表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界競馬  作者: y-ohsaka
26/79

地方競馬にて③

「どうだ、いい馬だろう。芝では全く走らないけどな、ダートだとむちゃくちゃ走るんだ」

「乗り手の指示に素直に従うし反応もすごくいい。何より走りっぷりが大器を予感させる」

「お前もそう思うか、こいつの凄さを世間に知らしめるいい機会だと思うんだよ」

調教を終えたウラタとタカダは感想を話し合っていた。お互い手応えをつかんだようで上機嫌だった。その一方で中央勢の調教を見ていたオオマキは数ある中央勢の馬たちに紛れてたいした存在感を示していないその馬にある種の脅威を感じていた。

「まだあんなのがいたのか、中央というところはいくらでも化け物じみたやつらがでてくんだな」

一度中央の舞台を体験して叩きのめされたオオマキは体験する前の不遜な態度はすっかり影を潜めていてトラウマじみたものを植え付けられていた。それでも周りの期待に応えるべく何か手はないかと思案していた。自然に体はレコンキスタのいる厩舎に向く。自らの思いとは関係無いかのようにレコンキスタはあくまでも自然体であった。オオマキにすべてを委ねているようだった。

「まあ、やるだけやるさ」

ないかを吹っ切るようにオオマキは呟くのだった。

「今度は勝てるよね」

地方競馬の関係者の期待を一心に背負うイソダもまたそんなプレッシャーに悩まされていた。

「簡単に言ってくれるな」

イソダはそう心のなかで呟いていた。勝負は時の運、絶対はない。そう言いたかったが関係者のそんな期待を集めるなかそんなことは言い出せなかった。イソダの心はずっと曇ったままだった。

「アブソリートだって、あの馬」

オシタニはマツイ調教師にウラタが今回乗る馬の名を告げられて微妙な表情を浮かべた。

「そうだ、本当ならあの馬はうちが預かるはずだったんだ。手続き上のミスでタカダ厩舎所属になってしまった。あの人ではあの馬の本当の力を引き出せない。全く残念だよ」

マツイ調教師は悔しそうに呟いた。

「少し見ただけですがそんなにすごいようには思えませんが」

「調教だけではな、本当の強さは本番でないとわからん」

「戦績はそんなによくないようですが」

「あの人のやり方ではそうだろうさ。優し過ぎるんだよあの人は。もっと厳しくやらないと、鍛えれば鍛えるほど強くなるんだよ」

マツイ調教師は怒りにも似た感情をオシタニの前で露出してしまう。

こんなに感情を露にするのは珍しいなとオシタニは思う。それほど悔しいのか、そんなにあの馬、アブソリートはすごいのかと。ならば確かめたい、どれ程のものなのか、オシタニは自分の気持ちが高ぶっていくのを感じていた。そしてそれぞれがそれぞれの思いを抱えてレース本番をむかえるのだった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