勇者と妖精γ
ピーピーピピピピッピ!
「認証番号一致、リアルダンジョンにようこそ。あなたの名前はガンちゃんさんですね?今からリアルダンジョン始まり都市、セイラへ転送いたします。」
「おまちしていましたっぴ。」
「一週間ぶりだなピルル。」
「はい。ちょうど一週間ぶりですっぴ。」
「ボスの様子はどうなってるんだ?」
「勇者様がLV8までをクリアしてくださっていたおかげで今回はLV8のボスまで復活しただけで、LV9、LV10の最終ボスの三匹しかいなくなったっぴ。でもLV10のボスの様子が最近おかしいので気をつけて欲しいっぴ。」
「ああ、今回はLV10のボスは倒さないんだ。悪いがこう何度も長時間プレイを続けることもできないからな。」
「それは残念だっぴ。そういえば、勇者様の専用ランスを手に入れたみたいっぴね。」
「ああ、あれの効果はどんな効果なんだ?」
「最初の武器の効果をすべて受け継いでプラスで切れ味をつけられるっぴ。勇者の槍には他の武器とは違うすごいところがたくさんあるって女神様がいっていたっぴ。」
「なるほど、ランスは他の職よりも攻撃力が高いから一撃で倒せる敵もおおいとかあるのかもしれないな。」
「そうだっぴ。」
「ところで、俺はこの世界についてあんまりにも情報をもってないんだが、そろそろこの世界について教えてくれないか?」
「お仲間は大丈夫っぴ?」
「あいつらは先にLV2に兎を取りに行ってもらってるから、前と違ってゆっくり話を聞くって伝えてあるしな。」
「解ったっぴ。この世界について少し長くなるけど教えるっぴ。」
そのあとピルルから聞いた話は衝撃的な内容だった。そして俺はLV10のボスを倒すまでに決めなければならないことができてしまった。
「おまたせ。かなり待ったか?」
「そうでもないよ。ガンちゃんが来るまで、LV2で兎を取ったあとは、LV5までは私たち三人でもクリアできるからって順番にダンジョンに行ってお金を貯めて第三武器を買うための資金をためてたもの。」
LV2ダンジョンにも行ったらしく、野兎もいるが、桂はさておき幹久も要も上級者だ。特にゲームというものに慣れ親しみまくっているこいつらにかかればLV5くらいは余裕らしい。それでもLV3ダンジョンに行っていた辺りはチキンだが、お金が貯まることに関しては俺も賛成だったのでナイス判断としておく。
「そっか、とりあえず、今からLV6に行って雪兎を取ったらLV8とLV9ダンジョンクリアしちまおうか。」
「了解したぜ。」
幹久が了承してくれたので、俺たちはLV6ダンジョンを3回クリアするとLV8ダンジョンに潜った。以前と同じくらい敵が増えていたのだが、勇者の槍を強化した俺の前にモンスターはあっさりと敗れると、他のメンバーも二回ほどの攻撃で倒せることもあって、10分ほどでLV8をクリアしてしまった。LV2ダンジョンで充分な薬草を拾っていたこともあり、十分な資金を手に入れていた状態になっていたので、きがねなく第三武器を買い。切れ味が落ちるといけないので初期武器を倉庫に預けてLV9ダンジョンへと潜るのだった。
「LV9ダンジョンの敵はやばいな。流石に俺たちだけじゃどうしようもないぜ。」
「そうだね。がんちゃんがんばれぇ。」
「がんちゃん。私のところに敵を通しちゃダメよ。」
後で三人が文句とも声援ともわからない言葉を発しているがそれも仕方がない。以前死ぬために来た時とはちがい、クリアするために来ているにもかかわらず俺がLV6ダンジョンにもう一度潜るのを面倒がったために俺の周りには野兎しかおらず、薬草を使いながらの戦闘にあまり慣れていない俺がちょくちょく敵を後にこぼしてしまっているのだ。
そうはいっても、これだけのモンスターをさばき、後にこぼすモンスターが最低限であることには変わりはなく、普通にプレイすることを考えたら難易度はかなりさがっていることだろう。
