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おにく1000% ~おい俺の筋肉~  作者: 竹月 力内人
第0章 ダンジョンでマッスル100%
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プロローグ

 いきなりとなりますが、リアルが忙しいので更新速度はメチャ遅です。

 女の子成分は当分ありません。会話すらありません。当分の間状況説明で進んで行くと思います。

 久々に書く文章ですので滅茶苦茶だと思いますが、それでもお付き合い頂ければ幸いでございます。

 夢を見た。

 光の中をどこまでもどこまでも進む夢。

 だから意識が浮上して、朝日に照らされたと思っている窓の先が、単なる光の世界だという事に気付かず、いつも通りのトーストとハムで朝ご飯を済ませた後の僕の痴態は、今語ることではないだろう。

 ガス・水道・電気は通っている。しかしテレビには砂嵐のみがながれ、インターネットは繋がらず、スマホにも電波がない。

 玄関は何をしても動かず、窓も同じ。

 閉じ込められたのかと思いきや、2LDKの我が家のドア数5が6に増えている。玄関でも寝室でも物置代わりの部屋でも風呂でもトイレでもない6つ目のドア。隣人が住んでいるはずの場所へと続くドア。

 なぜ今まで気付かなかったんだろうと、不思議に思うほどの存在感を醸し出しているドアが、リビングの何も無い壁に存在していた。

 そのドアを前に、自分が狂ってしまったのではないと、自分自身を考える。


 高田勝たかだまさる21歳。男。身長192cm体重68kg。大学3年。COWCOW専属モデル。髪はスパイキーショートの黒茶。顔はまぁモデルがやれる程。性格は穏やかだけど理知的ではあると思う。草食系だのイケメンだのよく言われている。筋肉が付かないひ弱な身体がコンプレックス。子供の頃から背だけは大きかったから、小学生ではマッチ棒、中学生では耳かきという渾名もあったほど。高校に入ってモデルを始めてから変な渾名は付かなかったけど。両親は健在で、兄弟は10歳の妹が1人。まぁモデル始める時に勘当されてるから6年会ってないんだけども。彼女は今はいない。付き合った人数はそこそこいるけど、恥ずかしながら童貞チェリー。心を開かないいつまでも余所余所しい僕に、愛想を尽かしてすぐに振られるから。まぁそんな僕だからもちろん軽い友達はたくさんいるけど、親友と呼べるような存在はいない。考えていてちょっと寂しくなってくるが、これが僕なんだから仕方がない。


 勝手に落ち込んだりしながら、自分の精神に異常がないと思う。

 夢のような曖昧な精神でないことから、これが現実なんだと認識するしかない。

 とにかくドアを開けなければ何も進まないと決心し、ドアを開けた。

 先に見えたのは隣部屋ではなく、艶のある黒い壁に囲まれた10畳程の部屋。天井床壁全て仄かに青白く光っている。

 中に入るのを躊躇いながら観察していると、部屋の中央に何か映画のパンフレットのような白い冊子が置いてあるのに気付いた。

 怖々一歩を踏み出し、何とも無いのを確認しゆっくりと一歩一歩前へ進む。部屋の中央に到達し、白い冊子を手に取る。表も裏も真っ白で、タイトルも何も書いていない。

 一度パラパラと捲ると、中には文字と絵が確認できる。今度は1ページ目からちゃんと読み始めた。



 簡単に言ってしまえば、この冊子は説明書だった。

 RPGの説明書に似ていると言えば良いだろうか、中に書かれている事を実際に行ってみたら出来たのだから驚きだ。


「ステータスオープン」

 念じるだけで言わなくても大丈夫なようだが、慣れるまでは口に出そうと思う。

 言い終わると同時に景色が暗転、言葉と数字の羅列のみの世界へと移行した。


 名前:高田 勝  年齢:21歳  種族:日本人  所持金:0

 LV 1(_10)

