13-2 新生ナリント国の誕生②
「Q」は、王宮の入り口にある、特別な受付に声をかけた。
「プリンセスにお会いしたいのですが、、、」
すると、受付の女性が、
「お約束は、ございますか。」
そうだわ。アポがなかったけど、えーと今の名前は、、、、。
「エンドレスよ。」
これが、今の世界での私の名前。
「そう言って頂ければ、大丈夫だと思うわ。」
「かしこまりました。それでは、確認いたしますので、しばらくお待ちください。」
すると、その女性は、連絡をしている。すると、「Q」は、その場で、すぐにアポの確認がとれる操作を行なうために力を発揮すると、
「只今、確認がとれました。ご案内いたします。」
その女性の案内で、王宮のプリンセスの部屋に通された。すると、奥からは、懐かしい声が、
「あら、ひょっとして、あなた、「Q」!久しぶりね。」
そこには、だいぶ見た目の印象が変わっていたルミナリエがいた。
「あら、ルミナリエ!どうしたの?それにしても、美貌のレベル、下げすぎじゃない。」
「そう言わないで、恥ずかしいわ。私、今、鏡をみるのも恥ずかしいのよ。でも、「Q」、あなたったら、どうしたの。なんだか、すごく、かわいいわね、その顔。」
「あら、恥ずかしいわ、もう。今回の件で、私も、レベルを下げるの、ちょっと研究してね、さすがに、あんまり下げるのは、ちょっとどうしようかと思ってね。それだったら、そうだ、美人じゃなくて、かわいい系だったら、どうかと思ってね。それだったら、美人系とは、また別の系統でしょ。美貌とかわいいなら、ちょっと、扱いが違うじゃない。それで、レベルを下げるのとは、またちょっと違うから、今回は、これでいこうかと思ったのよ。苦肉の策って感じかしらね。」
「なるほど、さすが、「Q」ね。そんな裏技みたいのがあったのね。だけど、私は、今、プリンセスだもの、プリンセスは、やっぱり綺麗系よね。あまり、かわいい方に寄るわけにはいかないわね。そうなったら、威厳も何もなくなってしまいそうだわ。色々な見方をする人たちもいるからね。」
「そうねえ、、、ねえ、お互い、顔のことは、これ以上触れるのはやめにしましょうよ。私だって、ナリント国のことでは、こりたのよ。」
「そうね。私も、本当に2度と、あんなことと、こりごりだわ。」
「ところで、王室や、政府の管理官や、警察とかは、どう?私、だいぶ作り変えてしまったから、今すべての記憶を持っているのは、ルミナリエ、あなただけなんだから。」
「それなら、大丈夫よ。なまじ、記憶のある人とない人とがいると、なかなか面倒だったけど、全員が、前回のことは、白紙の状態でしょ。だから、問題はなかったわ。それに、「Q」が新たに作った歴史の記憶を引き継いで、自然につながったから、よかったわ。一応、案内するから、みてくれる。」
「そう、うれしいわ。どんなになったか、気になるわ、、、。」
すると、まず、政府の管理官たちに、会いに行った。
「「Q」が、最初の時のナリント国のままで残してくれたから、女性ばかりが主導になっているけど、特に、女性ばかりが偉いわけじゃないのよ。」
そして、政府上層部の組織に到着した。そこにいた女性が、プリンセスに気づいて、こちらにやってきた。
「あら、プリンセス、いらっしゃい。こちらの方は?」
「こちらはね、私がこれまで大変お世話になってきた方なのよ。」
すると、一瞬、そう言われて、戸惑ったが、すぐに立て直して、挨拶を返した。
「はじめまして。私は、エンドレスと申します。」
「そうですか。よくいらっしゃいました。私は、総管理官のエメラ・オーロラ・エストラミスと申します。」
それを聞いて、なるほど、やはり、国の上層部にいるのは、美貌にとらわれない人が、やっぱりいいからね、とあらためて納得したのだった。
すると、続いて、現れた2人の女性。
「こちらは、副管理官の、ステラ・オーロラ・エストラメス、そして、エルダ・オーロラ・エストラミスよ。」
続いて、2人に会い、納得の「Q」、
「よかったわ。皆さんに会えて、安心しました。これからも、宜しくお願いいたします。」
すると、3人は、嬉しそうに、
