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勇者と妖精β


ピーピーピピピピッピ!


「認証番号一致、リアルダンジョンにようこそ。あなたの名前はガンちゃんさんですね?今からリアルダンジョン始まり都市、セイラへ転送いたします。」


おなじみのナレーションだ。後で幹久に聞いたところによると本来のナレーションは全く違うらしく。このナレーションが聞こえたことがダイブ成功したことの証になるわけだ。


「ピルル。出て来い。」


「ここにいるっぴ。それよりも遅いっぴよ。」


「遅くねえだろ約束通りLV6以上のボスを退治して3週間だ。むしろ最短で戻ってきたといっても過言じゃねえ。第一モンスターが現れたのは昨日だろ?俺は今日帰ってきたんだよ。」


「それはしかたがないっぴね。とにかくLV4ダンジョンに溢れたモンスターを倒せば外に出てしまったモンスターたちはリアルダンジョンの世界に帰ってくるっぴ。」


「LV4って確か俺はあそこのボスも倒したぜ?」


「LV4のボスはLAを違う人がとったっぴ。だから勇者様が倒してないからすぐに復活してしまったっぴ。」


「そういう大切なことはちゃんと教えろよ。あと俺の体についても言い忘れてただろ?」


「うちはちゃんとゲーム内で起こったことが現実に影響するって伝えたっぴ。体がどうしたっぴ?」


「俺は男だったんだよ。ゲームから出たら女になってたんだ。そりゃ驚くだろ。」


「そうだったっぴ。それは大変だけど、ピルルたちにはどうしようもないっぴ。リアルダンジョンの世界に慣れればきっと自然になっていくから大丈夫っぴ。」


「全然大丈夫じゃねぇよ。それって俺が女であることを納得しちまうだけじゃねぇか。」


「そういうことになるかもっぴ。とにかく、LV4ダンジョンのボスが残っていたことによってLV3ダンジョンのボスLV7ダンジョンのボス、LV5ダンジョンのボスが復活してしまったから、この四つを倒してほしいっぴ。最悪LV4とLV3のボスを倒せば一週間ダイブできない間にモンスターがそっちの世界に溢れることはないはずっぴ。」


「んなまどろっこしいことしてられっか。LV7は無理でもLV5までのボスは俺が片づけてやんぜ。」


「他に聞きたいことはあるっぴ?」


「たくさんあるけどとにかく今はLV4に早いこと潜らないとやばいみたいだから、このへんで終わりにするぜ。一週間後絶対に詳しく事情を説明しろよ。それまでに俺に何を伝えるか考えておいてくれ。」


「わかったっぴ。うちも勇者様の手伝いができるようにきちんと考えておくから今回はがんばってLV5までのダンジョンを攻略するっぴ。良いダイブをっぴ。」


ピルルの声が遠くなり、本格的なダイブが始まる。俺はセイラに着くと、とりあえずマイクを通して幹久たちの状況を確認する。


「早かったな。そろそろ一回目のLV2ダンジョンが終わる。とりあえず、始まりの街に戻るから倉庫に武器を取りに行っておいてくれ。」


「解った。ところで桂も一緒にいるのか?」


「ああ、お前が合宿に行く前に説明できたらよかったんだが、良い報酬のバイトって言ったら引っかかってくれたぜ。」


「ちょっと、そんなこと言ってないでしょ。あんた達が困ってるっていうからバイトを削ってゲームするからバイト代分くらいはもらってるけどさ。」


「悪かったな。これが終わったら今までの分も含めてバイト代だしてやるから安心しとけ。」


「そ、そんなのは良いわよ。私はガンちゃんが困ってるって聞いたから手伝ってるんだしさ。」


「マイク越しにラブラブしてないで回復してくれよ。」


「ラブラブなんてしてないわよ。ほら、これでいいんでしょ?」


「サンキュ。桂ちゃんも結構操作に慣れてきたじゃん。」


「二週間毎日やってれば誰だってなれるわよ。」


どうやら俺が合宿に行っている間ずっとこいつらはダイブしていたらしい。このゲーセンでは有名人になった二人が一緒ということもあって、かなり強引に何度もコンテニューして迷惑をかけてしまっていたかもしれないが、それも平和のために仕方ないだろう。


