2.3日目~4日目
あっさりさっくりポコポコ進ませることに。
表現力の無さに辟易しつつ、楽しんで貰えたら幸いです。
「はっ!」
気合いの声と共に突き出された僕の拳がスライムの身体を粉々にする。
ピロリロリーン
今日始めて鳴ったレベルアップの音に、安堵の息をこぼした。
やっとだ。やっとレベルが上がった。
3日目の今日、朝からダンジョンにこもり始めてから、9時間超が経過していた。倒したスライムの数は80を超えるはずだ。
昨日は1時間に9体のスライムを狩れる場所を見つけ、レベルが4になると1撃で倒せるようになり、そのまま狩り続けレベル5に到達していたのだが。異変はステータスを振り分けた後に判明する。
「ステータスオープン」
名前:高田 勝 年齢:21歳 種族:日本人 所持金:400
LV 6(_10)
STR 45 AGI 1 DEX 1
VIT 7 INT 1 MND 1
FP 10
HP 850/950 MP 350/400
ATK 45 MATK 1
DEF 7 MDEF 1
SPD 1 MSPD 1
WEIGHT 52
職業:―
称号:―
信仰:―
アビリティ:【ワープ】
アクティブスキル:―
パッシブスキル:―
状態:―
武器:―
防具:黒のボクサーブリーフ
他:純銀のピアス 白のスニーカー
WEIGHT55これが問題だった。45は身体重いかなと思う程度で止まっていたのに、55になってステータスを閉じた後のあの重さ。
重力が増したような、身体全体がとにかく重く、少し動くだけで息切れと倦怠感が襲ってくるほど。
とにかく少しでもWEIGHTを減らすためジャージを脱ぎ、釘バットを使わずに素手で戦い始めた。
スライムには素手の1撃で倒せるのには驚いたが。
そして重い身体を使いやっとの事でレベルが上がったのだ。
AGIを上げればWEIGHTが下がったはず。
上げようと考えると自分の裸の映像が現れる。
もうそこに見える僕は、すでに2日前までの僕とは別人とも言えた。
腕肩胸腹足全てに筋肉が付き、腹筋なんて割れている。なのだが全体的にバランスが悪い。
更にSTRとVITに振り込み筋肉を上げたい欲求を退け、AGIを1上げる。するとWEIGHTが半分の26になった。1つ上げただけなのにこの効果は、さっさと上げてれば良かった。
もう1つ上げると17になり、4にしたら13になった。予測されるのは“{(STR+VIT)/AGI}+装備”だろうか。
DEXを上げてみても変わらない事から、これが正しいのではと考える。ただSPDが増えないので、SPDとの関連性はまだわからない。
とりあえずこうしてみた。
名前:高田 勝 年齢:21歳 種族:日本人 所持金:400
LV 6(_10)
STR 45 AGI 6 DEX 1
VIT 12 INT 1 MND 1
FP 0
HP 850/1200 MP 350/400
ATK 45 MATK 1
DEF 12 MDEF 1
SPD 1 MSPD 1
WEIGHT 9
職業:―
称号:―
信仰:―
アビリティ:【ワープ】
アクティブスキル:―
パッシブスキル:―
状態:―
武器:―
防具:黒のボクサーブリーフ
他:純銀のピアス 白のスニーカー
VITとAGIに5ずつ。いやだってほら、筋肉が増えないのも寂しいからさ。筋肉も少し引き締まり、全体的なバランスが良くなった。
これで決まりと【OK】を押す。
「ステータスクローズ」
ダンジョンに意識が戻った僕は、とりあえず身体を動かしてみる。
軽い!
目的も達したし帰ろう。
帰る途中で出くわすスライムをワンパンチで殺しつつ、部屋へと戻った。
『スライム92―――――460 TOTAL460』
所持金が860になった。3日目でもう残り140だ。余裕で光熱費と賃料は払える計算だが、食材や武器防具を考えるとまだまだ必要なはず。
さぁ明日も頑張るぞ。
4日目の今日は20体近くを2時間で倒しているが、そろそろ探索に出ようと思う。
昨日はWEIGHTのためにパンツ一丁で戦っていたが、今日はちゃんとジャージを着ている。増えた筋肉のおかげでピチピチになってはいるが、特に問題はない。
釘バットは持ってきていない。殴った方が早いから。
とにかく前に進もう。
1時間経過――特に何も無く何体かのスライムを瞬殺。
2時間経過――小部屋を発見。中に入ると数体のスライム。スライムはリンクする事がないようなのでそのまま撃破で他の場所へ。
3時間経過――また小部屋を発見。中には宝箱らしき物が! 開けたらチャリーンという音と共に所持金が50増えた。やったー。
4時間経過――小部屋に比べて少し広い中部屋を発見。奥には宝箱が! 喜び勇んで開けると
ファンファンファンファンファン
パトカーのサイレンのような音が鳴り響いた。
焦って振り向くが、中部屋のあちらこちらから湧き出てくるスライム。
なんだスライムか。特に問題はないと思っていたら、近くのスライムの頭頂部が変形、腹に衝撃が走る。6ダメージ。上がったDEFのおかげでダメージこそ少ないが痛い事は痛い。
そうこうしている間にもう一発くらい9ダメージ。すぐに反撃して撃破。だが背中に衝撃。続けざまに左肩。
痛い痛い痛い!!
