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031 ファーストコンタクト

遅くなりました。

お読み戴いて有難う御座います。

再び例の台詞を申し上げます。

「怪しい者では無いつもりですが、そちらに伺っても宜しでしょうか?」


「自分で怪しく無いって言う奴を信じられるか!」


「いえいえ、無いつもりですよ?

はたまた、どうすればよろしいでしょうか?」

とりあえず相手の出方を伺ってみましょうかね~。


「まず、お前の名前と職業はなんだ?ウサギをぶら下げてるから狩人かと思えば槍と鉈を持っている。それと此処へは何のようだ?」


そういえばフル装備でした。言われてみれば職業不明な出で立ちですね~。


「わたくしはアンデーンスと申します。職業は魔法使いですが、訳あってこの様な格好になっております。それとこちらへは向こうの森から避難してきたのです。」


「は、魔法使いだと?杖も持たずにか?・・・まて、あの森からか?まさか森の向こう側からやって来たのか?」


はて?何やら誤解を与えているようですね~。

「いやいや、田舎育ちで近くの洞穴を探索したら罠に掛かって森に飛ばされたってだけですよ?多分。それと森の向こう側って何でしょうか?」


「へ?」


「いやですから、森の向こう側なんて存じませんがね~。」


これで通じたら良いのですが、この門番?さん、理解頂けますかね~?


「よーし、アンデーンスとやら、お前は何処から来たのだ?」


「はい、わたくしはニッポン(こく)のトーキョーって都市から二日間歩いた場所からです。」

実際は違いますが、どうせ此方には無いのですから江戸を名乗っても良かったのですが、短すぎると怪しいかな~って思ったからですね~。


「ニッポン(こく)のトーキョー?聞いた事が無い国だな。」


「ここが何処かは存じませんが、回りが海に囲まれた大っきい島ですが、ご存じ有りませんか?」


「俺は知らんが、隊長に聞いてみるか。よし、敵対しないならその武器をソコに置きな。その代わり縛らないで隊長の所に案内するってのでどうだ?」


おおっ、魔法使いが効いたのか?罠に掛かって飛ばされたのが同情を引いたのか?はたまたトーキョーが珍しかったのか?とりあえず交渉の舞台に立てそうですね~。


「あの~、ウサギは?」

「お前の話が本当なら文無しなんだろ?買い取ってやろうか?」


どうやら罠説明に同情して下さった様ですね~。有難う御座います。


「でわ、お願い致します。お代は後ほどいただければ結構ですので。」


「よし取引成立だな、武器を置いてウサギを持って門をくぐり抜けな。」


ここは素直に鉈と槍を置きまして、ボーラからウサギを外して持って行きましょうかね~。


まずまずのファーストコンタクトではないでしょうか?中々話せる門番さんで良かったですね~。

次回は隊長さんとご対面。

ゴリマッチョの予定です。

果たして、捕まるのか?

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