 STR  1  AGI  1  DEX  1

 VIT  1  INT  1  MND  1

 FP  10


 HP  150/150  MP  150/150

 ATK  1  MATK  1 

 DEF  1  MDEF  1

 SPD  1  MSPD  1

 WEIGHT  2


 職業:―

 称号:―

 信仰:―

 アビリティ:【ワープ】

 アクティブスキル:―

 パッシブスキル:―

 状態:―


 武器:説明書

 防具:無地のシャツ 黒のボクサーブリーフ

 他:純銀のピアス 


 RPGそのままのようなステータスだった。ステータスの意味はざっと以下。


 STR 力   ATKとSPDとWEIGHTに関係する

 AGI 素早さ SPDとMSPDWEIGHTに関係する 

 VIT 体力  HPとDEFとWEIGHTに関係する

 DEX 器用さ SPDとMSPDに関係する(数値以外にも細かい作業などの影響があるらしい)

 INT 魔力  MATKとMSPDに関係する

 MND 精神力 MPと魔法スキル量に関係する

 FP  フリーポイント ステータスに自由に振れる数字


 HP  身体マナ保有量 身体を構成するマナの保有量で、0になると死亡となる。

 MP  魂マナ保有量  魂を構成するマナの保有量で、0になると死亡となる。

 ATK 物理攻撃力  MATK 魔法攻撃力

 DEF 物理防御力  MDEF 魔法防御力

 SPD 行動速度   MSPD 詠唱速度

 WEIGHT 重さ 装備だけでなく体重にも比例する

 

 職業は、ギルドに所属すると得られるらしいのだが、ギルドってどこだ?ハローワーク?

 称号は、ステータスやスキルや行動などで変化するらしい。

 信仰は、何かに縋ると得るらしい。神とは限らないらしい。

 アビリティは、条件を満たすと得られる固有レアスキルらしい。

 アクティブスキルは、物理ならHPを魔法ならMPを対価として行う技のようなもののよう。

 パッシブスキルは、何の対価も必要としない常時発動型の技(?)のようなもののよう。

 状態は、身体もしくは精神に作用する何かしらの異常または祝福になると現れるよう。

 武器は、武器と認定された手に持つか意識すると装備されるようだ。説明書は武器なのかぁ。

 防具は、防具と認定された身につけている物が装備されるようだ。パンツも防具の一部です。DEFの数字からして何のDEFも付いていないようではあるが。

 他は、武器と防具以外の持ち物が表示されるようだ。説明書はこっちだとおもうんだけどな。


 説明書を読んだ限りでわかった範囲はこんな所である。

 アビリティにある【ワープ】は、自動登録された場所へと瞬時に移動するスキルだった。

 【ワープ】を念じると2つの名前が表示される。〈バルバレイダンジョン〉〈マイルーム〉の2つだ。

 そうダンジョンだ。

 説明書には、ダンジョンに潜りモンスターを倒すとお金が手に入るとだけ書いてあった。

 そして最悪だったのが、10日毎のお金の徴収。ガス・水道・電気と賃貸代として1000を徴収するのだという。しかも10日毎に1000ごと増えていくのだ。払えなければ全てが消えるとだけ書いてあった。全てに僕も入るのだろう。消えたくないのでお金を稼ぐ必要性がある。

 そう考えていると、いきなり元の視界へと変化する。

 どうやら規定の10分が過ぎたようだ。ステータスに潜れる時間は1回に10分以内と決まっていて、5分間のインターバル後に再び潜れる。ステータスに潜っている間は外の時間は流れないのだから、制限時間がないと、いつまでも出てこなくなる事もあるからだろう。


「ショップオープン」

 再び暗転し、文字と数字の世界へ。

 今度はその名の通り店だ。

 武器、防具、アクセサリー、便利道具、食料の5種類だ。今はお金が無いので何も変えないが、今部屋にある食料の備蓄がなくなれば、食料を買わないとならないだろう。

 食料を見た感じだと、〈ハンバーガー 100〉だとか食料だけではなく料理もあるので料理せずに済むのは楽かもしれない。

 ちなみにショップはこの部屋でのみ開ける。

「ショップクローズ」


 暗転し元の部屋へ。説明書を持ったままリビングへ戻りドアを閉めると、そのままキッチンへ向かい冷蔵庫から缶ビールを取り出しリビングにあるソファーに座る。缶ビールを開け一気に煽る。一度も息継ぎする事もなく飲みきると。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! ……まじでか」

