12-1 ナナの真実①
すると、ナナは、急に泣きくずれた。
「あああ、私ったら、、、ごめんなさい。本当に、、、本当に、ごめんなさい、、、あなたには、今こそ話さなければならないことがあるのよ。どうか、聞いてちょうだい。」
それは、今から、数百年以上前に遡る。
ナリント国は、世界屈指の美人の国。だが、当時、国同士の交流は、ほとんどないため、そのことは、ナリント国民は、気が付かなかった。それに、ナリント人の女性たちは、その美人度に、そこまで差がないので、互いに容姿を気にすることもなかった。
だが、そこに、突然、生まれた1人の女の子。そんな美人ばかりの国に生まれた、その世界屈指の美人たちを、さらに上回る美貌を持つ奇跡の女の子であった。
すると、女性たちは、これまでに感じたことのない感情をあらわにした。その女の子の美しさを感じるほどに生まれてくる、あらたな感情。それは、今までにはなかった悔しさと、対抗意識は、女性たちの気持ちをかき乱してゆく。
そんな中、特に、その気持ちをあらわにした女性。それが、ジェラス・ウィンデビルであった。ジェラスの気持ちは、さらに、外向きに激しく表現され、その奇跡の少女アンシャンテに対して、その美貌を評価するも、自分より上だと感じる気持ちに、苛立ちと、嫌悪感を覚える。だが、それは、どうしようもなかった。
一方で、アンシャンテは、時をへて、10代となり、本来の意識に目覚めてきた。
この国について、様々な観察を始めていた。
「まずは、1番気になっていた女性たちの、その姿やあり方よ。」
多くの女性にふれて、この国における美のレベルや、女性たちの美貌の現状について、客観的に調べ始めていた。
「思ったよりも、女性たちの美しさは、際立っていて、とても素晴らしいわ。高いレベルの中で平均している。私の思っていた通りに、かなり近いと思う。それに、自分たちの美貌に対する感じ方も、理想通りだわ。」
10代で学生という立場でありながら、多くの女性を観察し、全体的な、その美貌の女性たちのあり方を調べていた。
その多くの女性たちは、ほとんどすべてが高いレベルで美しく、それに、そのレベルの高い美人たちは、自分たちが、そこまで高いレベルであるとは思っていない。アンシャンテには、そこが1番大事なところなのであった。
この世の多くの女性たちは、高いレベルで美しさを持つと、どうしても、それを意識し、あるいは、それを自慢する者たちも出てきてしまう。それは、他と比べるからであり、自分よりも低い者たちがいれば、当然、自分が高いレベルだと感じてしまうので、その今、自分のいる環境も左右するのだと感じていた。
その点では、このナリント国の女性たちに限っては、そのようなことは、あまり感じられない女性たちであった。そのように、生み出されたのがナリント人なのであった。
しかし、ここで、そんな中、まれに、1人の女性からは、特に他の女性たちには感じられないほどの強い気持ちが感じられた。それが、ジェラスであった。ジェラスは、対抗意識や、羨む気持ちが強くなっており、明らかに、アンシャンテと会う時の態度に現れていた。
多くの女性たちを調べていく中で、出会ったジェラスは、他の女性たちとは違って、自分に対する態度をはっきりと表していた。
ジェラスは、明らかに、私に対して、燃えるような対抗意識を持っているわ。どうしてかしら。この国の女性たちらしくもないわ。
そして、ジェラスは、もはや、アンシャンテを避けるようになっていた。そして、そのジェラスの気持ちは、周囲に飛び火をするようで、周りの女性たちも、アンシャンテに対する羨んだり妬む気持ちが。徐々に大きくなっていたのであった。
すると、アンシャンテは、ジェラスにそんな気持ちを起こしたのは、間違いなく自分であると理解するようになってきた。ナリント国民は、平和で穏やかに、お互いを尊重して暮らしていたのに、自分が、この社会に、ハイレベルの美貌を投じたことが、多くの美人たちの美の常識を覆してしまうことになったのである。それほどまでに、アンシャンテの美貌のレベルは、かけはなれていたのであった。
これこそが、アンシャンテの人生の最大の失敗であった。
まさか、こんなことになるなんて。これは、とても、予想外だったわ。
すると、このことから、ナリント人の女性たちは、自分と他人を比べるようになり、そのうちには、ただ感情をあらわにするだけではなく、耐えきれず、実際に、相手にいじわるをしかけてみたり、まれには、犯罪めいた行動を起こす者まで現れるようになり、アンシャンテは、悩んでいた。
どうしたらいいの。まさか、私が生まれたことで、こんなことになるなんて、予想外だったわ。