俺たちは順調に薬草をまだ十分なだけ残してボスの前へと進むことに成功した。
「やっぱり吸収効果があるとはいえ、そろそろ雪兎無しではきついみたいだね。」
「LV10ダンジョンはLV9とは比べモノにならないくらい敵が強いらしいから、来週は絶対に雪兎を捕まえてこないとね。」
「まぁ外で見ている奴らは野兎がいる状態でLV9クリアとかありえないとか思いながら見てるんだろうからいいんじゃないか?」
「まぁ確かにそうなんだけど、外の人たちは次こそは全クリを期待してたんじゃないかな?」
「まぁ今回は第三武器の切れ味UPのための回だったって納得してもらうしかないさ。」
「どうせだったら、がんちゃんがダイブしない間に俺たちも第三武器の切れ味あげておこうか?本当に来週こそは全クリしたいでしょ?」
「いや、来週も一回切れ味を上げるためにダイブさせてくれ、ちょっとした事情ができたから、それ以外にも色々と準備する必要があるみたいだしな。」
「欲がないね。まぁそれががんちゃんのいいところでもあるんだけどね。でも、ピルルの説明だとLV10ダンジョンの敵を一撃で倒せるのはガンちゃんだけなんだから、ちゃんとガンちゃんの武器もあげておくのは賛成よ。」
いつものようにボスの手前で兎たちの回復を待ちながらできるだけ雑魚モンスターを減らす作業をしてボスのいる場所へと進む。
LV9のボスは俺たちの予想をはるかに上回る強さのボスだった。
「おい、幹久こいつはやばいから、下がってろ。」
「ふざけんな、お前一人でどうにかなるわけないだろ。」
「そうだよ。がんちゃんのサポートのために俺たちはいるんだから、がんちゃんは出来るだけボスの注意を引き付けておいてよ。」
「私の回復もあるんだから、そんな心配しないの。」
三人は今までのボスと同じように考えている様だが、今までの戦闘でも、俺の動きを注意深く見ており、まるでこいつ自体が頭脳をもっており、対策を練っているような気がする。
「やばい。みんな逃げろ。」
俺の声をあげるが、既に遅かった。全員ボスから離れるように移動をしたが、俺とは違いゲーム内の動きではボスの攻撃範囲から完全に逃れることはできなかった。
「キャー。」
最初に狙われたのは、回復役の桂だった。明らかに今までのボスとは動きが違う。ボスも雑魚モンスターも攻撃を加えたキャラにターゲットを向けていたが、このボスはPTの動きを見て、まず倒すべき相手を選択したようだ。桂は俺たちの中でも一番動きが鈍く、薬草もうまく使えなかったために、すぐに死んでしまった。
「コンテニューをするまでにある程度時間がかかるから、しばらくは三人だね。」
「お前らも、もっとボスから距離をとれ、こいつはPTの弱点から攻撃してくるぞ。」
「弱点ってことは、次は要か?」
俺が要に注意を促すと、その考えは当たっていたらしく、今度は要の方に向かって突進してくる。
「ふざけんな。要を簡単に倒させたりしないぜ。」
「うおおおぉぉ!!」
間に合わないと判断した幹久が、ライトウォーリアーのまま要とボスとの間に体を滑り込ませると、盾を使ってボスの攻撃を防ぐ。
「このやろう!!」
要はその隙をついて、銃を構えると、ボスの顔に向かって弾丸を発射する。幹久と要の二人だからこそできたナイスコンビネーションだ。
「俺がこのままボスを引き付ける。その間に、要は距離を取ってもう一度態勢を・・・」
幹久は油断なく薬草を使ってライフを回復させていた。しかし、薬草で回復する以上の攻撃が幹久に襲いかかった。ボスの大きな体につぶされてしまった幹久はゲームから除外される。
「幹久ぁぁぁ!!」
俺は幹久が先ほどまでいた場所に駆け寄ろうとするが、その場所には当然ボスの大きな体があり、容易に近づくことはできない。
