屋台と人々の笑顔と噂話
「西区の屋台通りに来てみたけど…凄い人だね」
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・そうだね
・どこの屋台も並んどる
・この前来た時はまばらだったよね
・買い物した時か
・ワイルドボアとホーンラビットの串焼き買った屋台も並んでるな
「じゃあその屋台に行ってみるね。何があったのか並んでいるおば様に聞いてみよっと。すみませ~ん、おば様~」
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・コミュ強!
・話し掛けるのも掛けられるのも無理だよ俺
・世間話が一番ムズい
・わかるわ~
・パチ屋で並んでると話し掛けてくるオバチャン居るけど適当に相槌打って話聞いてるだけになる
・わかるわ~
「すみませ~ん、おば様?この行列はどうしたのでしょうか?」
「あら、可愛らしいお嬢さんだこと。まだ西区のお店の塩が美味しくなったのご存知ないのね?」
「塩!ですか!」
「三日くらい前にね、宿屋の食事処で出しているホーンラビットのステーキが美味しくなってるってお友達の間で噂になったのよ。私も次の日に食べに行ったけど一杯で入れなかったの。で、昨日は屋台の串焼きも美味しくなったと言うの。それで私も食べたけど塩が抜群に美味しいのよ。値段もそのままだしまた買いに来ちゃったわ」
「それでこの行列ですか…うふふっ」
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◎やったなマリア(初心に戻って塩送るよ)
◎よかったねマリアちゃん(塩)
◎こういうのよマリアと俺達が目指す世界は
◎マリアちゃんの口角上がってる
◎小さいガッツポーズかわいい
◎自分のやった事の成果が目の前に現れたらそりゃ嬉しいだろ
◎やりがいに繋がるしな
◎周りの人々が皆笑顔なのが良いよね
「ねぇ奥様、知ってるかしら?その塩を宿屋の女将さんに渡したのは灰色の髪の女性らしいわよ」
「あら?私が聞いたのは白髪の老婆だったわ」
「違うわ、私はダンディーで白髪が優雅な雰囲気のオジサマと聞いてるわよ」
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・あらら
・ここに居る銀髪美少女がそうですよ
・あれ?女将に塩渡したのは銀髪になる前だったっけか?
・湯浴みの前だったから白髪の噂が広まってるんだろう
・歳も性別も変わってるしなw
・噂なんてそんなもんだ
「それと奥様はもうキャサリン様は見たかしら?」
「キャサリン様というと子爵家の?」
「そうそう、デネブ侯爵家に行儀見習いに出ているキャサリン様よ。すっごい変わったのよ」
「変わったって?」
「今までは少し猫背で俯いている感じだったのが、胸を張ってニコニコと歩いていたのよ。それにスタイルもあんなに良かったのね、あれなら見合い話もバンバン来るんじゃないかしら」
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・おば様のマシンガントークw
・マリアちゃん入っていけない
・キャサリン様って侍女の人かな?
・大きくなったから自信が持てるようになったんだね
「へーキャサリン様がねぇ」
「服も可愛らしいワンピースでね、ちょうどこのお嬢さんみたいな感じで…ってお嬢さんはこの服どこで買ったの?」
「えっ、えっと…」
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・何て言えばいいんだ?
・俺達の事は隠すだろ
・マリアちゃんのスキルも隠すか
・デネブ侯爵様に丸投げだな
「デネブ侯爵家のソフィア様とは学園が同じで良くしてもらっていて、ソフィア様からお下がりを頂いたのです。塩も服も侯爵家が買い付けたらしいですよ…白髪の老婆から…くっ…老婆…」
「あら、やっぱり老婆だったわ!」
「そうなのね、お友達にも教えないとだわ」
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・くっ
・流石に自分の事を老婆と言うの抵抗あるか
・大丈夫マリアちゃんは守られた
・老婆が広まるんだろうな
「私みたいなオバサンにも合う服もあればいいけど…」
「こんなフリフリではなくてもう少し落ち着いた感じのもあるのかしら?」
「お任せください!若い方からご年配の方、小柄な方からふくよかな方まで幅広い品揃えになっています!…と言っていました」
「あらあら若いお嬢さんが気を使わなくてもいいのよ。どこからどう見ても私達は太ったオバサンなんだから、はっはっは」
「あはは…」




