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第5賞 新たな船出かな?

七福神で、長沼が新たな決意をしてから3ケ月が過ぎた。

そこは(新)虎谷厩舎ではなかった。

長沼厩舎のままで、どうやら長沼と雪乃も働いていた。他に一人、丸刈りの若い男がいた。

「社長、このアルバイト、とろくさくていけねえ。老齢なんだから、肉体労働でなく事務の仕事をやらした方が、いいすぅよ。」

「じじぃ扱いかぁ。これでも、キャバクラではおじ様と呼ばれているんだよぅ。」長沼は吉村が気遣って言ってることを分かりながらジョークで返した。

「分かりました。吉村く~ん、いいですよぉ。モテ期の長沼お・じ・様は、事務処理をお願いしま~す。」雪乃はクスクス笑いながら言い、吉村は吹きだし爆笑をした。

「虎谷社長、最近の君の表情を観てると、初めて会った時とは、全く違う明るいし。以前、通院してただけに病気は出て内科医(無いかい)。」

「長沼さん、ふれぇ(古い)なぁ。そんな古臭いダジャレじゃ。笑わねぇし。ようし、見ててよ。厩舎は虎谷社長と競争馬だけに、虎(谷)と馬でトラウマ(虎馬)、どうだぁ。」

「吉村君、そんなダジャレじゃ、周りはシーン・・・だな。しかし、ちょっと、メモしてこぅ。」と言いつつ長沼は、人差し指を舐め空中に手書きをした。

ぷっ、わっはっは~。

厩舎内は笑いに包まれていた。まるで、暖かな家族のように。


さぁ~て、それまでの新たな厩舎体制の経緯は・・?とくと御覧じろぅ。

七福神での決意後の翌日に長沼厩舎を引き受けてくれないかと、長沼は雪乃へ切々と話をした。

厩舎の引継ぎについては、雪乃が漸くし納得してくれたが、厩舎名変更は断固として固辞した。

それから間もなくした日に吉村が厩舎に現れ、調教師を真剣に目指したいと、新しく社長(雪乃)の前で土下座をし、働くことを許された。

翌日からの勤務の際、自発的に髪を丸刈りにした吉村がいた。

長沼は、馬のオーナー(馬主)となり、城と創った会社があるが、暇を持て余し、ボランティアとして、週1~2日は厩舎に来ていた。


驚いたことにマーズと吉村とのウマがあった。

吉村がマーズの体を毛並みを整えながら、「おい、ブラシ気持ちいいか?しかし、馬体の色、たてがみや尻尾もキレイな銀色、お前は外人(外馬)か!いいか。マーズ。外面だけじゃなくて内面もモテるように俺が秘伝を伝授してやろう。レースとおんなとの駆け引きは、一緒なんだなぁ。無暗矢鱈につっぱっしっても直ぐにダメになる。あわてず、ゆっくりと。時を見計らい・・・きたと思ったらゴーぉ~ぉ。だな。わかったか。マーズ。」と言うと、マーズは、長い首を上げ下げして聴いているようだったし、最後に、「ヒヒーン。」と鳴き了解をしているように見えた。

ただ、困ったことに、吉村がマーズにダンスを教えようとしていた。

「マーズ、いいかぁ。芸がないとおんなにはもてなぁ~い。先ずは初級から、タッタカ、タッタカ、タァン、タン。」吉村が自分の足でダンスの見本をしてから、マーズの脚を触り覚えさせようとしていた。

それを見ていた雪乃は微笑みながら、他の馬の世話をしていた。


よしむらぁ。それって、競馬レースに意味があるの?

それって運命の糸になりそうか・・・な?。


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