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逃避王の未来創造(アブニール・ファブリケ)  作者: 酉真菜
みこ襲来()
8/60

新入り2人…

B6へ着くと、机にあったパソコンに準備完了の文字が2つ出ていた。


「私もあんな感じだったの?変なものの中に入っていて、準備完了ってパソコンに出たの?」

「まあね」


俺は鉄のドアを開けるとドアの近くにあった入力盤に002#003と押して、ENTERボタンを押した。その部屋の中にあったアームが動き始めて、手前の2つの卵をつかみ、前まで真菜が乗っていた手術台が横に伸び、そこに2つの卵が乗せられた。卵の下にあるバルブにアームがホースを取り付け中の水を吸い込み始めた。すると、卵は徐々に縮みある程度小さくなると真上から縦に破れた。少しずつ外の殻が縮み始め、中の人が少しずつ露わになってきた。


「ちょっちょっと、変態!」

「何、急に」

「この中の子どっちも裸じゃない。何ガン見してるのよ。私のだってみたんでしょ!」

「タオル用意してるから、ちょっと待って…」

「私がかけるからあなたは目をつぶって後ろ向いてて!」

「はいはい。はいこれタオル。完全に出てきてからじゃなきゃタオルかけちゃダメだから」

「分かってる」


俺は真菜の言う通り目をつぶり、後ろを向いた。


「もういいわよ」


俺は後ろを振り向いてみると、そこには綺麗な顔で死んだように横になっている女の子が2人寝ていた。外側の殻は背中の下へもう入っていっていた。


「で、いつ起きるの?こっちはみこだけど、こっちは誰?」

「九十九里みこと、こっちは芳乃牧英利羽…」

「エリハ?珍しい名前ね…」

「まあ、確かにね…起きるまで時間がかかるから、外で座ってよう」

「うん…」


ガラスの外で俺と真菜は座っていた。すると、みこの方が体を少し動かした。


「動いた…みこ!」

「とりあえず、いってみるか」


近寄ってみるとみこは徐々に目を開けていた。


「みこ!…」

「…えっ…えっと…」

「真菜よ…」

「…ん?」

「覚えてるわよね…」

「ちょっと待ってやれ、今起きたばかりだから、まだ意識がはっきりしてないんだよ…」

「私は…」

「みこ?」

「あっ…真菜…ここは…」

「大変なのよ、この男に拉致されたのよ」

「えっ?…ちょっ、真菜、警察呼んで!」

「家の番号に繋がらなかったから、寝てて未来に来たとかたわごとをこの人が言ってるんだけど…通じないんだよ…」


110は変わってないからかけられたら困るんだけど、なんかかけない方向に行ってよかった…。そんなことを俺が考えていると、英利羽が目を覚ました。


「この隣の子は…」

「エリハとか言う人らしい…」

「というか、私、裸じゃない!この子と何を…」

「何もしてないわよ。今、起きたばかりだし…」

「私の服は?どこよ。この変態に剥がされたの?」

「どうなの?ほんとは私のも…」


いきなりこっちに話を振られても…。第一お前ら元から服なんて…とは言えないから言葉に詰まった。


「図星なのかしら?」

「いや…」


何を言おうか焦って考えている時、英利羽がちょうど起きてくれた。


「ん…?」

「あら、起きたようね」

「ここは?…あなたは?」

「私は真菜。ここはよくわからないわ。この人が言うには長野県らしいよ」

「…私…裸じゃない?」

「みこと同じ反応ね…」

「隣に…裸の女の子が寝ている?…わっ私百合百合エ…」


英利羽はこんなところで何を言おうとしてるのか…俺が止めなかったら…


「#%*}^%^%」

「えっ?」

(ガブ)

「こいつ、俺の手を…」

「離しなさいよ!まさか、このまま押し倒して、無理やり私を…」

「この妄想女をなんとかしなさい、変態」

「みこ、俺にも誠司っていう名前があるんだから、変態はやめろ」


そうは言いながらも俺はこの日常を楽しんで行くんだろう、新しい生活の始まりにどこか浮かれたような心地で、この一時を過ごすのだった。

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