「幹久の仇は俺がとってやるよ。」
要はそう言って、距離を取りながらもボスに攻撃を加えていく。しかし、そんな要にもボスの毒牙が迫っていた。幹久と違い防御手段のないスナイパーの要に対して、ボスは無情にも、その鋭い爪を突きたて、要もついにはゲームから除外された。
俺は目の前で起きた三人の死が信じられない。まるで現実としか思えなくなって、頭が真っ白になる。真っ白になった世界に、突然ボスの影が揺らぐ。
※※※※※※※※※※※※
俺は突然何もしらない世界に降り立っていた。
「ガールンド将軍、敵のボスが城壁をやぶって襲って来ました。」
俺はどうやらガールンド将軍という人物に乗り移ってしまったらしい。
「民を見殺しにはできん。第一大隊、何が何でも敵の城下への侵入を防ぐのだ。」
将軍の命令もむなしく、その敵は城下へと侵入し、大型のボスが出てきた。
「第二大隊ワシに続けぇ!!」
俺は体も何も動かせないまま、ガールンドと呼ばれた将軍の中で世界を見て行く。どうやら俺の意識はセイラの世界へ飛ばされ、この将軍の意識の中に入り込んでしまったらしい。
将軍は軍の先頭に立って、大きなモンスターへと走り寄る。近づくにつれ、大きいと思っていたモンスターの全貌が見え、俺はそのモンスターに嫌悪感を抱かずにはおれなかった。
街を襲い、モンスターを引き連れているのは、どう見ても先ほどまで俺が闘っていたLV9のボスだったのだ。
ボスの周りにいた雑魚たちを将軍は槍の一突きで葬り去り、ボスへと渾身の一撃を放つ。
「た、倒したのか?」
※※※※※※※※※※※※※※
将軍の呟きが聞こえたような気がしたが、俺が目の前を見ると、ボスに渾身の突きを放っているところだった。次の瞬間ボスはエフェクトと共に崩れる。
「がんちゃんすごいね。最後の動きなんて、まるで本当の武将みたいだったよ。」
「え?あ、ああ。」
俺の意識がセイラに飛ばされている間に三人はコンテニューしてきたらしく、さらに俺はいつの間にかボスを倒していたらしい。
LV9をクリアした俺たちは、いつも長々と独占してしまったので、今回は素早く終わることにした。
「第三武器を買ってみて思ったんだが、勇者の槍だけやけに効果が高くないか?」
「このゲームの主人公はランサー&アーチャーだったんじゃない?確かに切れ味をプラス10しただけでスタンダードランスを超えるのは異常に優遇されてるね。」
「あほいうな。普通の人間に勇者の槍なんて使えるわけないだろうが、LV9の敵のダメージ考えろよ。連撃してくる敵の一撃くらっただけでライフの半分近くもってかれるんだぞ?」
「そうだね。武道家はあれでも防御力が高いっていう効果があるみたいだから、ランサ―ほど喰らわないからね。やっぱり回避ができる人じゃないとランサーをできる人はいないだろうね。」
「LV10だったら一撃死って可能性もあるんじゃないか?」
「雑魚敵の攻撃を全部くらったら死ぬとかそういう設定になってるかもしれないね。」
「ってことはガンちゃん以外にランサーできないってことかしら?やっぱりがんちゃんはすごいのね。」
「リアルダンジョンに認められた勇者だからな。俺たちもこのゲームの世界に入りたいって思ってた時期もあったが、こうなるとがんちゃん以外が入っても無駄だっただろうね。」
「それなんだけどさ。もう一人リアルダンジョンに入れるっていったらお前らどうする?」
「え?本当?じゃあ、操作慣れしてない桂ちゃんが入るのがいいかもしれないね。俺たちは、ゲームはゲームのまま楽しめるしね。」
「いや、言い方が悪かった。きちんと外に出てから説明するぜ。とにかく今回は倉庫に武器を預けたら一旦ダイブをやめよう。」
