感のない見た目が、逆に、ヴィクトリアをとても不安にさせた。というのは、これまで、自分を含めて、何か特別な力を持つ美人たちは、美の結晶体のように、内在しているものが特別なケースである場合が多かったからであった。


すると、ヴィクトリアは、とりあえず、軽く攻めにいくつもりで、とりあえず、美貌のエネルギーをアップさせていく。すると、その横で、アリアンナは、静かに目を閉じて、精神集中をしている。これは、何か直接、美貌のエネルギーアップではなくて、何か深いものを起動させているに違いない。ヴィクトリアは、まず、自分の美貌のエネルギーアップを急ぎ、美の戦闘モードの第1段階に突入した。とりあえず、アリアンナの美の攻撃が、どのようなものかわからないので、まずは、すぐに、美のレベルを相手よりも、その先に進めておいた。そして、今度は、【プラメリーゼ】の得意の、全身の神経組織の流れを調べ始めたヴィクトリアは、普段なら決して流れることのない神経組織が異常に流れ始めていることを感じた。


わかったわ!これは、脳内にある美の結晶体が覚醒したところから、何かが動き出しているんだわ。ええ、だけど、私も、美の結晶体は覚醒しているから、どんなことが起こっているか、わかるはずなのに、その場所が特定できただけで、これ以上のことはわからない。


すると、その時、クラリスも、同じように感じていた。


なんですって!アリアンナは、やはり覚醒していたんだわ!それも、なんと、レインボークリスタルだわ!レインボークリスタルが覚醒しているなんて、これは意外すぎたわ!それで、今、レインボークリスタルから、美のエネルギーをあげていこうとしている!このままでは、あっという間に、ヴィクトリアが負けてしまうわ。


「レインボージュエル」の異名をとる、アリアンナ・ヴォルフハートは、色成国しきせいこくの中でも世界一である、七色国ななしきこくとも言われる、セブリア国からやってきた次期プリンセスであった。


遥か昔、色成国しきせいこくは、虹色の七色から、いわゆる「色成国しきせいこく」が生まれた。

それは、別名、七色国ななしきこくとも呼ばれているセブリア国が元となって、それぞれの色成国しきせいこくが、七カ国生まれたのである。そして、それぞれ持ち寄ったそれぞれの色がエネルギーを生み出して、その国の基礎となった。そのような理由から、それぞれの色成国しきせいこくは、その色がなければ、国として成り立たないのであり、また、その色を尊重し、また、その色に敬意を持たなければ、国が存続できないのである。


だが、しかし、どんなに、それぞれの色成国しきせいこくが独自に発展しようとも、その国の基本的に成立するエネルギーは、セブリア国の中にあるセブンタワーにあり、セブリア国の繁栄なくして、色成国しきせいこくの発展はありえない。そして、それぞれの色成国しきせいこくの代表は、毎年、セブリア国の成立記念日には、感謝の意を込めて、そのセブリア国の七色の塔セブンタワーの前で行なわれる成立記念祭に参列していた。


その年も、各国の代表であるプリンセスたちは、セブリア国のプリンセスと1年ぶりの再会を果たしていた。


「今年も変わらず、我がホワイテリス国が1年間安泰で送れたのも、セブリア国の七色の塔セブンタワーのおかげですわ。本当に感謝しています。」

「いいえ、私たちも、ここから、7人の独立希望者が名乗り出て、各七カ国が独立し繁栄されて、その元となっている我が国も、元気の源となっていますわ。こちらこそ、お礼を言うわ。」


すると、ブラキリシス国のプリンセスから、

「今では、その七色のそれぞれの国々も、今日のように、無事に、エネルギー同期の日を迎えられたんですもの、すべてよかったじゃないですか。」

「そう言って頂けると、本当にありがたくて、恐縮してしまいますわ。ありがとうございます。」


「それでは、まもなく、エネルギーの同期が始まりますから、席に座りましょう。」

「宜しくお願いいたします。」


七色の各国からきた各代表は、それぞれ、指定の椅子に着席すると、同期の時を迎えた。正面にそびえ立つセブンタワーから、世界にある七つの色成国しきせいこくへと同期するためにエネルギーが送られる。


この日は、まさに、「同期の日」と言われ、これらの七カ国は、もともと、このセブリア国から発生した国であり、8カ国は、エネルギーでつながっている。七カ国は、その維持のためのエネルギーは、このセブリア国のセブンタワーから発している。

