2-4 ジェラスの物語④
そして、ジェラスは、ある日の休日、たまたま、同じクラスの女友達であるアマリアと、公園で出会った。
彼女は、その顔立ちは、とてもきれいで、実は、ジェラスと同じくらいにきれいだったのだが、学校にいる時とは、全く違っていた服装の彼女は、いつもの彼女とは、またちょっと違った魅力にあふれていて、それをみたジェラスは、アンシャンテと出会ってから、これまで少しずつ生まれてきた、他の女性たちに対する対抗意識から、とても悔しくなってしまった。そして、彼女に対して悪意のある対抗意識の塊となってしまったジェラスは、その自身に湧き上がる気持ちから興奮して、この気持ちをどうしたらいいかわからず、思わず、彼女の手をつかんでしまった。
すると、次の瞬間であった。2人に、奇跡的な現象が起こっていた。アマリアの美貌が、あっという間に、ジェラスへと移っていったのであった。ジェラスの顔は、その美しさがレベルアップしていた。やがて、それに気がついたアマリアは、
「あら、ジェラス、どうしたの?なんだか、急に綺麗になったわよ、あなた。こんなことって、ありえないわ。」
そう言われて、一方で、アマリアの顔の変化に気がついたジェラス。なんと、アマリアの美貌は失われて、ナリント人の女性としては、ありえない普通以下のレベルの女性の顔になっていたことに気づいたのであった。
だが、ジェラスは、その時、アマリアの美貌が自分に移ったのかと、直感し、一度は、そのことをアマリアに伝えようとしたが、すぐに気づかれまいとして、黙ってしまった。そして、一方のジェラスの顔は、その元の顔の何倍にも美人度が上がり、美貌のバージョンアップが起こっていた。
ああ!いったい、何が起こったの!
そう感じたジェラスだったが、なにかを感じ、アマリアには、そのまま言わずにいた。
すると、アマリアは、
「こんなことってある?ジェラスったら、急に、今までより美人になったのよ。信じられないわ。」
すると、アマリアの顔を見たジェラスは、心の中で、さらにつぶやいた。
これは、アマリアの美貌が私に移ってきたようにみえる。それ以外には、考えられないわ。どうして、こんなこと。
そこで、そのことには触れずに、ジェラスは、
「ごめんね、アマリア。私、ちょっと用事を思い出したから、もう帰るわね。」
「あら、どうしたの、急に。」
ジェラスは、走り去りながら、
私は、悪くない、悪くないわ!私は、悪いことなんてしてないわ。だって、たまたま起こったことなのよ。私は何もしてないわよね、アマリア。私、何もしてないけど、あなたの顔が変わってしまって、私、どうしたらいいかわからない。
しかし、これは、あまりにも、アマリアの美貌を妬んだジェラスの心が究極までに高ぶったことから、たった今生まれた邪悪な心から奇跡的な力が発揮され、アマリアの美貌を吸収してしまったのであった。これは、実は、ジェラスが無意識のうちに、人よりももっと綺麗になりたいと思ったことからなのであった。
突然、去っていくジェラスを見送ったアマリアは、何も気づいていない。
一方、家に帰ると、鏡をみて、さらに綺麗になった、その顔に見入るジェラス。
「私は決して悪くないけれど、私がアマリアの美貌を吸収してしまったことには間違いないわ。それ以外には、考えられない。でも、どうして、こんなことが起きたのか、わからないわ。」




