表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

うちの学校には「禁足地」っていう都市伝説があってだな、、、

作者: たんちょ

なろう始めたての初心者です。どうか温かい目で見守ってください。

 それは突然の出来事だった。背後から雪崩のような音が鳴り響く。


振り返るとそこには、粉々に砕かれた岩、そして赤髪の青年がいた。


彼の名前はレイン・アルト。


入学早々、揉め事を起こし教師を半殺しにしたと噂されている。


彼の噂はまたたく間に広がり、今では学校の伝説となっている。


そんな彼がどうしてここにいるのだろう。


今は野外学習の真っ最中。複数人の生徒と担当の先生がグループを組み「怪しの森」の調査を行う。しかし、あたりを見渡しても、彼のグループらしき人物は見当たらない。


俺達は状況が理解できず、ただ彼を見つめていた。


沈黙の後、彼は何もなかったかのように歩き始め、雑木林の中に消えていった。



「なんだったんだ今の!」

「あの人ってレイン・アルトだよね!!」

「嘘!私、始めてみた!!」


あまりの衝撃にグループのみんなが、興奮して話し始めた。


「まぁまぁみんな落ち着いて」

そう言って生徒をなだめるのはこのグループを担当するバンク先生。


「先生!!今の見ました!!あれってレイン・アルトですよね!!」

「あの音って魔法のですか!?」


バンク先生は生徒たちの熱量に圧倒されている様子だった。


「う、うん、そうだね、、、いやぁ、でも困ったなぁ、、、」

先生はそう言いながら顎髭をさすった。


「ねぇ先生!彼のこと追いかけましょうよ!」

「あいつ何しでかすかわかりませんよ!!」


生徒たちはそう言ってバンク先生を催促する。


「うぅぅん、そうだね。仕方がない。ちょっと授業は一時中断にしようかな。みんなついてきてもらっていいかな?」


「はい!!」

「もちろんです」

「えぇまじかよw」


そんなこんなで俺達は彼の後を追いかけることになった。

「なにしてたんだろ?」

「私一回だけ顔見たことあるけどすっごいかっこよかったよ」

「えぇ、いいなぁ」


自慢ではないが俺はレイン・アルトと話したことがある。

それは入学してすぐのことだった。

俺が落としたハンカチを届けてくれたのだ。

「ありがとうございます。」

俺がそう言うと彼は

「いえいえ」とだけ言い残し、走り去ってしまった。

それがきっかけだったのだろう。俺は彼の起こす出来事について嗅ぎ回るようになった。


「何を考え込んでるんですか?」


「うわっ!!いきなり話しかけてくるなよ」


こいつの名前はリアム。とても社交的な爽やかな青年だ。今まで全く接点がなかったのだが、同じチームになってからよく話しかけてくる。


「驚かせてしまい申し訳ありません。楽しそうだったのでつい、、、なにかいいことでも?」


「ん?いや、何でも」


「そうですか、、、」

彼はボソリとそう答えた。




そんなこんなで、僕達はレイン・アルトが通ったであろう獣道を縦一列になり進んだ。

しばらく歩くと森の様子が一変する。

今まで木漏れ日が差していた森が、薄暗くなっていく。


「気味悪いな、、、」

「本当にこの道で合ってるの?」


みんなの会話からも不安な様子が伝わってくる。



「先生っ!!」

先頭を歩いていた生徒が声を上げた。

「あぁぁ」


身を乗り出し前方の様子を確認する。そこには、巨大な柵があった。


「禁足地だ」


禁足地とは、学校で噂されている都市伝説のことだ。森の奥深くに柵で囲まれた場所があり、ナニかを封印していると言われている。

「本当にあったのか、、、」

森の奥には霧が立ち込めており、今にも何かが出てきそうだ。


「あいつ、この中に入っていったんじゃ、、、」

「えっ、嘘、、、」

「いや、でもあいつならやりかねねぇぞ」


するとバンク先生は柵をよじ登り始めた。


「ちょ先生!!」

「何してるんですかっ!!」


「みんなはここから離れて!!他のグループの先生に連絡っ!!」

バンク先生がここまで焦っている姿は見たことがない。



「は、早く戻ろうぜ、、、」

「うん、、、」

俺達は不安に襲われながらも、急いでその場を後にした。

その後、すぐに野外学習は中止となり、学校はしばらくの間、休校となった。



噂によるとあの後、禁足地の捜索が行われたそうだ。しかし、捜索は難航。3日後には取りやめられたらしい。学校が再開するとバンク先生と同じグループだった俺達は、生徒たちからの質問攻めにあっていた。


「バンク先生が死んだってホントなのっ!?」

「ってどんなやつだったんだよ!!」

「禁足地ってどうだった!!」


一瞬間ほど学校では禁足地の話題で盛り上がっていた。

しかし1ヶ月もすると、いつもの生活に戻っていた。



「バンク先生のご自宅に今度、一緒に伺いませんか?」

「ん?あ〜いいよ」

俺とリアムはあの事件をきっかけに、たまに話す仲になっていた。


「ていうかお前なんでそんなに笑顔なんだよ」


「おや、あなたからそう言われるとは思いませんでした。」

彼は目を丸くしてそう答えた。こいつは時々、おかしなことを言い始める。

「どういうことだよ」

「自覚なしですか。まあ良いですよ」

こうして俺達の冒険は幕を閉じた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