それゆえに、国全体に大きな影響を与えるような出来事に関しては、七色国ななしきこくであるセブリア国と七カ国は、同じような出来事の流れとなってしまう。これは、やはり、年に一度、エネルギーの同期を行なうことからであろう。たとえば、王家の中で起こる出来事や、プリンセスが決まった時期であるとか、そこまでの流れや、次期プリンセスが伝説の美少女となった年齢やタイミングなど、国民の衣類が、これまでは、その国の単一色であったものが、色を身につける代わりに各色板が発達して、着るものの色が自由になったことなど、まるでセブリア国と七カ国が共に示し合わせたかのように、同じ出来事を経て、発展している。これは、8カ国が、すべて、同じエネルギーが流れている国として同じ流れ、同じ早さで発展するためなのであろう。その中では、どの国が遅れることもなく、先に行くこともないのである。


まさに、これらの8カ国は、一体となって、発展成長していくのであった。しかし、これまで、セブリア国から、1つずつ色をもらい、国を作り上げた七つの国から、突然変異を起こして、生み出された各色の「伝説の美少女」たちは、その強烈な美貌を世界的に発信していったが、そのすべての色の元となるセブリア国に突如生まれた伝説の美少女、「七色の美少女(ななしきのびしょうじょ」とも言える、通称「レインボージュエル」は、彼女たち7人の、さらに遥かに上をいっていた。


そして、彼女たち7人とは違って、アリアンナ・ヴォルフハートは、これまで「レインボージュエル」となって、姿を現すことは、滅多になく、その存在すらも伝説と言われるほどの、伝説の美少女であったが、さすがに、今回の世界大会に対しては、ビバリアレメディス世界美人認定協会から直々に「レインボージュエル」と名指しで指名があったのであった。


その「伝説の美少女」たち7人をも上回る、「超伝説の美少女」に相対しているヴィクトリアは、まだまだ彼女の、その恐ろしいまでの美の実力を知る由もなかった。


しかし、ヴィクトリアは、その奥深く、まだ見せていない彼女の実力を知る前に、早速、先手を打ちにいった。


そのホテルのある、開催地周辺は、雨模様となり、その天気のどんよりとした雰囲気は、ここまでの対戦の雰囲気とも似て、通常よりも緊縛していて、その現場は明るさを失っていたようだった。


美麗隊・特殊部隊サージのメンバーの1人である、ヴィクトリア・レインネス・リストマート、彼女は、たった今、【プラメリーゼ】の最高の使い手であるローザ・デミストリー に戻っていた。それに、現在までの戦闘型の【プラメリーゼ】ではなくて、古来から2人しか存在しない本来の【プラメリーゼ】の使い手として、実は、その3人目となっていた彼女は、その本来の【プラメリーゼ】を初めて実践で使おうとしていた。


「レインボージュエル」の神経組織のすべてを読み取りにいったヴィクトリアは、脳内の美の結晶体につながる神経組織を確定すると、【プラメリーゼ】を発動するため、精神集中を始めた。

だが、ローザは、大変なことに気がついた。それは、【プラメリーゼ】を仕掛けるには、相手の後頭部に手を触れなければいけない。


対戦型の場合には、互いに踏み込んでいき、互いに身体を交差させるなど、身体が密着するような状況なので、指先で相手の皮膚へ刺激して、四肢を麻痺させるなどという攻撃は、容易い流れになっていた。互いに身体を寄せ合うのは、こちらとしても危険を伴うようなリスクもあるが、【プラメリーゼ】対戦型では、それはむしろ好都合なのである。


ところが、今回の状況は、2人で広い舞台上に離れて立ち、互いに近寄ることもない。まして、相手の身体に触れにいくなど、ありえないのであった。先程のアニエスの対決は、離れていても、その場からエネルギーを放出していたから、なんら問題はなかった。


だけど、今回、ここからでは、【プラメリーゼ】を仕掛けることは、できない。


だが、この時、ヴィクトリアは、ある1つのことを思い出していた。


それは、1年前のことであった。ある政治家が他国からきた犯人から命を狙われているという事件があり、その犯人をとうとう逮捕することができたのだが、このケースでは、犯人とは、目の前に相対しているわけではなく、いつも自分たちから、かなり離れた距離にいたので、【プラメリーゼ】を使うことはできずに、結局、その犯人をガンジガラメによって、やっと取り押さえることができた。


だが、そのことによって、美麗隊本部では、【プラメリーゼ】は、仕掛ける相手と極力近くなければ、なかなか威力を発揮することが難しく、あらためて【プラメリーゼ】の弱点が明らかになった。なんとか離れたところから、あるいは、身体に触れられない状況でも対処できる方法がないのかと、模索し始めていた。


