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第一話

 第一話


「ハッ……!」


 一体どれくらい寝ていたのだろうか、いやに軽くなった体を起こす。


「こ、ここは……」


 辺りを見回し状況を確認する。

 どうやら俺は大理石で出来た神秘的なだだっ広い広場の中央付近で寝ていたらしい。俺は会社の座りなれていた机と椅子はどこにもなかった。


 そもそも匂いが違う。密閉されたオフィスの人工的な匂いなんかではなく、石と草の入り混じった野生の匂いだ。


「え、ここどこ?」

「なんだよこれ?」

「ん……、なんだなんだ?」


 大理石の広間には俺以外にも沢山の人間がいた。数でいうと数百人を超えているのかもしれない。

 それほどの人数が一斉に目を覚まし、辺りは徐々に喧騒に包まれていく。


『しずまれーーーーーい!!!』


 突如、広間を震わすような音量で声が響き渡る。声のした方を見るとそこには数人の集団がいた。


 自分の背丈をはるかに超えるハンマーを持ったシスター

 漆黒の武者鎧に身を包んだ侍

 2mを超える身長から柄を出す大剣を二本背負った大男

 ゴスロリのような服装をした赤い髪ツインテールの幼女

 紫色のマントに身を包み巨大な杖を持った小人

 ライオンのような動物に跨ったケモミミの生えた女型の獣人

 ザ・主人公みたいな見た目をした盾と剣を持ったイケメン


 背後の広場の外にはさらに多くの人影が見えるがこの七人が特に異彩を放っていた。


『今から貴様らの職業チェックを行う!』


 このバカでかい声は大剣を二本背負った大男のものだった。


『職業晒し』


 巨大な杖を持った小人が何か唱えたかと思うと俺たちの頭上に文字が現れる。


「竜騎士……? なんだこれ?」

「獣使い?」

「執事!俺執事だって!」

「暗黒騎士……」


 俺の周りの人達も自分の頭上に浮かんだ文字を不思議そうな顔で見上げた。


「治癒師……?」


 その場に胡坐をかくと自分の頭上に浮かび上がった文字を読み上げる。


「残念じゃの坊主、お主は外れじゃ」

「!」


 いつの間にかゴスロリの赤髪ツインテールの幼女が俺を見下ろしていた。

 見た目は自分よりはるかに幼くか弱いのに、なぜかこいつは自分よりはるかに強いことがわかってしまった俺はまるで蛇に睨まれた蛙のように動くことができなかった。


「アマゼウス、ワシらの採用枠は何人じゃったかの?」

「ハッ、今回は三名になりますエリザベート様」


 アマゼウスと呼ばれた、後ろに控えた青白い顔をした男がエリザベートと呼んだ幼女に首を垂れる。


「シケとるのぉ。とりあえずレア職のやつら適当に採用しとけ、ワシはもう寝る」

「かしこまりました」


 そう言って恭しくお辞儀をしたアマゼウスを見向きもせず、エリザベートはどこかへ歩いて行った。

 アマゼウスも俺のほうなど目にもくれず、暗黒騎士と頭上に書かれた少女を担ぎ上げてどこかへ行ってしまう。


 それから少し時間が経ち、俺の周りの人はほとんど居なくなっていた。どうやら俺の職業はレアじゃないらしく、この人たちのお眼鏡に叶わなかったらしい。


『我ら七大連合の採用枠はこれで終わりとする! あとは好きにするがいい!』


「「「「!」」」」


 大男がそう叫んだ瞬間、広場の外にいた大量の人影がドドドドとこちらに走ってきた。



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