 空気と一緒に何かをはき出す。

 胃の中に無理矢理流し込まれたビールのアルコールが、血液に乗って全身をかけ巡っていく。酔いはしないが、少し鈍くなった頭と身体の感覚に任せ目を瞑る。

 寝て起きたら元の世界へという甘い考えに縋ろうと思えない。

 ただ、いきなりの事態と情報に、気持ちよりもまず脳の整理と思い眠ることにした。




 起きたら時計の針が10時を超えていた。起きたのが7時だったから、2時間ちょっとは寝ていたのだろう。

 身体のアルコールはもう抜けているようだ。肝臓が強いのか昔からアルコールが抜けるのが早かった。昔と言ってももちろんハタチカラダヨ。ホントダヨ。

 とにかく、何となくだったが頭のモヤモヤも無くなり、今の状況を頭が飲み込んだようだ。ゴチャゴチャしたら寝るに限る。まず優先順位を決めよう。


 1.生き抜く。死にたくないから当然だ。

 2.レベルアップして強くなる。生き抜くに通ずるけど。

 3.ダンジョンの探索。帰るための手掛かりを探さないと。

 

 とりあえずはこの3つかな。というかこの3つくらいしかないか。優先順位も何もないな。整理しようとした甲斐がない。

 だが、僕はここに来て気付いた。強くなるにはレベルアップすればいい。つまりモンスターを倒せば強くなる。逆に考えれば、筋トレ等身体を鍛えたり、格闘技を習ったりしなくてもモンスターを倒せばレベルが上がって強くなるのだ。

 僕は過去行った筋トレを思い出す。どんなに筋トレしようとも通販で買った震えるベルトを使おうとも、一向に増えることの無かった僕の筋肉。筋肉が増えるとは限らないが、モンスターを倒せば強くなるのだ。ちょっとワクワクしてきてしまった。

 そうと決まればモンスターを倒すために武器を装備しないと。何か武器になるような物を探さなければ。

 辺りを見回す。

 椅子、違うな。傘、最終手段だ。包丁、有りだけどリーチが心許ないな。モンスターがどんな奴なのかもわからないのに短い武器は使いたくない。っとそういえば防犯用に玄関に置いてあるアレがあった。

 玄関に向かい下駄箱の下の空間に寝かされたアレを取り出した。

 次は防具を考えよう。

 ……。

 服はたくさんあるが、防具になりそうな物が全くない。

 仕方ないので動きやすさを優先して高校時代のジャージの上下を着た。身体のサイズが変わってないので全く違和感がない。

 とりあえず装備はこんな所か。ステータスを確認しよう。



「ステータスオープン」

 

 名前:高田 勝  年齢:21歳  種族:日本人  所持金:0

 LV 1(_10)

 STR  1  AGI  1  DEX  1

 VIT  1  INT  1  MND  1

 FP  10


 HP  150/150  MP  150/150

 ATK  11  MATK  3 

 DEF   2  MDEF  1

 SPD   1  MSPD  1

 WEIGHT  5


 職業:―

 称号:―

 信仰:―

 アビリティ:【ワープ】

 アクティブスキル:―

 パッシブスキル:―

 状態:―


 武器:釘バット

 防具:学生ジャージ

 他:純銀のピアス 


 おお。ATKが11になってる。単純に考えてアレである釘バットはATK10あったのか。高校時代に友達と悪ふざけで作った釘バットがここで実際に使われる事になるとは。ってジャージのDEFさりげに1あるし。MATKが上がったのはどっちだ?まぁ魔法スキルも何も覚えてないから別にいいけど。

