エルフだ!ドワーフだ!
「それじゃ行くわねセバス」
「はい、お元気でお嬢様」
荷物を纏めた私は家を出て行く。
結局見送りにはセバスだけが来てくれた。
メイドのサラも来たそうにしていたけど断ったの。今後も屋敷で働くならその方が良いと思ったから。
「まずは東区から出て中央噴水広場を目指そう!それから西に行くか南に行くか決めないとね」
あっ、いつもの癖で思った事を口に出してしまった。
これは亡くなったお婆様が目が悪くて、私の表情が見れないから思った事を言ってあげた方が気持ちが伝わるかな?と始めたんだ。もう癖になってる。
たまに奇妙な目で見られる事もあるがそんな事は気にしない。
「お父様からは少しばかりの金貨を頂けたのよね。これでなんとか一週間は宿屋に泊まれるかな。その間に仕事を探さないとね。仕事の事をセバスに相談したら冒険者ギルドか商人ギルドに行くのが一般的らしいわ」
婚約破棄と同時に家を追放された人が一般的かどうかは不明だけどね。まぁ無職の人ということだろう。
「冒険者ギルドは怖そうな人が居るイメージだから行くのは商人ギルド一択ね」
そんな事を呟きながらやって来ました中央噴水広場!
いつ来ても沢山の人で賑わっているなぁ。
ここの噴水を起点に東西南北に大通りが伸びている。
もちろん私は北区と東区には入れないので行くのは西区か南区だ。
「西区のデネブ侯爵家と南区のベガ侯爵家は東区のアルタイル侯爵家からしてみればどちらも敵対派閥なのよね。あ~誰かどっちに行くか決めてくれないかしら?」
コメント
・西
・南区
・西で
・夏の大三角かよ
・これ見えてないんよ 西で
・ちょ!うしろのアレ!
・ドワーフや
・ガタ!
・エルフもおるやん
・ガタッ!
・ガタッ!
・なぜドワーフで立ち上がった(笑)
・俺は異世界って言ったぞ
・ま、魔法を見るまで認めないんだから
・ツンデレもおるぞ
「よ~し、西区にしよう!日が暮れる前に宿屋を探した方が良いよね?商人ギルドは明日でもいっか」




