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1 -16 究極の美の称号ネオビーナス16

【ナナの秘策】


これは、今から、3か月前、ちょうど、このワールドハイパービューティーコンテストが決定した直後のこと。


ナナは、コスメに、

「ねえ、お母さん、そういえば、この間の、私の誕生日プレゼントのことなんだけど。」

「ああ、あれね、ここのところ、ちょっと忙しくて忘れていたわ。そういえば、ほしいもの、考えとくって言ってたけど、決まったの?」

「うーんとね。実は、もう決まったんだけど、ちょっと高くてもいい?」

「そうね、何がほしいの。物にもよるけど、あなたも、かなり高額な仕事が増えてるから、構わないわよ。でも、何がいいの?」

「そう!新しい衣装なんだけど、特注だから、けっこうするのよ。」

「あら、衣装なら、仕事で使うものだから、いいじゃない。買ってあげるわよ。それに、別に高くても、衣装なら、誕生日プレゼントじゃなくてもいいじゃない。」

「よかった。じゃあ、特注なので、私が衣装デザインしたのを頼みたいので、進めてもいい?」

「もちろんよ。その注文先をあとで教えてくれたら、お金振り込むから。」

「ありがとう。」


すると、早速、ナナは、実務に相談にいった。

「実務さん、ちょっといい?」

「あら、ナナ、あなた、珍しいわね。私に?何の用?」

「実は、私ね。今度、仕事で使う衣装を、特注で作りたいんだけどね。」

「あら、私、モデルの仕事のこととか、まして、衣装のことなんて、全然わからないわよ。」

「それが、その、今回作りたい衣装と関係してることで、聞きたいことがあるのよ。」

「どういうこと?」

「あのね、アンビランス鉱石のことなんだけど、、、、。」


実務は、それを聞いて、かなりの驚きであった。その驚きを、ナナに悟られないようにするので、精一杯だったのである。


「ナナ、、、あなた、アンビランス鉱石だなんて、よく知ってるわね。」

「そういう実務さんだって、私が言ったら、わかったじゃない。」

「違うのよ。私は、そんなに詳しくは知らないわ。たまたま、名前を知っていただけよ。だけど、これって、鉱物研究の専門家や、科学者レベルの人しか知らない物よ。それなのに、あなた、まだ17才なのに、なんでこんなこと知ってるの。」

「私ね。昔からちょっとだけ、鉱物関係の研究をしているの。元々は、体内エネルギーの研究をしていたら、行き着いたことなんだけどね。」

実務は、これを聞いて、ちょっとだけ違和感を感じていた。


昔から??たしか、そう言ったわよね。ナナって、今、17才なのに、昔からって?

いったい、いくつの頃からのこと?


「そうなのね。だったら、美麗隊隊長のアニエスに聞いてごらんなさい。もともとは、あの人は、それが専門で、コトールルミナス国でその第一人者だからね。そうそう、だったら、私から、連絡してあげるわ。」

「えー、ほんとに。ありがとう。」


それをアニエスに伝えた実務。ところが、アニエスの、それを聞いた驚きは、相当なもので、実は、実務は、アニエスが驚く反応を見たくて、自ら連絡を申し出たのだった。その驚く反応を聞いた実務は、すごく嬉しかった。自分だけが驚くのでは、つまらなくて、他にも、誰かに驚いてほしかったのである。


「ねえ、実務さん、ナナって、まだ17才でしょ。何で、私たち専門家でも、なかなか知らないのに、どうして知ってるの。」

「さあ、それは、私にも、わからないわ。本人に聞いてみてよ。」


すると、たまたま、来日していたアニエスは、モデルラボを訪れた。

「ナナ、よかったわ。ちょうど、まだ、日本にいたからね。実務さんから聞いたわよ、あなた。」

「ありがとう。でも、わざわざ事務所にきてもらっちゃって。」

「いいのよ。日本に来た時は、ここには、だいたい寄るからね。ねえ、ところで、アンビランス鉱石のこと、聞きたいんだって?驚いたわよ。いったい、どうしたの。」


アンビランス鉱石とは、様々なエネルギーを保持することができる鉱石で、しかも、他の多くの鉱石との大きな違いは、砕いて小さくしても、その性能は変わらず、小さな粒ほどにしても、さらに、たとえ粉状にしても、その効果にはなんらかわりはないという。


「それで、ナナは、これをどうしたいの。もちろん、何かに加工したいんでしょ。」

「さすが、アニエスね。よくわかったわね。実はね、、、。」


アンビランス鉱石は、コトールルミナス国でしか採取されない鉱石であり、基本的には、エネルギーを溜めておくところとして、使用されているもので、それほど劇的に有益な効果をもたらすものではないのだが、その割に、けっこう高価であり、アニエスは、時々、様々な実験に使っていた。


「ところで、どんなことに使うの?」

「これを使って、衣装を作りたいの。鉱石って、普通、砕いたり、粉状になんかしたら、その効果は、どんどん下がっていって、最後には、ほとんどなくなってしまう。だけど、この鉱石は、どんなに小さく細かくなっても、その効果は変わらないし、パワーは決して落ちないままよね。素晴らしいわ。それに、鉱石の持つ輝きって、結局、その表面に反射した光が、その輝きになるでしょ。だけど、この鉱石は、外からの光を吸収して、鉱石が発光するじゃない。だから、どんなに小さくなっても、粉状になっても光り輝くのよね。だから、どんな形に加工しても、その輝きは変わらない。


そこで、やりたいのは、粉状に砕いて、特殊生体糸とくしゅせいたいしに吹きつけるのよ。そして、できたアンビランス鉱石の糸は、丈夫だし、その輝く赤は、鮮やかだから、それで衣装を作ったら、すごく映える赤の衣装ができるじゃない。」


「なるほど。そうね。なかなか思いつかないけど、たしかに、綺麗な衣装ができるわね。それに、アンビランス鉱石の赤なら、これまで誰もみたことのないような綺麗な赤の衣装ができるわ。ただね、1つだけ問題があるわね。今のアイデアで作成すると、たぶん、その費用は、軽く見積もっても、700万円くらいは、かかるわね。ナナ、大丈夫?」


しかし、ナナは、驚くどころか、なぜ、たった一枚の衣装が、そんなにも高額になるのか、その上、この衣装の持つ力も、よく知っていた。それは、アンビランス鉱石は、その場所が、垂直面のがけなどに多く見られて、採掘が困難であり、採れる場所は、決して少なくはないのだが、一箇所での採れる量がとても少ない。つまり、まとまった量が必要ならば、何箇所も探さなければならず、とても1日2日では、採りきれないのである。そして、特殊生体糸とくしゅせいたいしへの吹き付け作業であるが、機械の作業とはいえ、けっこう技術力が求められるので、その分高額となる。


そして、完成した衣装は、もはやただの衣装ではなくて、着用する宝石のようなものであり、その上、ナナは、これをただ見た目だけの効果を狙って作ったものではない。この衣装の本当の威力は、実は、ナナにしか発揮できないのであった。


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