これが、他国のような考え方ならば、銃などを使って射殺するようなこともあり得るのだろうが、コトールルミナス国では武器も使わず、基本的に相手を傷つけるようなことはしないので、麻痺銃を使用するのがせいぜいであった。それに、麻痺銃ではガスマスクをされたら全く意味はない。ガンジガラメも、相手が多い場合には、やはり使い勝手が悪いのである。


そこで、考え出されたもの、それは、空気弾くうきだんであった。アニエスたちのように、美の結晶体が覚醒した人間は、そのメガオーラによって、手のひらをグッと握り、その手のひらの中に閉じ込めた空気を圧縮して、固めることができる。


すると、1㎝ほどの小さな空気の塊ができ、これを何かにぶつけると、ポンっと弾けてしまう。ヴィクトリアは、これを使って、【プラメリーゼ】の、相手に指先で弾いて、突く技を、相手と離れた位置から行なう研究をしていたのであった。相手を麻痺させるため指先で突く代わりに、この空気弾を打ち込んでいく。すると、指先で突く箇所に当たると弾けて、突くのと同じように効果を生み出そうというものであった。


これまで、本来の【プラメリーゼ】とは、麻酔の効果を得るために、親指などを用いて、その患部や周辺から特殊な圧迫刺激をして、神経の流れを止めて、一時的に痛みを遮断する、というものだが、そのやり方の別の方法として、【プラメリーゼ】対戦型では、相手の四肢の神経に通ずる箇所を指先で突くことで、特定の四肢の神経を麻痺させて、一時的に自由を奪うというものだった。


しかし、今回の【プラメリーゼ】は、本来の古来からの【プラメリーゼ】の高度な麻酔効果を脳内に対して行なうというものを、相手の身体の四肢に対して行なう、後期に編み出された対戦型の【プラメリーゼ】の、指先で突くというやり方を持って行なうことを前提としている。

それに、今回は、指先で突くのではなくて、さらに高レベルである、空気弾によって、高度な麻酔効果を与えるという前代未聞の技術をやり遂げなければならないということになってしまった。そして、それに加えて、精神エネルギーをも圧縮して込めるという最高難易度の技術を迫られる事態となってしまった。


しかし、ヴィクトリアは、とりあえず、1つだけ、可能性を見出していた。それは、本来の【プラメリーゼ】において、本来なら親指を用いて脳内の一部の麻痺を行なうことになるのだが、今回の空気弾を用いて同じ効果を生み出すためのやり方というのは、これまで何度となく行なってきた人差し指を用いて突くことと圧力の掛け方が近いのであった。たとえば、親指を用いてかけた時の圧力というのは、数値化するなら、50kPaキロパスカルであり、人差し指で突いた時というのは、その衝撃によって、意外にも親指で押すよりも、その圧力は強く、数値化するなら、100kPaキロパスカルとなり、空気弾を用いた時もその破裂する衝撃により、こちらの場合も、実に、100 kPaキロパスカルと、どちらも同等の数値の圧力を与えることができるので、深部までの神経を狙いやすいという、少しだけ希望を見出していた。だが、しかし、これは、あくまでも、初めての試みであることを、ぶっつけ本番でやらなければならないという非常に不利な状況ではあることに、変わりはなかった。



それに、この技が、さらに難しいのは、その時々必要な刺激の強さを調整するために、手のひらの中で作り出す空気弾の圧縮力を調整することであった。それに、この空気弾は、本来の【プラメリーゼ】の麻酔効果を、「レインボージュエル」の脳内にあるレインボークリスタルにつながっている神経組織に対して行なおうとしていた。指先で突くことができずに、空気弾しか使えないという、これほどに、難易度の高い【プラメリーゼ】は、今までかつて誰も成し遂げたことはない。それを、今、ヴィクトリアは、その、ただ一回を、この場でぶっつけ本番でやろうとしている。


すると、そのための集中力は、並大抵のものではなかった。美麗隊・特殊部隊サージのメンバーになるほど、とんでもない集中力を持つヴィクトリアであっても、まさに針の穴を通すほどの集中力が必要であり、そのため、全神経を集中するために、その沈黙の時間は、どこまでも続いていた。


だが、その集中の中、ヴィクトリアは、その時間も、こちらの様子を見て、少しだけ待っている「レインボージュエル」の思いやりに感謝した。「レインボージュエル」も、何かのために、精神集中をしているヴィクトリアをみて、その隙を狙って、攻撃に出るなどと卑怯なまねは、したくなかったのである。これまで、無敗を誇る彼女には、そんな勝ち方は望んでいなかったのであった。そして、ヴィクトリアは、今の対戦相手が彼女であることの幸運にも感謝していた。そして、その穏やかな気持ちの中で行なっている全神経の集中は、今回、ヴィクトリアに、奇跡的な技を成功させるのであった。


