今日から始める強制日常
男は真菜の顔を少し気にするようにチラチラと見ていた。
「いやいや、君がここにいるのは……そうそう…この間うちの地下にに埋まっていたんだよ…」
「いっいや、そっそんな話信じるわけないでしょ」
「君は、前の世界の住人なんだよきっと…えっと…その〜君たちの世界は急に夜に終わってしまったんだ。隕石が落っこちるとわかった時、人間は急いでてあたり次第凍結させたんだよ…そして落っこちた後、次の世代の俺らが生まれたってわけ…みたいな…」
「なんか、話に筋が通ってなかったり、矛盾するところが多くあるんだけど…例えば、そもそも隕石が落ちるって分かる前からそんな多い人数凍結できる機械ができていたなんてご都合主義にも程がある気がするんだけど」
「ぎくっ」
誠司は目をそらして、目が泳いでいた。急に気がついたように誠司は話した。
「そっそんなことより、まあとりあえず早く上に行こうか、」
「うやむやにしようとしているし…どんなに追求したところで見たところ本当のこと教えてくれなさそうだから、ついて行くわ」
誠司と真菜はガラスの扉から出た。ガラスの向こう側には3台のコンピュータと一台のパソコンや大きな機械、透明な液体の入ったガラスの筒、赤い液体に白いつぶつぶが入って、中で回っているフラスコ、顕微鏡…いろいろなものが3,4台の机の上に置かれていた。その机の間を縫って行くように2人は奥へと歩いていった。チラチラとあたりを見回してみると、コンピューターの画面には何かのグラフなどが映っているのに対し、パソコンは自分の顔やみこの顔、その他何人かの写真が、背景になっていた。
「気持ち悪い…やっぱり、ストーカーなのかしら。みこも知っているらしいし。それとなく聞くしかないわね…」
さらに奥に進むとガラスの柱の中に銀色の扉があり、中から怪しげな緑色の光が漏れ出ていた。誠司がそこの横にあったボタンを押すと、銀の扉が開いた。中には何もないように見えた。
「とりあえず乗ろっか」
「えっ、…大丈夫よね…」
「そんな危なくないよ…普通のエレベーターと同じだよ」
「怪しいんだけど…」
「まあまあ、騙されたと思ってね?」
真菜はしぶしぶ乗ってみるとそこには普通にエレベーターのボタンがあった。1,B1,B2,B3,B6と並んでいた。誠司はB1を選んだ。
「ちなみに、ここは何階なの?」
「ここ?ここはB6だよ」
誠司は閉じるボタンを押して言った。エレベーターの扉が閉まって動き出さと同時にB6ボタンが文字盤の中へ消えた。
「えっ、どうなってるの?…魔法?…すごい仕組みだわ」
「まあね…」
「なぜ消えるの?何か私たちがいたところが隠さなければいけないところなの?だいたい、なぜB4,B5がないの?それも隠れているの?」
「B3の次はB6しかないよ…まあ色々あるんだから、えっと、とりあえずもう直ぐつくよ」
デパートとかで流れるエレベーターが止まるチンという音がしたと思うとエレベーターのドアが開いた。開いてみると目の前に狭めの部屋があった。真ん中に机があり、ドアが3つあった。
「今日から君が住むところだよ」