「私たちが、この国を、少しでもより良くできればと、日々様々なことに取り組んでおります。より一層、精進してまいります。」
すると、プリンセスから、
「それでは、続いて、警察関連の部署にご案内しますわ。」
着いたのは、警察本部のある施設。
「ここ、警察本部は、もちろん美警察はもうないけれど、変わらず、武装もしていないし、武器も扱っていないわ。そこは、元のナリント国と同じね。」
すると、1人の凛々しい女性がやってきた。
「こちらは、警察総指揮官のエテリア・フローラル・レオニールよ。」
「はじめまして。私は、エンドレスと申します。」
そうよ、警察のトップといえば、実務、じゃなくて、この人しかいないわね。
「それから、警察官のための格闘技指導者として、この3人よ。アニエス・エリザベス・デルフィーノ 、イザベラ・モレーノ 、アンナ・ソフィア・ベルガー。」
すると、3人は、声をそろえて、
「はじめまして。ようこそいらっしゃっいました。宜しくお願いいたします。」
「こちらこそ、宜しくお願いいたします。」
そうよね。格闘系といえば、もうこの人たちしかありえないわ。とても、実践的だしね。安心したわ。
「続いて、防衛機器開発部署にご案内するわ。」
そこは、大きな研究所と工場から成る施設であり、様々な機器の研究開発が行われていた。
「「Q」、ここはね、これまでのナリント国と同様に、武器などは作っていないのよ。もちろん、他国からの攻撃なども、一応想定して、それに、今では、犯罪も若干起こるので、それらに対応した機器は、日々研究開発を怠らないの。武器は、作らないけど、一瞬で相手の動きを止めるような装置や、簡単に武器を消してしまう機械など、武器ではないけど、簡単に、攻撃を阻止できる機器を研究開発しているのよ。これは、あなたの理想だものね。」
「そうね、戦争は嫌だけど、武器は作りたくなかったから、本当に理想的よ。」
すると、研究所を訪れると、でてきた1人の女性、
「プリンセス、よくいらっしゃいました。」
「Q」は、その女性をみていると、女性の方から、握手を求めてきた。
「はじめまして。私は、ミレニス・ジャクリーン・ペネストリアと申します。こちらの研究所で、様々な機器開発と、それから、主に、特殊ガスの開発を担当しております。宜しくお願いいたします。それでは、開発チームの倉庫と作業現場にご案内します。」
その後、開発チームの製造の現場に案内された「Q」。
そこには、半分以上の場所は、様々な機器を製造するため、膨大な量と種類の部品や材料が管理された倉庫であり、担当者たちが、その都度、必要なものを探し出して、開発チームへと運搬する。
開発チームも大変なのだが、それ以上に、その広大な部品倉庫にある部品や材料を探し出す作業は、困難と多忙を極め、おまけに、その拘束時間も、朝8時から夜10時までと、重労働であった。
おそらく、警察関連の部署では、その作業の担当者たちが、もっとも過酷な作業だと感じていた。
すると、その担当者たちが、プリンセスと「Q」の方にやってきた。
「ようこそいらっしゃいました。私は、担当責任者の、ジェラス・ウィンデビルと申します。あと、この2人は、同じ、ここの作業担当者の、ゼミール・ガルバッド・ブラスターです。それから、ここにいる2人は、作業員のコトール・セメイル・ガルボとアルタ・ミルカド・シミッドです。この2人は、もっとも過酷な作業を任されています。」
すると、プリンセスは、
「あなたたち、ここは大変な仕事だけど、頑張ってね。そのうち、機械化されれば、かなり楽になると思うけど、とりあえずあなたたちの仕事は、あと20年だから頑張ってわ。」
担当リーダーのジェラスから、
「そうなんですよ。なんだか、知らないうちに、ここの作業、20年に決まっていたんです。でも、20年もですか。ちょっと作業も拘束時間も長すぎて、なんとかしてほしいです。」
「そうね、悪いけど、もう決まってしまったことだもの、その時は、あなたたちも、承諾してくれたのだしね。あと20年頑張ってちょうだいね。」
「Q」は、うなずきながら、この5人については、もはやしかたないと納得していた。
