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2-9 ジェラスの物語⑨

 そして、オーヴェロンは、自分をとても可愛がってくれているジェラスの気持ちに、もっと報いたいと思っていた。

 そして、その後、何十年もの間、多くの女性たちから美貌のエネルギーを吸収し、ジェラスは、もはや、人間を超えた存在となり、美のエネルギーが、その美貌を高めるだけでなく、生きるためのエネルギーとなっていた。

ゼミは、自ら美のエネルギーを吸収することはできなかったが、ジェラスの手となり足となり活動する一方で、ジェラスからは、美のエネルギーをもらい、それが生きるためのエネルギーとなり、ゼミも人間を超えていた。


 ところが、それを、遥か上の世界から見ていた存在があった。その存在こそが、「Q」であった。そして、ジェラスが、多くの女性たちから、すでに数千人以上の美貌を吸収しているのをみていた。


「これまで、あなたの中に生まれてきた、人の美貌を羨む強い気持ち、そのことに、端を発して、人の魅力などに対して、ただ羨むだけではなくて、それを否定したい気持ちが生まれ始めてきた。


 その気持ちは、奇跡的に多くの人たちに広がって、そのように感じる人たちが増えてしまったわ。そして、そのために、その相手を傷つけるという行動も起こり始める世の中になってきた。自分と他人の美しさを比べる世の中になってしまったのよ。それに、悪意を持つ女性たちも増えてしまったわ。


 それに、ジェラス。あなたは、多くの女性たちから、美貌を吸収している。このままでは、やがて、あなたは、この世の女性の美貌を、すべて吸収しつくしてしまうかもしれない。


 私は、あなたの存在を、このまま見過ごすことは、できないわ。あなたを消し去ることは、簡単だけど、これまでの罪を償うためにも、永遠の苦しみをあなたに与える。遥か遠くにある暗黒の岩の中で、永遠に苦しむがいいわ。」


「なんですって!あなたは、だれ!、、、、ああああああーっ、、、、、。」


 そして、とうとう、ジェラスを、メリナス島にある、まず人間が立ち入ることのないエメラス山にある暗黒の岩に封じ込めてしまった。


 そして、その後、十年の時がすぎてなお、ジェラスは、以前として、暗黒の岩の中で苦しみ続けていた。


 だが、人々は、この、人に対する気持ちは、どういうものなのか、まだよく理解できなかった。女性たちが、他人の美貌を羨むだけでなく、ついには、その相手に憎しみさえも抱いてしまう気持ち、それは、どういうものなのかが、人々は、理解できず、多くの者たちは、その自分の理解できない気持ちに苦しむという社会現象が起こり始めていた。


 そこで、「Q」は、その羨む気持ちを、どのようなものか、人々に理解させるために、その気持ちをはっきりと、人々に示すため、ある名前をつけた。それは、最初、あのジェラスのせいで、起こり始めたことから、ジェラスの名前を元にして、「ジェラシー」と名付けたのだった。


 このことは、瞬く間に、社会に浸透して、自分たちに湧き上がる、その「ジェラシー」という気持ちは、徐々に理解されるようになってきた。それによって、その気持ちのほとんどが、人間の中に湧き上がる負の気持ちとして理解されて、そして、特に、女性間の美に対する気持ちとして、そこまで気にされなくなってきた。


 しかし、それだけではなく、世間の様子が、1部でプラスに変わってきたことも、否めなかった。人に「ジェラシー」を抱くことで、自分を奮い立たせて、自分を成長させたり、自分の原動力とする者まででてきて、必ずしも悪い影響だけではないことを知った。


「Q」は、当初は、この思いをこの世からなくすつもりでいたのだが、最初の発生時よりも、人々が理解できるようになってきたことや、このように、プラスに作用していることを感じていた。

 それに、多くの人々たちは、当初ほど悩まなくなってきたことから、今度は、逆に、人から羨ましく感じる点を、自分の新たな目標として感じられるように、人類に力を与えて、しばらく様子を見ることにした。

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