12-2 ナナの真実②
そこで、アンシャンテは、意を決して、あることを考えた。
学校が終わって、ある日の放課後、アンシャンテは、自宅に帰るのとは、反対方面にゆっくりと歩き始めた。ゆっくりと歩きだして、少し止まってみたり、いつもより、あえて、その歩をゆっくりと進めてみた。そして、周りを気にしながら、しかし、気にしていないふりをしながら、歩いていると、誰かの視線をキャッチした。
それは、クラスメイトのオリメラが、アンシャンテの後をつけていたのであった。それは、アンシャンテが、自宅に帰るのとは、逆方向に行こうとしているのをみて、気になって、後をつけていたのである。それを知ったアンシャンテは、そのままエンドア川にむかい、橋のたもとに到着するまで、後をつけてきたことを確認すると、そのまま、身を投げた。
それを見たオリメラは、驚いて橋に駆け寄るが、昨日の嵐で水があふれて、水位があがり、急な流れとなっていたエンドア川には、すでに、アンシャンテの姿はなかった。
すると、すぐに、警察へ連絡をするオリメラ。続いて、学校にも連絡をした。
その後、警察は、何日も、エンドア川や、その周辺を捜索したのだが、ついに、アンシャンテの姿はなかった。死体すら、発見されなかったのであった。だが、確実に、アンシャンテは、エンドア川に飛び込んで、自殺したことに間違いはなかった。オリメラは、それを目撃したことを証言したのであった。
すると、アンシャンテは、なくなったあと、下界をみていると、自分のことを嘆き悲しんでいる姿を目にしたが、その一方で、その心情では、これで自分たちの美貌が下がることはなくなったと、ホッとしている女性たちを、意外にも多く見ていた。それを見たアンシャンテは、あらためて、自殺したことを後悔しないでいた。
ところが、アンシャンテが、そのまま、死後、どこかに去ろうとしていた時であった。あのクラスメイトの1人であるジェラスが、自分が生まれたことがきっかけとなって生み出した、他の美貌を羨む気持ちから、突如として手に入れた能力で、女性たちの美貌のエネルギーを吸収するようになっていることを知った。
そんな特殊能力を身につけたジェラスをみたアンシャンテは、自分の責任を感じて、このままでは、帰れないと思い、なんとか、方法がないかと考えを巡らしていった。
そして、とにかく、もう一度、ジェラスに会って、どうか目を覚まして、女性たちの美貌を吸収することをやめるように説得することに決めた。そのためには、とにかく、ナリント国に生まれ変わるしかないと、生まれ変わるための準備を始めた。実際には、生まれ変わってから、ジェラスに、そのことを、伝えられる年齢になるまでは、少なくとも10年以上の年月が必要となるが、とりあえず、そんなことは言っていられなかった。




