1 -1 究極の美の称号ネオビーナス①
「美人最強伝説」もいよいよ、第4章、最終章を迎えました。この長いシリーズをここまで、お付き合い頂きまして、心から感謝しております。この最終章は、ここまで、長く読み続けて頂いたことを、絶対に後悔しない展開となりますので、どうか、最後まで、お楽しみ頂けたら、嬉しい限りでございます。宜しくお願いいたします。
あれから、10年の時が過ぎて、コスメは、当時「美のエキス」を飲んで、55才にして、20才の身体と美貌を手にしたことから、現在70才近いというのに、35才のオービスとは見た目がほとんど同じであった。
現在、モデルラボの主力モデルは、なんといっても、17才となったナナである。そして、その次に主力なのは、クラリスであるが、彼女、そのままの計算では、すでに30才近いはずなのだが、どうみても、20才くらいか、それ以下にしか見えないので、ナナとほとんど同じような年齢という印象で、活躍をしている。
オービスは、もはや以前よりも、モデルとしての活動は、控えていて、フランスの究極の美貌研究所の所長の助手としても活躍をしていて、日本に時々やってくるという生活をしている。
今回も、国内で行われるビューティーコンテストのジャッジとして、審査員長のフランソワ高木とともに、その同審査員として、来日していた。モデルラボには、久しぶりの顔見せであった。
「あら、久しぶり、オービス、元気?」
「あら、コスメこそ、変わらないわね、相変わらず。」
「ありがとう。ちょっと待ってて。」
そう言うと、事務所奥に急ぐコスメ。すると、連れてきたのは、ナナとクラリス、
「オービス、久しぶり。」
「あら、2人とも、すごいわ。さらに綺麗になって。本当にすごいわ。」
「オービスも、またフランスに渡ってから、見た目のイメージがずいぶん変わったわね。なんか、女の子だったイメージから、本当にカッコいい大人の女性になった感じよ。それと、やはり、日本を、離れたせいか、かえってコトールルミナス人感が強くなった感じね。」
「そういえば、ナナの活躍がめざましいわね。ヨーロッパでも、彼女の活躍は、とてもよく知られているわ。それに、ナナが、ランウェイなどでみせる、瞳や髪色のチェンジが、またすごくて、本当に輝いているわ。結局、あの瞳と髪色の変化って、いったいどういうこと?わからないの?」
「ああ、あの件はね、蜂部先生が、一度、よく調べてくれたんだけど、」
ナナは、生まれて、すぐに、瞳の色が周りの見るものにすぐに反応して、同じ色に変化するという、特異体質を持っていた。そして、それは、5才を迎えると、瞳の色に続いて、その髪色も周囲のものの色に、すぐに同調してしまっていた。コスメは、その件について、蜂部先生に相談をして、調べてもらっていた。
すると、
「コスメ、ナナの瞳と髪についてだけど、色々と調べてみた。すると、たとえば、テレビ画面やパソコンなどの液晶があるだろう。あれは、その画像を様々映し出す時に、色の三原色の素子が無数に並んでいて、その画像の色を表現する際に、その素子の強く出たり弱くでたりして、その組み合わせと色の強弱によって、その色を表現するんだが、ナナの瞳と髪は、そのすべての素子をすべて持っていて、自分の感情によって、表現したい色へと変化させるんだ。簡単に言うなら、全ての色を隠し持っていて、自由自在に表に出すことができるようだね。
たとえば、抜けた髪の毛を1本、顕微鏡でよくみてみると、その中には、普通は、黒い髪なら、黒いキューティクルが見えるのだけど、ナナの髪の毛には、三原色が無数に並んでいて、その色を表現しているんだね。
試しに、様々な色の時の髪の毛を1本ずつもらって、調べたんだけど、その色細胞の色の出方が全部違っているんだけど、表に出ていない色は、その組織が発色が抑えられていて、隠れているような状態なんだ。その発色の調整を、ナナは、周りにある色から取り入れて、自分の意思で行なうことができる。今まで、こんな人間は、見たことがないよ。生まれつきの特異体質なんだろうね。
それで、今、世界中の人種に、過去にそういう体質を持っていた人がいなかったのかを、ずっと調べているんだ。それがわかったら、実に、不思議なことがわかるのかもしれないと思ってね。」
「、、、というわけで、蜂部先生がわかっているのは、ここまでなのよ。それに、まだ、5才くらいの時には、やたらに、周りの色に合わせて、無意識に次々と変わっていたじゃない。それを、いつでも、自由自在に自分の意思によって、回りの色から取り込んで変えられるようになったのよ。ナナは、まさに今の新時代の女の子なのかもしれないわ。」