俺は三人にそう告げると、さっさと街の倉庫がある場所まで行くとLV10ダンジョンをクリアするために必要な装備をすべて預けてしまった。俺のその様子を見た三人は大事な話があることを理解したらしく、素直に従うと、俺と共にLV10ダンジョンに潜った。切れ味低下の心配がない第二段階の武器だけを持った俺たちがLV10ダンジョンで生き抜くことはできず、俺もわざと攻撃を食らってみたりとどうやったらLV10ダンジョンを攻略できるかを考えながら戦ってみたが、ピルルの言う通り勇者の槍の強力な一撃で敵を倒せるとしたら、次にダイブした時はボスまで行けるだろうということが予測でき、俺たちは現実世界へと帰ってきた。
LV9ダンジョンで一番にしんでいた桂から、服を受け取ると、俺はゲーム機から出てくる。今回での全クリを期待していた周囲の人たちに、第三武器の存在とその効果について説明している幹久と要がいた。二人の説明に、LV10ダンジョンの攻略がかなり難しいものであることを納得した面々は、この二週間でやけに難易度がさがったリアルダンジョンへとダイブしていくのだった。
そんな様子をしり目に、俺たちはゲームで手に入れたお金を持って、また四人でステーキ屋
へと向かうのだった。
「やっぱりLV10ダンジョンの敵をもう少し倒しておくべきだったんじゃないかな?そうすればLV10ダンジョンの難易度も下がって、LV10ダンジョンを誰かがクリアしてくれるかもしれないよ?」
「どあほう。あの敵の多さと強さをみただろ?今までと違って、努力でどうこうできるレベルじゃなかったじゃねぇか。第一、がんちゃん級のプレイヤー抜きじゃあLV10ダンジョンなんて攻略不可能だっつの。」
「そうだね。俺たちだって、正直10匹が限界だったんだもん。たとえ最強武器を99まで強化したとしても、それは変わらないと思うよ。」
「ランサと違って一撃で倒せるわけじゃないから、被ダメが圧倒的に下がるってことはないだろうな。それでも、今の武器をつかっているよりもはダメージを受ける確率が下がるのはまちがいないだろうけどな。」
「それなんだが、お前らでサイトに勇者の槍以外でLV10ダンジョンを一撃でできないって情報は流しておいてくれ、あと、できるだけ俺たちがもっている情報をみんなに公開しておいてくれ。」
「どうしたんだ?別に他人がどうしようが、俺たちがリアルダンジョンを攻略しちまえば平和になるんだろ?」
「そうも言ってられないらしいんだ。実際に俺が倒す必要もあるのだが、それと同時にゲーム事態をクリアする人も必要らしい。現実世界とセイラの世界の二つの場所でボスが撃破されることによって、ふたつの異世界の扉が完全にふさがれるんだそうだ。」
「なるほどね。まぁそいつに関しては、俺たちがなんとかしてやろう。ボスを倒したあとLAを俺たちが取るためにもう一度潜ればいいだけだしな。」
「LV10ダンジョンは確かに俺たちみたいなバランスの取れたPTじゃないとクリアできないのは確かなんだが、俺がボスを倒せば今までのような難易度ではなくなる。普通にプレーヤーがクリアできる難易度になって、しかもそのあと裏面みたいな感じでどっちの攻撃も一撃で死ぬっていうLV10+1ダンジョンってダンジョンに行けるようになるらしい。ここまでは良いか?」
俺が話を一旦区切ると、物わかりの早い三人は頷いてくれる。
「そしてここからが本題だ。さっきダイブを終わる前にもう一人ゲーム世界に来れるといったよな?あの話と関係してくるんだが、リアルダンジョンの向こうの世界はセイラっていうんだが、あの世界も現実と同じように世界があるらしく、ボスを倒したら向こうの世界に俺は引きづり込まれるらしい。そして、こっちの世界には二度と帰って来れないみたいなんだ。」
「そ、それってめっちゃくちゃじゃないか。世界を救った勇者様にそんなことするなんて・・・」
