9 奇跡の水の使い方
これは、実は、本当のことよ。あなたたち2人は、50年間しっかりと作業をやり遂げたのよ、それに間違いはないわ。
「今頃、誰かが、この水をコトールルミナス国の王室の人間が特殊な瓶に詰めているわ。これはね、「美と命の水」といって、これを飲めば、そのエネルギーによって、美貌のエネルギーが、何十倍にもなるのよ。そして、毎回ではないけれど、時には、命を救うこともできる、生命力エネルギーの水でもあるわ。」
それを聞いたコトールは、反発した。
「そんなこと、うそでしょう。私が飲んだけど、ナリント国で普通にいつも飲んでた水だったわ。」
「それは、あなたたちが、ナリント人だったからよ。ナリント国の女性たちが、奇跡的に美しいのは、この水をいつも飲んでいたせいなのよ。他国の美人たちと、ナリント国の美人たちでは、あまりにもレベルが違い過ぎる。この世で、ナリント国は、あまりにも美人度が高すぎるのよ。
さすがの私にも、なぜ、この水が、そんな偉大な効果を生み出しているのかはわからない。それに、本当は、この特殊な水を作り出すのは、50年かけるほどではないけれど、かなり難しいのよ。奇跡の美貌を作り出す水だからね。ナリント国で、普通に使えていたことが、むしろ不思議なのよ。誰か、そんなことを簡単にできた人物がいたのね。そこは、私にもわからないことよ。
しかし、これから、コトールルミナス国に「美と命の水」として、この水を50年に一度与えて、アルタコーネス国には、同様に「美のエキス」として与えるわ。プレリアン山の「奇跡の泉」に50年に一度湧き出るのよ。
そして、今後、この水を、どのように使っていくかが、両国に与えられたテストなのよ。それによって、さらに、今後の国の流れを決めていくわ。女性たちの美貌を、何よりも重要視する国、果たして、この水をどのように使われるのか、楽しみだわ。もしも、この水が、再び、国を滅ぼすようなら、今度は、さらに2つの国を消滅させるかもしれない。」
その頃、両国は、50年に一度、王室での儀式で、この水を使用することとしていた。つまり、本来の美貌をアップさせる作用として、使用することはなかったのであった。
だが、両国は、互いに、自国がこの世で最高の美人を誇る国であると思い始めて、それぞれ、相手の国よりも、美貌の国民であるとし、ある時、国同士の争いを、美貌の上での対決と定めた。
そして、これには、どちらも依存なく、それぞれの国を1番の美貌を持つ女性を起用するということから、最終的に、どちらもプリンセスに白羽の矢が立ったのである。
だが、その対決に、その水が使われるわけではなかった。それというのも、50年に一度、瓶にたった1本分しかない量では、儀式の際には必ず必要不可欠であり、とても美貌をアップさせることに使うには、とても少なすぎるのであった。
すると、その後、20年たち、再び、あの声が、2つの部屋、ホワイテリアに響いてきた。
「今回は、両国に対する朗報を持ってきたのよ。これで、あの水の使われ方が格段に変わると思うわ。」
「なんなのよ、いったい!どうせ、大したことじゃないんでしょ!」
「どうかしらね。それはね、あの水を入れておく容器のことなのよ。と言っても、その機械の最後にあるものじゃなくてね。コトールルミナス国とアルタコーネス国のそれぞれの泉から、あの水を詰めた容器、特殊な素材でできた瓶ね。
実は、あれをたった今から、1つ機能を加えたわ。それは、あの瓶の中身をどれだけ使っても、あの瓶の中に、1㎝以上残しておけば、1時間後には、瓶の中身はいっぱいに戻るのよ。つまり、1度に瓶の90%使っても、1時間後には、元に戻る。ということは、頻繁にほとんどあの瓶の水が使えるというわけよ。
だけど、こんなに貴重な水、そうは簡単には使わせないわ。たまたま、いいタイミングで、その情報を知った人が運がいいのよ。まあ、以前よりは、断然有利でしょ。」
それを聞いたコトールは、くやしそうに、
「あなた、私たちを弄んでいるの?!いったい、私たちをどうしたいのよ!」
「言ったでしょ、これは、あなたたちの行なってきたことへの罰なのよ。とりあえず、終わりはないわ。」
そう言うと、再び消えてしまった声。




