少しは恥じらいを持って(切実)
第三部の序盤のネタです。
シンシア達の気苦労が絶えなくなる予感……。
アイリスが担任になった次の日、シンシアは彼女の顔をじっと見た。
「どうしたの?」
珍しいと思いながら尋ねると、シンシアは「あぁ、いや」と答える。
「なんかソワソワしてるけど、どうしました?」
あぁ、それかとアイリスは深く考えずに答える。
「実は昨日、遅くまで鍛錬していて……」
「疲れているの?それなら無理しない方が……」
「そうじゃなくて」
そうじゃない?とシンシアは首を傾げる。それなら、他に何が原因だろうか?
「それで、湯浴び出来なくて」
「……うん?」
「洗濯物も出せなかったの」
「いや、ちょっと待って。もしかして」
何か嫌な予感がする。そして、それは当たった。
「でも、替えもなかったからきょうはは」
「わぁああああああ!それ以上言うなバカ!男の子もいる前でそんなこと言うな!てか少しは恥じらえ!」
シンシアは顔を真っ赤にする。炎魔法が放てそうだ。
「君が聞いたから……」
「確かに私が聞きました!ごめんなさい!そんな事情だと知らなかったので!」
他の人達も顔が赤くなっていた。……皆、思っていることは同じだ。
――少しは恥じらってくれ。
その後、シンシアはアイリスを買い物に連れて行った。