「ああ、俺もピルルにどなり散らしてしまったが、理由を聞いたらしかたがないと思うしかなかったよ。あっちの世界では普通にモンスターとかが生きているらしい。しかしボスなんてものはいなかったんだと。そんで平和だった世界にいきなりこっちの世界との扉が開いちまって狭間の世界にいたボスたちにモンスターたちが操られだしてしまったらしい。」
「ってことはあのモンスターたちも根っからの悪者じゃなかったってことか?」
「いや、向こうの世界でもモンスターは驚異ではあったらしいぜ。まぁそこら辺の細かいことはいいとして、こっちの世界との扉を閉めてしまったら向こうは滅びるしかないってくらいの状況らしくって、俺はそっちの世界も救って欲しいといわれているんだ。」
「なるほどね。リアルダンジョンの世界はこっちと向こうの狭間で、狭間の問題を解決したら今度はこっちの世界も救えってか。」
「ああ、今のところ向こうの世界の将軍たちが一生懸命モンスターの進行を止めているらしいんだが、増加するモンスターにもってあと2カ月といわれている。しかし、俺はできるだけ早く解放してあげたいと思ってるから、再来週にはLV10ボスをクリアして向こうの世界を救ってやろうと思っている。」
「まぁまて、そんなに結論を急ぐなよ。確かに向こうの世界がモンスターであふれちまったらまた同じようにこっちの世界にモンスターがあふれ出してくるかもしれないって考えたらがんちゃんが向こうの世界にいかなきゃって気持ちもわかるさ。でもな、そうなったら残された俺たちはどうしたらいいんだ?」
「とりあえず俺がリアルダンジョンから持ち帰った金を使ってのんびり暮らしてくれよ。」
「いや、そうじゃねぇだろ。がんちゃんがいない人生なんてまっぴらごめんだぜ。」
「そう言ってくれるのはありがたいんだが、向こうの世界に渡れるのは俺も含めて二人だけなんだ。」
「ってことは一人は行けるってことだな。じゃあ、俺が行くぜ。この中で一番武器や装備が揃ってるんだから、当然だろ。」
「幹久じゃ無理だよ。ここは俺が行く。向こうの世界ってのは現実世界と一緒なんだろ?つまりノーコンテニューでクリアしなければ自分の死が待ってるってことだよね?不死身のがんちゃんはさておき、俺たちは決して死ぬことができないんだから、ここは一番敵から離れて攻撃できる俺が行くのが良いよ。」
「まって、それだったら、常に回復ができる私が行くのが一番じゃないかしら?不死身と言ってもがんちゃんも一週間は復活できないんでしょ?だったらがんちゃんが死なないようにフォローできる私が行った方がいいわ。」
「三人ともちょっと待って、確かに向こうの世界に行けるって言ったけど、行かなければならないってわけじゃないんだよ?俺は不死身だから何度だってモンスターに挑戦してなんとか向こうの世界を救って見せるつもりだし、その結果こっちの世界も救うさ。でも、三人を死の危険があるかもしれない場所に連れて行くなんてできないよ。」
「無理だな。だったら俺たちに向こうの世界に行ける可能性から話すべきじゃなかった。俺たちは何があってもガンちゃんについて行くぞ。」
「ああ、もうわかった。じゃあこれ以上は何にもいわない。ただし、向こうの世界にもしついて来ちまった時は絶対に死なないことこれだけは守ってくれよ。」
「もちろんだぜ。」
キャラクター的に一番死亡率の高いウォーリアーをしている幹久が当然のようにして答えたので、そこで話は一旦打ち切りとなった。でそれぞれ向こうの世界にわたっても大丈夫なように準備をして、さらに幹久と要は俺のキャラも含む4キャラの第三武器の切れ味をLV2ダンジョンとLV5ダンジョンに何度も潜って上げたりと準備を進めてくれた。そうして迎えた二週間後、ついに俺たちはリアルダンジョンの世界を完璧にクリアすし、こちらの世界を旅立つ時がやってきた。