9.253日目~399日目
これも短し。
253日目~
フロア7の探索――普段より広い森ダンジョンにアウラウネという人型の根をしたモンスター。アウラウネが何かを叫んで一瞬意識を失いそうになるが、【マッスルハイ】で持ち直し瞬殺。ボスにてアウラウネを生み出すマンドラゴラという木が相手となり、マンドラゴラって木じゃなくて草じゃなかったっけと思いながら2日間の長期戦の末倒す。LVはがっつり上がるが転生せず。
フロア8の探索――大きめの洞窟に現れるオークリーダーというちょっと小さめのオークと、オークを2倍したような大きな身体を持つトロール、ボブオークという魔術を使うオークが現れる。常にトロール2体とボブオーク1体、オークリーダー1体という組み合わせで現れ、オークリーダーの指示のもと、トロールが壁となりボブオークが魔法を使って攻撃してくる。トロールを1撃で葬り、魔法を叩き消しながらボブオークを葬り、オークリーダーを最後に葬る。特に問題もなく進み、ボス部屋。
オークキングを筆頭にオーク・ボブオーク・オークリーダー・トロールの軍隊。その数はボス部屋の大きさが東京ドーム程で、中を埋め尽くすが如くと言えばわかるだろうか。対するこちらは僕と兄貴5王子もとい5人衆。
兄貴ソルジャー・兄貴ビッグボディ・兄貴マリポーサ・兄貴ゼブラ・兄貴フェニックス。
順番に、前衛攻撃型・前衛防御型・空中爆撃型・後衛攻撃型・空中攻撃型である。
ビッグボディが壁となり、近づくオークやトロールをソルジャーが倒し、後方からはゼブラが支援攻撃する。空中から無差別に爆撃するのがマリポーサ。そしてマリポーサへと攻撃しようとするボブオークや指示を出すオークリーダーをフェニックスが倒していく。
遊撃隊兼突撃隊として僕が縦横無尽に暴れ回る。
1時間後、オークキングを残し全てのオーク達を倒し、こちらもビッグボディが耐えきれず退却、壁が無くなったことでソルジャーも善戦するが退却、前衛が無くなったことでゼブラも退却している。マリポーサとフェニックスは最後まで残った。
オークキングとの戦いはあっさりと数回の打ち合いと【巨人の剣刃】のトドメで終わった。
LVが上限の50まで上がり、転生する。
“物理強化”“魔法強化”“知覚強化”“物理制御”“魔法制御”“知覚制御”“種族特化取得”の選択肢から“種族特化取得”を選ぶ。【鬼の貌】のように良いパッシブスキルが入る事を願って。
そして得たパッシブスキルは、
【巨人の逆身】:体重と重力との関係が変化する。多大な自重を動かす為に持つ巨人族の種族特化。SPDに関わるWEIGHTが1/2になる。
良いスキルを得る事が出来たと思う。これでSPDも上がるだろう。名前はアレだが……。
フロア9の探索――今までのフロアと違い、遺跡を思わせる石造りの人工的なフロア。横幅は5mほどだが高さが20m以上ある縦長の通路である。出てくるモンスターは体長1.5m程で、コウモリのような身体と羽、コウモリと犬科の動物を混ぜた様な醜悪な顔に、2本の角が生えている。しかし身体に生物的な質感はなく、灰色の石造りとなっている。そうガーゴイルだ。様々な物語に出てくるその醜悪な容姿と無機的な存在が違和感を伴って上空から襲いかかってくる。
動きは俊敏、しかも上空から襲いかかり、石造りのため物理攻撃に強く、魔法の耐性も高そうだ。万能型には辛い相手だろうが、僕のような特化型にとってみれば、襲いかかってきたところをカウンターで一撃の下にぶち壊すだけ。最近は3撃くらいなら【マッスルハイ】が勝手に起動することはなくなったため、攻撃くらってもダメージが1なだけで、即座に回復できる。しかし何度目かの噛みつきを受けた瞬間、その部分を中心に石化していく。のだが相変わらず【マッスルハイ】となり、石化は治り勝手に回復する。
探索2日目、懐かしの宝箱トラップを発見、20日ほどの修行を決行。
そんなこんなで20日間の修行を終えると、ボス部屋を探し突入した。
