魔獣との戦い。
こんにちは〜!
昼食を食べているときだ
「キャーーーーーーー!!!!!」
突然響き渡る悲鳴。
「旦那様!奥様!魔獣の群れが!!」
とアルフォード家の使用人が危機を知らせた。
轟音と共に公爵家の門が破られそこに魔獣の群れが現れた。
統制の取れた動きをして次々と襲いかかってくる。
「カザン!!」
エルラナが悲鳴のような声で叫んだ
「あぁ分かっている。しかしなぜ…とりあえず私は行ってくる!お前達気をつけろよ!!」
いざと言う時のために携帯している剣を持ちカザンは魔物の群れへ戦いに行った。
「早く逃げましょう!!」
とレイナードとシュリアーナの手を引き戦えないそこにいたメイドたちと執事達を連れ屋敷の奥へ走った。
しかし魔物の群れは先回りをし襲ってきた。
「風刃。」
ハクが前に躍り出て風魔法を放つ。
「ここは任せろ。我が戦う。カザンも共に連れてすぐに行く。」
背を向け鋭い爪や魔法を駆使し次々と魔獣を倒すハク。
「はく…きをつけて…」
心配そうにシュリアーナが声をかける。
エルラナは会釈をしまた子供たちと使用人達を連れて走る。
しかしどうしたものか
なぜか魔獣が四方八方から襲ってくる。
(おかしい…こんな種類が違う魔獣がこんな統制がとれた動きが出来るはずがない…)
そう思いながらエルラナは自身の風魔法を使い最小限に倒して通路を走ることを優先した。
しかしついに囲まれてしまった。
魔法が少しでも使える使用人達もいつでも使えるように牽制し、
子供用だが武器を携帯しているレイナードもそれを構え、エルラナも手に魔法を準備し牽制している。
その場は誰かが動いたら即攻撃の嵐になるだろう緊張に包まれていた。
誰もここが廊下で周りは壁で部屋があったなどとは思えないほど破壊されていた。
足場も不安定でいつ天井が落ちてくるか分からない。
(どうしてこんな…ありえない…)
牽制しながらも困惑している
魔獣がジリジリと距離を詰めてくる。自然とその場の人間は中心に追い詰められる形となる。
魔法はイメージ。自分がしたいことを口にし、どんな魔法を発動させるのか明確にイメージが出来れば使える
お母様もお兄様も皆も守らないと…
なんで?なんで守るの…? 疑問が頭を巡るが、
本当は分かっていた。前の世界と今の世界が違うことを。生まれて3年。家族や他の使用人のみんなに育てられた中、みんな私を大切にしてくれた。こんな私にも笑顔でずっと話しかけてくれた。
お母様と召喚以来ずっといてそれがよく分かった。自分が…アルフォード家の中で大切に大切にされている事が。
ここにいるみんなが私を心から大事にしてくれた。
もう分かっている。愛情を注がれていたこと。
出来ないかもしれない。でも…でも守らなきゃ
お母様もお兄様もメイドや執事の皆も私もそっと背に隠しながら中心に集まって来ている。
こんな時でも私を守ってくれている。
みんなが中心に寄せられ、もうみんなの背中がついている状態になっている。
(いまだ)
「けっかい」
その瞬間うっすら金色に光る膜が私たちを覆った。
「まさか!!シュナ!あなたがこれを?」
驚いた顔でこちらをむくお母様。
「ん。」
膜の外側では魔獣が壊そうとしているが傷ひとつも入らない。
「シュナ…ありがとう。さすがは僕の妹だ。これは」
とお兄様が言った。
こくり
「凄いな僕の妹は。流石だ!!」
と私の頭を撫でてくれる。髪並みにそって頭を触られるということが撫でられると言うことをお母様に教えてもらった。
「シュナは凄いわ〜この年で光属性を使いこなすなんて。クラクラしたりしないの?大丈夫?魔力切れには十分気をつけるのよ。」
ハクを召喚した時からシュリアーナの魔力は考えられないほど多いと分かっていたが
魔法行使もここまて優れていたとは…と感心しながらシュリアーナの魔力切れを心配する。
こくり
「「「「お嬢様流石です!!」」」」
使用人達も可愛い可愛い天使のようなシュリアーナを次々と褒める。
恥ずかしくなったシュリアーナは1番そばにいたレイナードにの袖をそっと掴みキュッと傍によった。
初めてシュリアーナが自分から触れ体を寄せてきたことに動揺を隠せないが嬉しすぎて感動したレイナードが口を開こうとした時
「こうしては居られないわ。この魔獣達おかしいもの。早くカザンの元に行かなくては。」
焦った顔で今の状況に返ったエルラナはそう言った。
「わたしがなるとかすりゅ。」
そう、言い、レイナードの袖を掴んだまま片手を前に出し
「ひょうけん」
ヒュっ
グサッ
周りの魔獣はシュリアーナが放った氷剣にすべて貫かれ絶命していた。
タラッ 誰かの冷や汗と共に
私の娘、僕の妹、うちのお嬢様、
この歳にして……強すぎる…
と皆も引きつった笑いを浮かべた。
「おとうしゃまとはく、むかえにいく。」
と言って
結界ごとみんなで来た道を戻る。
あ、結界ごと…
うん。天使だからなんでもできるんだ。そうだ。
ともう考えることをみんな諦めていた。
途中途中で隠れていたり怪我をしたり瀕死の使用人達を助け治癒の魔法をかけながら
あ、同時魔法行使も………
一行はカザンとハクの元へと魔獣がなだれ込んできた方へと向かった。
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剣をとり襲いかかってくる魔獣を次々と倒しているが
キリがない。数も異常で強さも異常なのだ。
切っても切っても魔獣が溢れてくる。
途中でハクもきてカザンと共に戦っているがキリがない。
「ハク様、エルラナ達は…」
心配そうに聞くカザンに
「大丈夫だ。先程強い魔力を感じた。主魔力だ。」
流石だと言わんばかりの自慢げな顔でそう答えるハク。
(あやつが主の魂に加護を授け干渉できるこの世界で我が主に出来ないことないどない。)
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「なぜフェンリルがここに!!!!先程の強い魔力も…なぜだ…嫌な予感がする…」
無尽蔵に強化された魔獣が出てくる魔法陣を前に男はそう呟くのだった。
私は主人公にシュナに幸せになって欲しいのです。こんな所で過労なんてさせませんよ笑
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