2-6 ジェラスの物語⑥
ジェラスの周りにいる美貌の女性たちは、少しずつ、その美貌が失われ始める数が増え始めて、ジェラスは、そこまで疑われてはいなかったのだが、もはや学校にいることにも嫌気がさして、自ら辞めてしまった。
それに、初めのうちの気持ちは、自分がいると、多くの女性たちに迷惑がかかるというものだったのだが、その思いは、その反対へと動き始めていた。
私は、これから、どこまでも綺麗になれる。自分より、美人の美貌は、必ず、私のものになる。それに、今まで、人の美貌を手に入れたいなんて、一度も思ったことなんてない。だから、私は、決して悪くなかったのよ。
すると、ジェラスは、だんだん欲がでてきてしまった。
だけど、人の美貌を吸収するのに、1人ずつ手をさわっていたら、こんなに手間のかかることはないわ。何かもっといい方法を見つけ出したい。もっといい方法が、絶対にあるはずよ。そして、もっと効率的に、たくさんの美貌をたくさんの美人たちから、吸収することができれば、この国で、いいえ、この世で、1番の美人になれるかも知れない。自分よりも美人は、この世にはいなくなってしまうかもしれない。この世で最高の美貌が、この手に入るかもしれない。こんな、夢みたいなことが現実になるなんて!
そして、多くの美人から、その美貌を吸収することに慣れてきたジェラスは、もっとも、その対象となる極めつけの美人のことを、ふと思い出した。
今こそ、私がアンシャンテの美貌を超える時がきたのよ。今日こそ、あの娘の美貌を吸収してやるわ。そして、アンシャンテ、今日こそ、自分の容姿に絶望するといいわ。
久しぶりに、母校を訪れていたジェラスは、すでに何年もたち、自分の知る多くのクラスメイトたちは、すでに卒業していた。すると、以前、世話になっていた担任の先生エンドリアの元を訪ねていた。
「エンドリア先生、お久しぶりです。」
すると、ジェラスをみたエンドリアは、すぐには、誰だかわからない。
「先生、私です、ジェラスです。」
「ええ?あなた、ジェラス?そうなのね?」
「エンドリア先生、本当に、お久しぶりです。お元気ですか。」
すると、ジェラスの頭の先から、足元まで、驚いたような眼差しで見続けるエンドリア。すると、その手を、ジェラスの頬に当てて、
「驚いたわ、ジェラス。あなた、みちがえたわ。元々、綺麗だとは、思っていたけど、さらに、こんなに美しくなって。本当に女性って変わるものね。」
実は、エンドリアは、学校の美人揃いの先生たちの中でも、トップに美しい先生だった。しかし、そんな美貌を持つエンドリアも、突然現れた、当時よりもレベルアップした美貌のジェラスには、正直、戸惑っていた。




