第13賞 二人?で、まったりと
中央競馬会での鮮烈なデビューを果たしたマーズだったが、大井競馬場にある長沼厩舎での生活をして、寝起きをしていた。
明日は中夏・日本友好競馬会が中山競馬場で行われるので、中夏の馬5頭は数日前から現地へ乗り込んでいたが、
大井競馬場から中山競馬場までの距離は30kmほどしかないため、マーズは当日の早朝に輸送車で現地へ入る予定になっていた。
都会が静寂となったころ、長沼厩舎を覗いてみると、おや~ぁ。そこには横になっているマーズと、そのお腹部分に頭を預けて目を閉じている雪乃がいた。
雪乃の左耳にはマーズの鼓動が伝わり一定のリズムに寝入りそうになっていた。
マー君、あなたの傍にいると、うつ(病)も消えてなくなり、(あなたとの)生活に喜びが溢れているの、わかる?。
あの日(マーズの心臓が止まり、直ぐに蘇った日)から、マー君の瞳が人のように話しかけて来るようで、少し怖くもあり、でも、目が合うと嬉しくてドギマギしてたんだ。
だから、私の前からいなくならないでね・・・。お・ね・が・い。なんだか眠くなってきちゃった・・・。
雪乃は眠りに落ちていった。
ユ・キ・ノは、寝たのかな?このままだと風邪ひくよ。
マーズ(ペルド)は前後の両脚を雪乃の身体にそっと巻き付けた。
徐々にお互いの温もりが交差していった。
ユ・キ・ノは、何を考えているんだろう。こういっちゃなんだが、獣(馬)に対して異常に見えるほど優しくしてくれる。
俺は嬉しいが・・・狂おしいなぁ。しかし、この先、獣である俺には告白やプロポーズが出来るはずもない。
出来ることがあるとしたら、連戦連勝をし、雪乃を喜ばすことしかないかも。
あっ、そうだ。俺が憑依する前に、マーズにヨシムラ(吉村)が教えたという変なタップダンスやリズムに合ったいななきをすると、雪乃が喜んでくれたよなぁ。
何故か無意識の内にダンスをしてしまうマーズ。身体に染みついてしまっているようだ。
よ~し、明日、勝ったら勝利の舞いを雪乃や競馬ファンへ奏でよう(披露しよう)。
頑張ろうか。雪乃のためだけに。
思考するのに疲れてしまい、マーズ(ペルド)も眠りについた。




