少しは恥じらいを持って(切実)その二
約一か月ぶりの投稿です。何やってんでしょうねここの作者。
こちらも第三部の序盤です。シンシアがオカンになってしまっている……。あとアイリス、あなたは恥じらいを持ちなさい。
ある日、アイリスが制服を着ていた。
「……いろいろ言いたいことがあるけど……なんで制服を?」
シンシアが尋ねると、アイリスは「え?何となく」と答えた。……そうだった、この人は気まぐれで動く人だった。
だがまぁ、同世代だし、別にいいかと思い、特に何も言わなかった。
その日は休日課題で、騎士団の人と鍛錬する日だった。
(よほど気に入ったんだな……)
課題の時も制服を着ているところを見て、羨ましかったのかなと思った。
「先輩!矢が飛んできます!」
シンシアが叫ぶと、あろうことかアイリスは後ろに飛びのき、足を広げたのだ。
「見えた!」
(見えた……!)
男性陣はシルバー以外固まっている。当然だ、スカートの中が見えてしまっているのだから。
――これはヤバい……!
「アイリス!アイリス後ろに下がって!あとは私がやるから!」
顔を赤くしながら指示を出す。アイリスは首を傾げながら、後ろに下がった。
その後、ディアーから厳重注意を受けたらしい。
「……でしょうね。健全な男の子の前でスカート広げるのはアウトだし……あなた、一応二十歳だからね……」
シンシアはため息をつく。これでは大司教側近の胃が持たない。
「それで、対策案を考えたの」
「それを着なければいいのでは……?もしくはタイツを履くとか……」
シンシアが言うと、アイリスはなんとスカートを捲し上げたのだ。……ここが自室でよかったと思う。男子が見たら失神してしまう。
「中に厚めのレオタードを着てみたの。これなら下着じゃないし、大丈夫」
「それは……ダメだよ。意味がない」
「そう……」
「それどころか妙な性癖に目覚める生徒も出てきてしまうわ」
「どういうこと?」
「あとそのスカートを捲し上げるのは他の人の前で絶対にやってはダメよ。絶対よ」
「わ、分かった」
……この姉は恥じらいというものがないのだろうか?この姉の将来が心配になった。




