スキルの名はハイシン
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教会での成人の儀にてスキルを授かり、そのまま婚約者と結婚するはずだった。
「出ました、マリアエレーナ様のスキルは『ハイシン』でございます」
「ハイシン?」
司祭の言葉を繰り返すようにそう呟くと魔力がごっそりと持って行かれる感じがした。
身体がだるい。
これは魔力切れだな。
それと同時に私の左上に丸いガラスが付いた黒い箱の様なものが浮かんでいた。
「背信だと?そんな犯罪者みたいなスキルを持つ者となど結婚できるか!婚約破棄だ!マリアエレーナ・アルタイルとの婚約は破棄とする!」
「ちょっと待ってください王子殿下!いくらなんでもそれは……私の娘がそんな背信などと」
お父様が庇って
「アルタイル侯爵、この娘があなたの子供であると?侯爵家は王家に背信するというのか?」
「こんな娘は知らん!マリアエレーナを侯爵家から追放とする!」
くれなかった。
魔力切れでふらふらな私は下を向いているしかなかったが、なんとか顔を上げる。
「アレクセイ様、どうしてこんな……」
「私の名前を呼ぶな!侯爵令嬢だからと我慢していたんだ!そうじゃなければ誰がこんな灰がくすんだ様な色の髪で肌もガサガサな女と婚約などするものか!もう顔も見たくない!北区との一切の関わりを禁止する!これは精霊との誓約だ!侯爵、東区はどうするんだ?」
「こ、婚約破棄されるなど泥を塗られては東区との関わりも禁止させてもらいます。もちろん精霊様と誓約させてもらいます。わかったなマリア。」
「はい。お父様」
精霊様まで出されてはもうどうにもならないのだろう。
訳のわからないスキルを授かったばかりにこんな事になるなんて。
お父様とアレクセイ様の右手が光るとその光が私の右手に吸い込まれていく。
精霊様との誓約が結ばれたようだ。
これですぐにでも家を出て行かなくてはならなくなった。
はぁ、これからどうすればいいんだろう。
コメント
・なんか始まってる
・初配信?
・説明も無く婚約破棄と追放とか盛り過ぎワロタ
・マリアちゃんカワヨ
・普通にかわいいよな
・ここどこ?ヨーロッパ?
・衣装とかお金掛けてんな
・とりあえずチャンネル登録しとくか
・おけ
◇◇◇◇◇◇
コメント
・馬車の中くらいコメント読んだら?
・てか今どき馬車あるんだ
・イケオジ執事おるやん
・コメント見えてる?
「ねえセバス?あなたは『ハイシン』スキルについて何か知ってるかしら?」
「すみませんお嬢様、私にも分かりません。ですがステータスを開けば何か分かるかも知れませんね。火魔法スキルですと次のレベルでどんな魔法が使えるのか分かるようですから。ファイアボールからファイアアローみたいに次のレベルでどんな事ができるか分かるのですよ」
なるほど「ステータスオープン」心の中で唱えると半透明のボードが現れる。
どれどれ。
「あっ、セバス!あるわよ『ハイシン』なになに……次のレベルになるとコメントが見られる?コメントって?それに経験値じゃないわ登録者数よ?次のレベルになるには100人必要みたいだわ」
「お嬢様、現在の経験値いや登録者はどれくらいなのでしょうか?」
「え~っと13ね」
コメント
・コメント見えないのか
・そういう設定でしょ?クレクレ
・個人勢で10いれば優秀
・ポチっ
・ポチっとな
「あっ20になったわ。どうしたら増えるのかしら?今も少しずつ増えてるわね」
「まったくもって分かりませぬな」
「そうね。まぁコメントが見られるまで気長に待ってみるわよ」
「それがよろしいかと、そろそろお屋敷に着きます。メイドのサラに着替え等はリュックに詰めさせます。お嬢様は身の回りの物をバッグに詰めておかれますように。」
「ええ分かったわ」
「寂しくなりますな」
「そうね、今までありがとうセバス」
コメント
・こっちも寂しくなるわ
・執事のセバス
・セバスちゃん
・凄い豪邸
・そりゃ侯爵家だからな
・CG?
・俺は本当に異世界だと思うぞ
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