ボス部屋には3mほどの石巨人。所謂ゴーレムが4体。身体が赤色、水色、緑色、茶色の4色に別れている。たぶんご丁寧に弱点属性がわかるようになっているのだろう。僕には関係無いが。それと上空には10体ほどのガーゴイルが飛んでいる。しかしその半分は手に杖のようなものを持っているから、魔法を使うのかもしれない。
兄貴フェニックスを召還してガーゴイルに向かわせつつ、僕はゴーレムに向かっていった。
ゴーレムは身体に似合わず意外と素早い動きを持っている。巨人族の種族特化のようなものを持っているのかもしれない。
頭のスイッチを切り替えると、俺はゴーレムと力比べをしてやる。1体のゴーレムが殴りかかってきた腕を左手で受け止め、更にもう1体の腕を右手で受け止める。俺を潰そうと両手に圧力がかかる。だが俺の身体はビクともしない。俺の筋肉の勝ちだ。
俺はこのまま勁を練り、左足を少し浮かべて震脚、左手から練った勁を発するとゴーレムの腕は瞬間砕けた。右側にも同じように発勁。砕けるゴーレムの腕。結局腕の砕けたゴーレムから始末し、数発の攻撃で4体のゴーレムは砕け散った。上空を見れば通常のガーゴイルを5体全て倒し、杖を持つガーゴイルも2体倒し、残り3体の杖持ちガーゴイルと空中戦をしているフェニックスの姿が。
俺は地面を蹴ってジャンプ、その勢いのまま1体のガーゴイルに体当たり、ガーゴイルが砕け散る。しかし無防備になった俺へ杖の先から炎の玉をだすガーゴイル。俺は空中を1回蹴ってそのガーゴイルに向かいつつ炎の玉を叩き消し、再び体当たり。残り1体はと探すとフェニックスがもう倒し終えた後だった。
勁の流れを操り、体重に見合わない軽い着地をすると頭のスイッチが切り替わり、何度か効果音が鳴り響く。
そうしてフロア9をクリアした。
フロア10の探索――フロア9と同じだが、3倍くらい横幅のある遺跡の様なダンジョン。出てくるモンスターは体長10m程のティラノザウルス。いや、ランドドラゴンというティラノザウルスのような容姿を持つドラゴン。主に突進攻撃と炎のブレス攻撃。魔法にも物理にも強そうな鱗を持っている。相変わらず僕には関係無く、2撃か3撃で仕留めながら進んで行く。そして見つけた超沸きゾーン。十字路にて1時間に30体現れるのに加え、4体の妖精さんを餌に少し遠目のランドドラゴンも引っ張ってきて貰う。1分に1体を狩れるこの場所で再びの修行。
1秒間にHPが50以上回復する様になってしまった僕は【高田流戦闘術】の熟練度を上げるため技を使いまくるが、HPは常に満タンに近い。戦闘のパターンとして、ランドドラゴンがブレスを吐く→浴びる→突進→受け止める→技→突進orブレス→受け止めるor浴びる→技→終了、という流れだ。ブレスは叩き消す事も可能だが、浴びてりゃ何かアビリティ得るかもしれないと思い浴びている。【エレメンタル体】が効いてダメージは1/2となり、MDEFで打ち消しきれなかったダメージが通るが、次の戦闘までに回復してしまうため、特に問題はない。
修行は40日間にも及ぶが、LVが59の所で飽きてしまった。通算日数も切りが良いし、ボス倒せば転生出来るかなっと考えながらボス部屋を探すと、その日のうちに発見。明日倒そうと決めて一度戻った。
これが399日目の事。
記念すべき400日目となるその日、実質ダンジョン生活最後の日となる。
そんなこととは露知らず、僕は暢気にビール片手に漫画を読んでいた。
「うっほー人類最強つよーい。息子もつよーい。でも今の僕の方がたぶんつよーい」
などと最強の親子喧嘩を読みながら。
兄貴5王子もとい5人衆の登場。細かい姿や戦闘描写は次の章で。
最近話題の漫画を名前だけ拝借。載ってる雑誌を創刊の時から買ってたけど、実写映画化するまでになるとは思わなかった。
ちなみに読んでる漫画は最新刊。ショップで10000で売ってたりする。
売ってる漫画は他にも沢山あるが、バトルもの中心。
後8時間。書き終えるかなぁっと。でわよいお年をー。