3 ジェラスの正体
メリディスは、最終形態になるために必要だった約2万人分の美のエネルギーを、コトールルミナス国で、ベリディウスの実によって吸収し、とうとう、その変貌を遂げた瞬間であった。
その、黒美無限体へと変貌を遂げた、メリディスの黒の全身は、その黒は、今まで誰も見たことがない、その深みのある色は、どこまでも美しく、そのどこまでも濃く、どこまでも深い黒。そして、それに、メリディスの奇跡のような、さらなるレベルアップした、その美貌が、その美しい黒にも引けを取らないのであった。
メリディスの、その黒は、これまでとは違い、美のエネルギーを無限に吸収することができることとなり、まさに、それをみた、イザベラとヴィクトリアは、その美しさと共に、その反面、感じたことのない恐ろしさを同時に感じていた。
これまでになく、静かで落ち着いた表情のメリディスは、少し微笑んで、だが、すぐに、キリっとした表情となって、
「クラリス、もはや、これまでよ。あなたたち3人も含めて、ここに倒れている全員、今、ここで、私に吸収されるしかないのよ。」
すると、全身が震えているメリディス、
「さあ、今こそ、最強になった私を見せてあげる!」
次の瞬間、一気に、その場に倒れている多くの者たちは、一瞬のうちにエネルギーへと変わり、あっという間に、メリディスに吸収されてしまった。
だが、クラリスは、吸収されることなく、ただ1人残っていた。それを見て呆然とするメリディス。
「なぜ!、、、、なぜ、あなたは、吸収されないの!あなたは、いったいだれ?!!」
だが、正面に進み出たクラリスは、メリディスに対峙すると、
「メリディス!いいえ、ジェラス!やっと、正体を現したわね!もう本名を名乗っていいのよ!やっぱり、あの時、消し去っておくべきだったわ!」
あまりのことに、驚くジェラス!
「な、なんですって!なぜ、私の名前を知ってるの!あなた、いったいだれ?」
「そうね、このままの姿だと、わからないわね。」
すると、クラリスは、その姿は、全く別の、20才くらいの美貌の女性の姿に変わっていった。
「あなた!「Q」ね!なぜ、こんなところに!あなたを、これまで、どれだけ探していたか!よくも私を封じ込めたわね!あなたには、恨んでも恨んでも、恨みきれない恨みがあるから、容赦しないわ!もう、今の私は、あの時の私じゃないからね!美の化身となった私は、どれだけのことができるのか、今、見せてあげる!」
「ジェラス!もうあきらめなさい!あなたには、もうおしまいなのよ!」
2人は、実に、数百年もの間、互いを探していたのであった。
メリディス・フェリシア・マルティネス は、実は、本当の名前は、ジェラス・ウィンデビルであった。
「私は、何百年の時をへて、とうとう美の化身となったのよ。同じ美の化身のあなたに、遥か昔、封じ込められた恨みを、今、ここで晴らしてやるわ。あなたには、もう消えてもらう。それに、美の化身は、2人はいらないからね。」
それを聞いた「Q」は、驚き、思わず涙を浮かべて、
「あ、あなた、、自分が、、自分が誰だかわからないの。あなたは、勘違いをしているわ、、」
「何を言うの!私は、数百年、美貌のエネルギーを吸収して、ついに美の化身となったのよ。あなたと同じにね。」
さらに、涙が止まらない「Q」
「私は、美の化身ではないわ。それに、、あなたも、、、あなたも、違うのよ。」
「それなら美の化身は、私だけね。それなら、私は、あなた以上ということになる。」
すると、悲しみの表情となる「Q」
「あなたはね、、あなたは、美の化身ではないの、、私が、今、あなたの正体を教えてあげるわ。よく聞きなさい。」
「何を言うの!私は、美貌のエネルギーそのものなのよ。そして、美の化身になったのよ。」
「Q」は、悲しみ、泣きながら、説明を始めた。
「ジェラス、、、どうか、落ち着いて、聞いてちょうだい。あなたは、昔、アンシャンテと出会い、その自分を超えた美貌に、嫌な思いを抱いてしまった。そこから、大きくなった、その強い気持ちは、他の女性たちも、同じ気持ちを持つようになってしまったわ。その気持ちこそが、この世に生まれてしまったあらたな感情であり、それこそ、私が、その名を名付けた「ジェラシー」なのよ。あなたが、その後、何百年も多くの美貌を求めて、吸収してきた、その原動力は、ジェラシーなのよ。あなたの持つ美貌は、すべてジェラシーが元になっている。つまり、あなたは、ジェラシーの化身なのよ。」
それを聞いたジェラスは、もう何が何だかわからない状態になっていた。
「な、なんですって!!いいかげんなことを言うと、容赦しないわよ!!」
そう口にするジェラスは、取り乱し、実は、そのことを理解し始めた自分と、それを受け入れられない自分が、それぞれ自分の中に生まれていた。
「そんな、、、うそを言ってもダメよ。私は、美の化身、、、、、。」
苦しみ始めたジェラスは、倒れてしまう。
「そんなでたらめを言って、、どういうつもり、、いったい、、、」
ジェラスの中では、それを認めている自分と、反発する自分、その両者が、互いを消し去ろうとしている。
それを認めている自分は、急に自分の中にやってきた、「Q」から伝えられたことを、常識で判断ができる理屈であり、すんなりと自分の中に入ってきたのであった。一方で、それに反発する自分は、これまで自分がしてきたことに間違いはない、というものであった。
そして、その両方の気持ちがぶつかり合って苦しみ続けているメリディス。もはや、美のエネルギーが、命そのものとなっているジェラスにとって、美のエネルギーがジェラシーからできているとは、ジェラスの命そのものがにせものであると、解釈せざるを得なかった。
「「Q」、あなた、、、そんなでたらめなことを、、、騙されないわよ、、、私は、、、、、私は、、、私は、、美の、、、化身よ。この世、、、で1番、美しいのよ、、、。」
少しずつ、その苦しみが収まり、静かになってきた。すると、ゆっくりと消滅していった。
ため息をつくクラリス、
「自分が、自分でも信じられない存在であることに耐えきれず、その気持ちから、自身を否定して、とうとう自分の存在までも否定して、存在しきれなくなってしまったのね。自分の気持ちが、自分自身を、自分の命を押しつぶしてしまった。まさか、こんな最後を迎えるなんて。人の美貌を羨んだ気持ちが生まれたことで、結局、その強いジェラシーがジェラスの限りない命となり、終わりのない美しさを求め続けて、不幸な終わりを迎えてしまったのね。」
そして、ふと気がつくと、そこにいるのは、まさに、「Q」ただ1人であった。
「それにしても、あの、ナナは、素晴らしい子だったわ。これまで、また、その美貌で、ナリント人が再び悲劇を起こさないかと、これまで心配して、長年監視してきたけど、自分の命を犠牲にして皆を助けるなんて、あの子なら、これから、代表となって、きっとやり直しができるに違いないわ。いいえ、あの子にしかできないわ、きっと。」




