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2-2 ジェラスの物語②

すると、ある時、同じクラスのジェラス・ウィンデビルは、友人のテラトワに、話しを持ちかけた。


「ねえ、テラトワ、ちょっと話したいことがあるんだけど、きいてくれる。アンシャンテのことなんだけど、あの子を見ていると、なんだか、今までになかった気持ちが湧いてきて、なんかこうなんていうか、つらいのよね。なんか、嫌な気持ちというか、よくわからないんだけど。」


「いったい、どうしたの?いったい、何があったっていうの?」


「よくわからないわ。でも、あの子がきてからなのよ。こんな嫌な気持ちになったの。」


「えっ、嫌な気持ち?あの子がきてから?それって、なんとなく、私もわかるわ。それって、自分よりもアンシャンテの方が綺麗だと思う気持ちじゃない。」


「あっ、そうそう、アンシャンテは、自分よりも、断然綺麗だと思うのよ。とても綺麗だし、素晴らしいとは思うのよ。でも、そう思うんだけど、そう思う反面で、なんだか嫌な気持ちにもなって、、、。私、こんなにつらい気持ち、初めてなの。本当に、訳の分からない不思議な気持ちで、苦しいのよ。なんなの、いったい、、、こんな気持ちって、、、」


 これまで、他人を恨んだり、羨んだりすることが決してなかったナリント国の人々。そこに生まれて、自分も他人もすべて、同じように美しく存在していて、皆、美しくて素晴らしい、と、そう思って、これまで生きてきたし、これからもそのように生きていくつもりでいた。


ところが、その、自分たちよりも、さらに美しいと思わせる存在が生まれてしまった。そんなことは、ありえない、とは、思わなかったが、でも、そんなことが果たして、起きるとも思わなかった。そして、自分の中に、生まれてきたその気持ちに対しても、すぐに向き合うことはできなかった。


しかし、自分の美しさを超える存在が、自分に与える影響を、少しずつ、少しずつ、肌で実感していくのであった。それは、まさに、自分の美しさを超えている、ということであり、その美しさは、なんと、自分の美しさが、その下にあることを実感した時、自分の美しさが、さらに下がっていくような感覚を感じていた。


それは、決して、これまでには、一度も感じなかった感覚。自分よりも、綺麗だったり、可愛かったり、することは、決してなかったわけではない、のだけれども、その程度のことなら、個人個人の個性として、感じられるレベルで、いくらでも起こっていた、いくらでも、感じていた。


だけど、アンシャンテは、違っていたの!アンシャンテの美しさは、、、なんて言ったらいいの!

アンシャンテを見て、美しいと感じると、そして、自分に戻ってくると、それには、同じ言葉が使えなくなってしまう!こんな気持ち、、、自分が、こんな気持ちになるなんて!


そして、自分の美しさを下げているのは、間違いなく、アンシャンテなのだと感じるようになってきた。


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