スパチャが送れない
「う、う~ん。ふぁ~よく寝た。あっ、ハイシンさんは………ちゃんと後ろ向いてるか。ちょっと待っててね着替えるから」
みんなの事だから私の寝顔でも見ながらワイワイやってるのかと思った。疑ってごめん。
昨日の夜は楽しかったな。寝顔くらい見たって怒らないのに……今度は一緒に寝てあげようかな。
「はい、いいよ。皆さんおはようございます。コメント、コメントっと。えっ?」
コメントが凄い速さで流れている。
なんとか読めたのは「おはよう」で、あとは「出来ない」「ムリ」「うわ~」とか叫び声みたいな阿鼻叫喚。
「コメントどうなってるの?先生いたら教えて」
コメント
・皆スパチャが送れない。どうにかするから朝食~~
「あっ、今の先生だよね?速くて半分しか読めなかったけどスパチャが送れなくてこうなってるの?ご飯食べてきていいの?」
まあ私にはどうする事も出来ないから顔洗ってご飯食べてこよう。
「じゃあハイシンさん行こうか、コメント見てるから何かあったら教えてね」
コメント
・ムリムリ
・うわ~
・通貨が対応していませんしか表示されない
・それな
・昨日まではボタンすら無かったから出来るはず
・う~ん
・う~ん
・パン固そうだな
・黒パンとスープ
・あるある
・あっ出来たかもカタログから選べる
・どうやった
・待って教えるから、でも初スパは渡さない
・うお~
・そんな~
・おい!教えろください!
・スパチャボタン長押ししてみ
◇◇◇◇
「女将さん、ごちそう様でした。」
「あら、わざわざありがとうね。そうだ、お嬢ちゃんホーンラビットの角もっと持っていくかい?ゴミに出す前に聞いておこうと思ってね」
「いいんですか?もらっていきます」
「少しゆっくりしてからでいいからチェックアウトの時は部屋のカギ持ってきとくれね」
「はい!」
ホーンラビットの角もらえました。
部屋に戻ったら皆に自慢しよう。
それから荷物まとめて今日は商人ギルドに仕事探しに行くんだよね。ハローワークとか言うんだっけ?
雑貨屋の店番とか、あぁお花屋さんとかもいいよね。あればいいな。
王子と結婚なんてしなくて良かったよ。
こういうの普通の仕事も面白そうだよね。
楽しみだな。
そう思っていた時が私にもありました。