2-8 ジェラスの物語⑧
ジェラスは、微笑みながら、声をかけた。
「ゼミ。あなた、ゼミール・ガルバッド・ブラスターよね。」
驚くゼミ、
「ええ?あなたはだれ?私に、なんの用?」
「ごめんなさい。突然、声をかけて。」
とても地味な少女、通称ゼミは、この世界屈指の美人の国でも、珍しく美貌のレベルが低いとされ、クラスメートの美人な女子たちに、その容姿をばかにされ、いつもいじめられていた。
「あなた、いつも、いじめられていて、学校を辞めるんでしょ。だったら、私の仲間になって、仕事の手伝いをしてくれない。そうしてくれたら、今、あなたが1番望むことを叶えてあげるわ。」
いつも、いじめられて、人間不信となり、おまけに、そのいじめるのは、美人の女子ばかり。そして、今、目の前にいるのは、信じられないくらいに美しいジェラスであり、もはや美人には、嫌悪感しかなかった。
「余計なお世話よ。あなたも、私のことをばかにしにきたんでしょ。私のことなら、ほっといてちょうだい。あなたみたいな美人に、私の気持ちなんてわかるわけないわ。」
すると、もはや、何を言っても無駄だと思い、その手を振り払おうとするゼミ。
「何するの!手をはなして!」
「ちょっと待って!ちょっとだけ、このままでいて!」
ジェラスは、その美のエネルギーを彼女に放出していった。だが、その手を振り払い、逃げようとするゼミ。ジェラスは、その目の前に、手鏡を放り投げた。
「いいわ。逃げるなら、それでもいいわ。その前に、その鏡で、自分の顔をみてからにしてね。」
そのまま、逃げようとしたが、目の前の鏡を踏みそうになったので、拾い上げると、自分の顔を見てしまったゼミ。
その鏡の中に、ゼミは、とんでもないものをみたのだった。
それは、自分をいじめてきた女性たちを上回る、それまで見たこともない美貌の自分であった。
しかし、その顔は、ジェラスからみれば、まだまだ、レベルの低い美貌の姿であったが、ゼミは、それをみて、感動し、ジェラスのことを信じるばかりか、ジェラスに寄り添っていこうと、決意したのであった。




