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逃避王の未来創造(アブニール・ファブリケ)  作者: 酉真菜
みこ襲来()
7/60

デジャブ

「そうだよあれはみこだよ」

「なんでこんなところに…」

「いいから、ほら戻るぞ」

「なんで…」

「ほら」


俺は真菜をエレベーターまで引き戻し、真菜の部屋まで連れ戻した。


「あなた、理由ぐらい説明しなさいよ」

「わかった…話すよ…その代わり、みある程度揃ってからな…」

「みこが来てからってこと?」

「つまり、みこが出て来た後っていうことだな」

「じゃあ、今すぐ…」


真菜は立ち上がり部屋のドアにてをかけた。


「今、出したらみこが死ぬぞ!」

「なんで?」

「あの中で、今みこが出てこられるまでの安定状態にしているんだよ」

「それってどういう…」

「だから、それは後で話すって言ったろ」

「あっ…」

「みこが出てくるまで、もう数時間だ。それまで待て」

「わかった…」


俺は一階に上り、病院の準備をした。すると、裏口のドアが開いた。


「おはようございます、院長」

「おはようございます、多田さん」

「今日も早いですね」

「まぁ…あはは…」


看護師の多田さんは看護師の着替え室に行った。すると、また裏口から人が入って来た。


「おはようございます、先生。今日は星空さんとかが夏休みですよね?私、1人だけですか?」

「おはようございます、前川さん。いや、今日は多田さんもいるよ」


俺は病院の準備を進めた。気がつくともう病院を始める時間になっていた。表口のドアを開くと、小さい女の子と年老いた女の人が入って来た。


「そういえば、おばあちゃん。ここって、いつから病院があるの?」

「どのくらい前だったかしらねぇ。今の湊先生のおじいちゃんが開業して…」

「カイギョウ?」

「病院を開くことだよ。その後、長女…一番のお姉ちゃんが引き継いだのよ。そして、次女…真ん中のお姉ちゃんの息子さん、つまり今の湊先生が引き継いだのよ」

「そんな昔からなんだ〜へぇ〜」

「おはようございます、前川さん…今日はうちの孫娘の手にイボなのかしら、何かができてそれを見て欲しいのよ…」

「わかりました。少しだけそこの待ち合い室でお待ちください。」


「矢澤さんのところの孫娘さんの手にイボができたらしいです。先生…」

「焼くから持って来て」

「液体窒素の大きい缶からですよね?」

「そうそう」

「前川さんに準備できたこと伝えて」

「はい」


「矢澤さん、どうぞ」

「はい」


診察室に矢澤さんとその孫娘が入って来た。俺は紙コップに入った液体窒素を片手に、綿棒を探した。


「今日はちかちゃんの手にできたんだって?」

「はい、そうなんです。」

「ちょっと見せてみ。…あー、これはやっぱりイボだね。じゃあすぐ焼いちゃおうか。ちょっと痛いかもしれないけど我慢してね」

「うん…」


俺はちかちゃんの手のイボに液体窒素が付いた綿棒を当てた。


「終わったよ」

「ありがとうございます」

「お大事に」


そういうと、2人とも待ち合い室に戻って行った。こんな風に一日が経って行った。そして、もう病院を閉める時間になっていた。看護師2人が帰ると、俺は時計の針を12時に無理やり回した。すると、朝まで出ていたエレベーターが出て来た。B2へ俺は向かった。


「おーい、真菜はどうしてるのかー」

「…」

「返事ぐらいしろよ」

「…」

「またまさか…」


俺はドアをノックして、開けてみた。するとそこには無防備に眠っている真菜がいた。


「これは……俺に何して欲しいのかな?フヒヒ…襲って欲しいってことだよな…完全にエロゲのパティーンじゃん。じゃあ、お言葉?んー、この態度に甘えて、いただきますか…」


俺は真菜に近づき首元に両手をそろりと付いた。


「んっんー」

「やべ、起きたか…ゆうてこれは大丈夫だな」


俺の期待とは反して真菜の目が開いてしまった。


「ん?……えっ?…あんた何を!」

「俺何もしてないよ」

「何してんのよ!」

「いや…ねてるのかなぁと思って」

「いやいや、嘘でしょ」

「イヤイヤ、マジ」

「いやいやいやいやいや」

「イヤイヤイヤイヤイヤイヤ」

「いやいやいやいやいやいやいや」

「これ、アホな子がなんかやってたような…」

「アホな子って誰よ?」

「おまえじゃない、違う違う。とにかくデジャブだってこと…」

「はっ?」

「もういい、きっとこれが次から通じるようになるんだよ…」

「次?」

「そう、次。とりあえず下行くぞ」


俺は真菜を引き連れて、エレベーターでB6へ向かった。

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