やばくね? これやばくね?
とにかく目に付くスライムを殴るが、その倍以上の手数の攻撃をくらう。
痛い! とにかく痛い!
くそーーーーーっ!
気付いたら完全に囲まれ途切れることのない衝撃が身体を揺らす。
衝撃で身動きが出来ない。
いたいたいいたいいたいたいたいたいたいたいたいたいたいたい!!!!!
くそ!
くそ!
くそ!
1200あった筈のHPが800を切る。
着ていたジャージもすでにボロ切れとかしている。
やばいやばい!!
せっかくつよくなれるのに!!
せっっかくきんにくがつきはじめたのに!!
しにたくない!!
しにたくないい!!
ぼくのきんにくぅぅぅぅぅぅぅ!!
ピレレレレーーン『信仰を取得しました』
その声と共に頭の中のスイッチが押される。
ぼくはぼくはぼくはぼくは――――おれはっ!
「ふはははははははははははーーー!」
俺の筋肉が負けるはずがないわぁ!!
右手で前方のスライムを殴り、左手でその隣を殴り、横殴り、裏拳。
その間に何発も攻撃をくらうが
「かゆいわかゆいわ!」
この程度の痛みなど痛みにならず!
「フンッ」
殴る。
「フンッ」
殴る。
「フンッ」
殴る。
「フンッフンッフンッフンッフンッフンッフッンッ」
殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る。
「フンッフンッフンッフンッフンッフンッフンッフンッフンッフンッフンッ」
殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る。
「はっハッハッハッはっハッハッハァッ!」
最後の一撃ぃ!!
中部屋内のスライムの殲滅終了。
ピリリルルルーン『アビリティを取得しました』
その音と共に頭のスイッチが切り替わる。
あれ? ぼくは……?
生き残れた?
意識が無かったわけじゃない。
別の人格になったわけじゃない。
だけどさっきのあれも僕だと確信できる。
全ては『信仰を取得しました』という音声が聞こえてからだ。
「ステータスオープン」
名前:高田 勝 年齢:21歳 種族:日本人 所持金:920
LV 6(_10)
STR 45 AGI 6 DEX 1
VIT 12 INT 1 MND 1
FP 0
HP 172/1200 MP 400/400
ATK 81 MATK 1
DEF 12 MDEF 1
SPD 1 MSPD 1
WEIGHT 9
職業:―
称号:―
信仰:【筋肉の誓い】
アビリティ:【ワープ】【アイアンの拳】
アクティブスキル:―
パッシブスキル:―
状態:―
武器:アイアンの拳
防具:黒のボクサーブリーフ
他:純銀のピアス 白のスニーカー
HPもやばかったのがわかるが、ATKが増えていることと【アイアンの拳】が気になる。そして何よりも【筋肉の誓い】って何?
まず【アイアンの拳】に集中する。
“【アイアンの拳】:素手でモンスターを屠り続けると得られる鉄の拳。素手が武器扱いとなる。ATK+30“
なるほど。
次に【筋肉の誓い】に集中する、。
“【筋肉の誓い】我々筋肉一同は、マッスルゴッドにのっとり、正々堂々と筋肉を披露します。筋肉に攻撃を受けると、状態【筋肉酔い】になる。状態異常無効”
なんだこれ!?
【筋肉酔い】ってなんだよ。
“【筋肉酔い】:奥底に眠った自身の願望と筋肉の願望により、理性が失われ本能のみとなる。ノックバック無効”
ちょっと待て。
自身の願望って、あれが僕の本能だと?
でもノックバック無効のおかげで助かったのも【筋肉の誓い】のおかげとも言える。
うーーーん、疲れた。とりあえず帰ろう。
『スライム103―――――515 TOTAL515』
帰ったら所持金が1435になった。うん。防具を買おう。
成分10%にはなったかな。
チートの片鱗も見せ始め、とりあえず一つの区切りまで到達。
次話から更にチート化するかも。
【マッスルハイ】を【筋肉酔い】に変更。