覗き魔は正座ですハイシンさんもですよ
初めて感想もらいました。ありがとうございます。
あのあと悲鳴を聞き付けた女将さんが「お嬢ちゃん覗きはどこだい?」と竹槍を持って駆けつけてくれたが、なんとか誤魔化して部屋に戻ってきた。
今も私の視界の左下には文字が次から次から下から上へと動いている。ほとんどが祝100人おめでとうというものだ。
スキルを確認するとたしかにレベルアップしていた。レベルアップでコメントが見られる様になるという事はこれがコメントなのだろうが、まったく分からない。
レベルアップを喜んでくれているから悪いものではないのかも知れない。でもさっきのはダメだ。私は怒っている。
ベッドに腰掛けて髪を拭いていると黒い箱が目の前にきた。
ずっと左上に浮かんでいて私の邪魔にならないかの様にしていたのに急にどうしたのだろう?
コメント
・おっやっと正面
・はじめまして
・コメント見えてる?
・これがコメントだよ~
・コメ
・黒い箱に向かって話してみて
・黒い箱の名前はカメラ
・もしくはハイシンさん
「やっぱりこれがコメントなの?はじめまして?お話するの?え~っとマリアエレーナです。」
とりあえず目に留まった文字を読んでみる。
コメント
・よろ
・よろしく
・そんな挨拶より早くスキンケアしちゃいなさいよ
・たしかに顔赤くなってるな
・すっぴんもかわいいガサガサだけど
・髪を横に持ってきてタオルでポンポンするのすこ
私の声に反応するかの様にコメントが現れる。
これがスキルだとしても何の意味があるの?
何も出来ないハズレスキルなのかな。
それよりも。
「スキンケアって何?それより……(キョロキョロ)私の事どこかから見てるよね?もしかしてコレ?カメラ?から見てる?」
コメント
・正解○
・そう
・そこのレンズから見てるよ
・ひぃっ
・こわ
・笑顔なのに目が笑ってないヤツや
・異世界人はみんなできるのか?
「ねぇ、いつから見てたのかなぁ?」
お母様仕込みのいい笑顔で聞いてみる。
コメント
・えっいや
・いつからだったかなぁ
・教会みたいな所からだろ
・おい
・おまえやめろ
・なんでそのくらいいいだろ
最初に魔力がごっそり持っていかれた時か。それからハイシンさんが見ていたと、という事は。
「で、いつまで見ていたのかなぁ?」
さらに笑顔を強くする。
コメント
・いや、だから
・それは
・宿屋探してるところ?
・何言ってんだよ今までずっと見てただろ
・おい
・空気読めよ
・だからおまえやめろよ
・湯浴み覗いてたのバレるだろ
・あ
・あっ
・あっ
・ばか
「覗いたんだ?」
やっぱりか。
コメント
・……
・……
・……
「見たのよね?はだか」
コメント
・すんません
・ごめんなさい
・でも背中だけだから
・大事な所は何も見てない
・ハイシンさん後ろにいたし上向いてたから!
・私女だから(鼻血出てるけど)いいよね
・何言ってんだよ割れ目まで見ただろ
・↑おまえ黙っとけよ
・マリアちゃんごめんて
・怒ってらっしゃる
・そりゃ怒るだろ
「反省してください。私、夕飯いただいて来ますので戻るまで正座です。正座していてください。お仕置きです、わかりましたか?」
コメント
・はい
・はい
・はい
・私女だけど正座します(ご褒美かしら)
・お仕置き
・でも配信は見れるという
・それな
・夕飯なにかな
「では行ってきます。あら?どうして着いてくるのかしら?ハイシンさんも正座ですよ」
コメント
・ハイシンさんは悪くない
・そうそう
・ハイシンさんは我々の良心
・ハイシンさんは登録者数を稼ぐために
・置いてかないで
「はぁ、ハイシンさんは後ろに廻れるどころか上を向く事も出来たのですよね?」
コメント
・あっ気付いてしまったか
・そうなんすこいつが初めから上向いてれば
・ハイシンさんのせい
・そうそう
・ハイシンさん正座しようか
・おまえら手のひらクルクルだなw
「コメントも置いていきます。あ~、ホーンラビットのステーキでも食べようかなぁ。戻ったら聞きたい事たくさんあるから反省して待っていてくださいね」
コメント
・ホーンラビットとかいうパワーワード
・映像ないのか
・これはヒドイ
・飯テロよりひどいw
・くちの中ホーンラビットなんだけど?
・それより戻って来たら俺達の有用さを伝えなければ
・今の俺達ってなに?
・覗き魔
・ストーカー
・第一印象最悪だな