 ああそうだったFPをステータスに振らないとと考えたら、数字の横に【+】のボタンのようなのが出てきて、それとは別に全裸の僕の姿が立体映像のように現れた。

 説明書には最後に下にある【OK】ボタンを押さないと確定されないと書いてあったので、とりあえずSTRの所の【+】を押すようなイメージをすると、STRが2になった。

 取り消せるからと全部STRに振り込んでみる。STRが11になり、ATKが21になった。驚きなのがWEIGHTだろうか15に増えている。

 ATKに魅力は感じるがHPも増えていないので、これは無しだと下の【CANCEL】を押した。数字が全部戻るのと同時に隣に表示されていた全裸の僕に違和感を感じる。

 何かちょっと変化したような。気になったのでもう一度STRに全振りしてみた。隣の僕の姿に少し違和感を感じる。

 取り消して確認。全振りして確認。を何度か繰り返す。

 身体のサイズがちょっと変化している?

 今度は他のステータスでも試してみた。

 間にインターバルの5分を3回くらい、約1時間ほど検証を続けた。

 AGI何も変わらず。DEX何も変わらず。VIT変わった?INTとMNDは何も変わらない。

 STRとVITで少し身体がガッシリしている気がした。もしかして筋量増えてる?

 よし。STRとVITを上げよう。5ずつ上げて【OK】を押した。


 名前:高田 勝  年齢:21歳  種族:日本人  所持金:0

 LV 1(_10)

 STR  6  AGI  1  DEX  1

 VIT  6  INT  1  MND  1

 FP   0


 HP  400/400  MP  150/150

 ATK  16  MATK  3 

 DEF   8  MDEF  1

 SPD   1  MSPD  1

 WEIGHT  15


 職業:―

 称号:―

 信仰:―

 アビリティ:【ワープ】

 アクティブスキル:―

 パッシブスキル:―

 状態:―


 武器:釘バット

 防具:学生ジャージ

 他:純銀のピアス 

 

 数値でわかったことは、STRの数字がそのままATKに足される事。VITも同じくDEFが上がることと、1上げるとHPが50上がる事だ。

 WEIGHTとSPDはFPが10だけだと検証しきれないので、後回しにすることにした。

「ステータスクローズ」



 リビングに戻った俺は、ジャージを脱ぎ自分の身体を確認する。

 確かに少し筋量が増えた気がするようなしないような。

 その場で腕立て伏せをしてみる。

 なんと10回も出来た!!

 これは驚きだ!3回が最高記録の僕にとって2桁という夢の数字に到達するなんて。

 もっとSTRを増やしたら出来る回数が増えるのだろうか。

 ダンジョンへ行こう!!

 この気持ち勢いのそのままで、躊躇わないうちに行っちゃえ。


「ワープ! 〈バルバレイダンジョン〉!!」


 ……。

 ……。

 ……。

 ……。

 ……。

 ……あれ?

 スキル発動するはずだよね?

 どうして何も変わらないのかな?

 もう一度だ!


「ワープ! 〈バルバレイダンジョン〉!!」


 ……。

 ……。

 ……。

 発動しない。なぜだ?

 ステータスは開けた。何が違う?

 ……ショップ?

 ここではショップが開けない。スキルも発動しない?

 あの部屋でないともしかいして【ワープ】は使えないのか?

 黒い部屋へと移動し、中央に立ち一先ず深呼吸。


「ワープ! 〈バルバレイダンジョン〉!!」


 言葉の終了と同時に足下に直径が50cm程の幾何学的な文様の魔方陣らしき光が走ると、僕を包むようにして青い光があふれた。

 視界が完全に青い光に包まれたと同時に、自分が何かの力に引っ張られたのを感じ、青い光が白へと変化する。

 僕は、未知への恐怖とそれと同じくらいの好奇心と、ほんの少しだけある希望を抱きながら光が消えるのを待った。







まだ成分は1%未満といった所です。本編から徐々にパーセンテージを上げていきたいと思います。


内容に関してはよっぽどの事が無い限り、変える予定はありません。

ただ、文章に関してこうすると読みやすいなど、アドバイス頂ければ幸いです。


つたない文章でございますが、よろしくお願いします。

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