その集中の精度さに手ごたえを感じたヴィクトリアは、とうとう空気弾を弾きだした。すると、ものすごいスピードで、「レインボージュエル」に向かっていく空気弾は、かわされたように見えたが、計算されたように弧を描き、「レインボージュエル」の右後頭部斜め下から当たり、見事に目的の箇所に弾けた。


すると、そのとても軽い一撃は、神経の流れを遮断し始めた。その神経は、徐々に、固まるかのように、流れが凍りついたように、その流れが止まって、ついに、その神経は麻痺していった。


すると、多少の衝撃を受けた「レインボージュエル」は、すぐに体勢を立て直したが、もはや、空気弾の効果は、見事に成功し、脳内の1部の神経は、完璧に麻痺されていた。


しかし、これに自覚症状を感じない「レインボージュエル」は、反撃とばかり、レインボークリスタルへのアクセスを開始する。だが、今の攻撃の意味を知らない「レインボージュエル」には、もはや、レインボークリスタルからのパワーは使えなくなってしまった。「レインボージュエル」として美のレベルアップが不可能になってしまった。彼女は、これ以上、美の戦闘モードに入れなくなっていたのである。


クラリスは、思わずうなってしまった。


なるほど。考えたわね、ヴィクトリア。ここで、本来の【プラメリーゼ】を成功させるとはね。それにしても、あの、体得することがほとんど不可能と言われた本来の【プラメリーゼ】を体得していたなんて、これまでかくしていたのね。これなら、もはや、「レインボージュエル」は、もうレインボークリスタルからの美のエネルギーを供給することはできない。このままなら、もう勝敗は、明らかだわ。


もう、勝利に近づいたと意識したヴィクトリアは、美の戦闘モードを、もう1段階だけ上げていき、その勝利に念を押していった。


一方では、これまでにない敗北を少し意識し始めていた「レインボージュエル」であったが、その、これまでにない状況でも、さすがに冷静さを失うことはなく、四方に意識を巡らせていた。


すると、やっと、勝利を確信したヴィクトリア・レインネス・リストマート。


しかし、これまで、負けたことのない「レインボージュエル」は、そう簡単な相手ではなかったのであった。


その崖っぷちの高台に位置したエルガホテル、その最上階のパーティールームのその会場の巨大な窓から見えている空は、徐々に先程までの雨もあがり、うそのようにどんどん晴れ間が見えてきて、あっという間に晴れ渡っていった。すると、その窓の、すぐ外には、滅多に見ることのできない大きな虹がかかっていた。その太く、鮮やかな虹は、アーチを描くのではなく、奇跡的に、その窓よりも遥か下まで、巨大な円形となり、その巨大な姿が現れていた。


エルガホテルの舞台上に立っていた「レインボージュエル」は、観客からみた、その立ち位置は、窓の外に現れた巨大な虹の、ちょうど真ん中に、はっきりと完全に一致した。


すると、その虹の中央に風が吹き荒れたかのように、エネルギーが集中している。そして、その中央にエネルギーが集まると、「レインボージュエル」の後方から、その宇宙規模とも思えるようなエネルギーが充填され始めていた。そして、そのエネルギーは、レインボークリスタルに区敵するほどのエネルギーであった。


「レインボージュエル」の、美のエネルギーは、瞬く間に、ハイパーレベルにまで上昇し、ヴィクトリアを圧倒的に上回っていった。すると、みるみるうちに、その美貌は、さらに奇跡的なレベルへと変化していった。ヴィクトリアの目の前には、確実に、自分を遥かに上回っていく「レインボージュエル」の美しさがあった。そして、ヴィクトリアは、美の対決の終わりを確信していた。


「私、ヴィクトリア・レインネス・リストマートは、たった今、敗北しました。ここに、宣言いたします。」

彼女は、手を挙げると、そう申し出たのだった。


すると、クラリスは、


さすが、色成国しきせいこくの中でも世界一の七色国ななしきこくの「伝説の美少女」だわ。ここまで、奥の手があるとはね。ここまで負け知らずというのも、うなずける。それにしても、これは、素晴らしい対決だったわ。「レインボージュエル」の美の攻撃も素晴らしかったし、ヴィクトリアの決死の【プラメリーゼ】も見事だったし、いさぎよく負けを認める真摯な姿勢も素晴らしかったわ。


そして、フランソワ高木より、

「これは、最後まで息をつかせない素晴らしい対決でありました。どちらも、とても本当に、素晴らしかったです。」


この対決に対しては、皆、とても清々しい気持ちになって、これまでの緊迫していた雰囲気が和らいでいった。

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