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14-4 そして、園美島へ ④

 それで改めて、こんな不思議な石は、きっと神様から遣わされたものに違いないと思い、それから、敦子は、室内の高いところに置いて、手を合わせるようになった。


 すると、エンピュラスは、


 へえ、ただ自分勝手に、私の能力を使い続けるのかと思ったら、意外だわね。祀るようになるなんて、なかなか面白くなってきたじゃない。


 すると、石は、そこにそのまま置かれることになった。すると、毎日、手を合わせるようになった。


 そこまでのことで、黙ったまま、様子を見ていた、解放石エンピュラスは、敦子の希望する通りに、その都度、扉を開けていたのだった。これまで、エンピュラスは、惑星規模の扉や、閉ざされた世界を開くなど、そこまでの規模で開くことを様々やってきたのだが、さっきは、この小さな地球という星の、それも、そこにいる1人の人間が開けたがっていた小さな扉を開けたとは、こんなに小さな開ける仕事は、あまりに自分がしてきたことと比べて小さすぎて、思わず笑ってしまった。


 しかし、解放石エンピュラスにとって、このことは、これまでになく新鮮に写り、かなり興味を持ったので、このまま、この姿のままで、この先もしばらく様子を見ることにした。すると、オリメラトスのことは、すっかり忘れていて、オリメラトスもいなくなったエンピュラスを探したが、ついにみつからず、もしかしたら、1人で第5世界に戻ってしまったのかと思い、自分も、次の世界に行くことにした。


 敦子は、仲間たちにも、この石のことを話し、何か開けられないものがある時は、この石に手を合わせて、頼むといいわよ、と伝えていた。


 しかし、その後、開けられない事態に遭うことがなく、解放石エンピュラスは、意外と何も展開がないことに気づいて、そろそろ第5世界に帰ろうとしていた。


 すると、帰ろうとしていた、その日の朝、敦子が、いつものように手を合わせて、何やらお願い事をしていた。その後ろには、そのチーム全員がともに手を合わせていた。


 その時の敦子たちは、いつになく真剣に手を合わせて、神妙な面持ちで、手を合わせ始めた。


すると、その願いとは、


「どうか、私たち10人の仲間たちをチームとして、もっと多くの人たちを救えるように、そのために、私たちの希望を叶えるため、どうかそのために、私たちの希望の扉を開いてください。」


というものであった。


 それを聞いた、解放石エンピュラスは驚いた。


 これは、まさに、開く、という、私の仕事じゃないの。それも、これまで一度もやったことのない、物理的ではない、開いてほしいという依頼ね。それも、これまでの数限りない宇宙規模の仕事と比べたら、とんでもなく小さな小さな仕事であって、そのあまりにも、ちっぽけなことに、かえって、俄然興味が湧いてしまったわ。


 それに、開いてほしいと言われたら、どんなことでもやらないわけにはいかないわ、どんなものでもすべて開ける、解放石エンピュラスとしての、私のプライドとしてはね。それに、開く、いう言葉を使われれば、そこからは、私は、どんなことでも、能力をいくらでも、無限に広げることができる。


 すると、敦子の、その目の前で、一度大きく光り輝いてみせて、オーケーの返事をした。


 その輝きをみて、驚き感動して、喜びの涙を流す敦子たち。すると、敦子は、必ず自分たちは、努力して、必ず完璧な事件解決のためのチームになることを誓い合ったのであった。


 そして、その時、自分たちは、あらためて、10人のチームとして、再起動することを決意し、この、拾った解放石が、琥珀こはく色に輝いていて、その見た目の形が鳥の羽根のように感じた敦子は、その自分たちの、新たなるチーム名を「琥珀こはくつばさ」と命名したのだった。


そして、本格的に活動していく中で、警察からの依頼も増えて、より多くの様々な事件解決などに取り組んでいくことで、組織としての存在を、これまで以上に極秘にしなければならない。その意味で、メンバー全員、その苗字は、琥珀こはくつばさだけのものに統一して、偽名にする必要があった。そこで、当分の間は、全員、天元森てんげもり姓を名乗ることとなったのである。


 そして、その日から、エンピュラスは、何か足りないことがあれば、敦子の脳内に思い付かせたり、武術の方法についても、直すところがあれば、ひらめかせたりして、エンピュラスなりのやり方で、仲間たちの武術のレベルを上げたり、他にも、必要な情報を与え始めていた。


 そのせいで、メンバーたちは、その実力をアップさせ、とうとうプロの腕前で事件解決の仕事人として、メインで活動できることとなった。


 そして、困難にもめげずに頑張ってこられたのも、あの石を拾ったことから、日々祈り続けたことからだと感じて、あの石を正式に祀るための塔を立てて、その中に石を収めることとしたのであった。

そして、メンバーたちの希望を込めて、希望の塔と名付けた。


 ガラスでできた、数十メートルはあろうかというその塔は、中央の扉を開けると、やはり特殊なガラス製の箱があり、その中に、解放石エンピュラスが、その石の姿で入れられ、祀られることとなった。そして、その塔の後ろには、メンバー全員の名前が入っていて、必ず仕事の開始前に、その塔の前で感謝の祈りを捧げるのであった。


 だが、その頃になると、請け負う事件なども、これまでとは違い、困難なものが増えて、解決方法や修行法や他のやり方も、これまで以上にレベルアップさせなくてはならず、そのためには、どうしても、人間には、言葉を使わずに理解させることは難しくなってきた。これまで、他の惑星の人たちは、言葉を使わずに理解できる能力があったのだが、地球人たちの、その能力は劣っていることに、エンピュラスは、気づくようになっていた。


 そこで、エンピュラスは、もっと的確で、直接的な新たな指導方法を考えなければならなかった。

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