すると、ジェラスは、気がついたように、向こうで作業をしている若い女の子に声をかけた。
「ねえ、こっちにきて。急いでね。」
作業が途中で呼ばれた女の子、
「ごめんなさい。気がつかなくて。」
「よかったわ、気がついて。こちらの方にご挨拶してね。」
「はじめまして、ご挨拶が遅れてすみません、私は、ベリック・エメラル・オニールと申します。お世話になっております。宜しくお願いいたします。」
「あ、ああ、ベリックね、よろしく。あなたも、皆と同じ20年頑張ってね。」
ああ、ここには、皆、まとめて、ここで辛い仕事に当たっているのね。でも、むしろ、この程度で済んでいるのは、その過去から考えれば、かなり減軽しているくらいの扱いなんだわ。
その場から離れると、エンドレスから、
「ルミナリエ、ベリックの顔だけどね。」
「ああ、気がついたのね。あの子の顔だけは、以前のままだと、あまりにもかわいそうだったから、こっそり、少しだけ、私が上げさせてもらったわ。「Q」ごめんなさいね。これだけは、ちょっとお願いよ。」
「ううん、いいのよ。実は、私もね、あのままの顔で、やりなおしは、さすがにかわいそうかなって、ちょっとだけ思っていたからね。そこまで美人というわけではないし、ちょうどいい具合になったじゃない。そのかわり、皆と同じ作業につけたのよ。」
「そう。それなら、よかったわ。」
「「Q」、そういえば、あと1日遅かったら、珍しい人に会えたのに、ちょっと残念だったわね。」
「えっ、明日、誰がくるの?」
「驚かないでよ。モデルラボの蓮津真希社長と、モデルをしている娘の、蓮津梨奈、もとのオービスね。オービスは、結局、純粋の日本人になったのね。それと、究極の美貌追求研究所UBPRIの所長フランソワ高木よ。」
「ああ、そうそう、思い出したわ。フランソワ高木所長さんは、最後のワールドハイパービューティーコンテストの時に、あなたの美のエネルギーが無限だということをかなり見極めていたわね。それで、その才能は活かしたかったから、そのままの立場で、残したのよ。モデルラボの社長さんとは、たぶん、これが初対面になるわね。」
「そうなのよ。「Q」、あなた、そこは、あまり変えずに残したのね。」
「そうね。できるだけ、その価値ある存在は、残そうとしたら、少しだけ変えざるを得なかったわ。それに、かなりの人たちは、全く別の人間にしたけどね。多くの人たちは、最初からいなかったことにするのは、さすがに、かわいそうだったわ。
そういえば、ベリックを食べて、美貌が失われた人たちだけど、世界中の国々に帰化して移り住んでいるじゃない。あの人たちは、全員、その国々に最初から、生まれていたことにしたわ。だから、コスメも、最初から日本人ということにしたわ。それが一番自然だからね。この私でも、今回は、かなりの大仕事だったわ。新生ナリント国を残すためにもね。」
すると、そこにちょうど訪れていた1人の女性。すると、「Q」は、なつかしそうに、声をかけようと近づいていった。しかし、もはや、自分が知るのは、こちらからだけであることに気がつき、その代わりに、すぐに、ルミナリエに声をかけた。
「プリンセス、こちらの方は?」
すると、すぐに、その女性は、自ら挨拶をした。
「はじめまして。私は、この建物に隣接する、セレスティア総合病院の院長を務めております、エリーゼ・ノクターンと申します。」
その、さわやかで、とても安心できる素敵な笑顔をみせる美人こそ、コトールルミナス国で、超天才外科医とうたわれたその人であった。
「はじめまして、私は、プリンセスの友人のエンドレスと申します。あなたの手術の腕前は、色々と伺っております。でも、院長を務めながらは、大変ね。」
「恐れ入ります。他のスタッフたちのありがたい協力の下、兼任させて頂いております。とても、ありがたいことです。でも、私は、やっぱり現場が1番好きなのです。」
そう。エリーゼ・ノクターンは、その外科医としての腕前や、その優しさや人柄を考えると、どうしても、ここに復活させないわけには、いかなかったわ。絶対的に、必要な人物よ。




