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魔改造が進んだ世界で青年は自由に生きる
今から200年前、この世界に2つの流れ星が流れ、二人の転生者が生まれた。
片方は人間種に、もう一方は魔人種に転生し、家族や周囲の愛情に包まれ健やかに成長した。
この時代において、人間の国と魔人の国は両者の領土をめぐって争っていた。戦況はほぼ膠着状態、互いに譲らず和平を結ぶ選択肢は選ばれていなかった。
そもそもこの時代から遡ること百年以上も前から争っていたため、なぜ戦っているか知る者も少なくなかった。ほぼ盲目的に争っていた。
そんな争いもついに終わりを告げた。
勇者と呼ばれた者と魔王と呼ばれた者の会合、出会うべくして出会った二人。むしろ出会わないことがありえない、必然中の必然。
そして、歴史が変わった。
争いあっていた両国は五十年の月日を重ねて一つの国となり、転生者の知恵により技術革命を迎え、生まれたての赤子のように慎重に、その一歩を確かめるように、一歩、また一歩と成長を始める。