「武器は手に入れたぜ。事情が事情だから何度もLV2に行ってからなんて優兆なことはできないから、俺の持ってる薬草全部やるから戻ってきたらすぐにLV4に潜るぞ。」


「はぁ?LV4なんて私行ったことないわよ。」


「問題ない。俺一人でも正直クリア可能だからな。とにかくのんびりしてられないんだ。」


俺がそう言うと、ちょうどLV2ダンジョンをクリアし終えた三人は第二の街からセイラへと転送されてきた。


「ちょっと、事情の説明もなくいきなり行ったこともないダンジョンなんてありえないわよ。」


「事情はLV4に入ってから説明するから、さっさと行くぞ。」


LV4ダンジョンに入ると確かにモンスターがあふれださんばかりにひしめいていた。俺がスタンダードランスで薙ぎ払いをすると、突きもしていないのにモンスターたちは死んでいくのをみて、ようやく桂も俺がいれば問題ないといった意味を理解したらしい。空から飛んでくる敵には、新しくスナイパーとなった要が撃ち落として、少なくなったところをこちらも俺と一緒で切れ味がLV4ではありえないほど着いている武器を手にした幹久が掃除していく。


「ネズミあんたそんな武器を隠してたのね。」


「世界の平和を守る戦いまでにミスって死んじまったら問題だからな。」


「昨日まで使ってた武器はどうするのよ?」


「また今度誰か欲しがってる奴にでもくれてやるよ。あれだって一応かなり切れ味がついてるからな。」


「ねぇ、私が来たこともないすっごいダンジョンなはずなのに、私ヒールしなくても野兎の回復で十分回復してない?」


「一応ヒール頼むよ。俺たちの目指している場所はもっと上だから、今のうちに薬草のためのお金を貯めないといけないからね。」


「了解。じゃあいつも通りライフが減ったらすぐヒールでいいのよね?」


「そういうこと。」


俺たちがLV4ダンジョンに潜った時にはあれほどあふれていたモンスターたちが20分もすると随分と減ってきて、ついにボスまでたどり着いてしまった。


「幹久、こいつってどうやって倒すんだったっけ?」


「ガンちゃんが接近戦でチクチクやって俺が光玉つかってズバッと切り裂く方法だったはずだぜ。」


「悪いんだけどLAだけは絶対に俺にくれないか?LA俺がとらないともう一度LV4ダンジョンをやり直すことになるからな。」


「そういうことか、だから約束の期限を守っていたにも関わらずモンスターが現実の世界に出てきたんだね。」


「そういうこと。前回は偶然LAを要がとっちまったから、それでLV4が生き返ってこんなことになっちまったんだ。」


「了解したよ。」


ボスのライフが減るまでは前回と同じように攻めようと思ったが、武器の切れ味が半端なくあがっていたため、ほとんど一人で倒してしまった。


「ふぅ。これでとりあえず外の世界は安心のはずだぜ。次はLV3ダンジョンだな。」


「ちょっと、LV4ダンジョンに入ってから説明するって言っておいて、全然ちゃんと説明してくれてないじゃないの。きちんと説明してよね。」


「あ、わりい。敵を倒すことに集中して説明してなかったな。」


俺たちは街にでて鍛冶屋で武器を鍛えながらピルルから説明された今の状況を説明した。LV4ですら簡単にクリアできたので、LV3ならそれほど難しくないだろうということになって、LV2に行って兎を取ることもせずに俺たちはLV3ダンジョンに潜るとLV4と違い敵の数もそれほど驚異というわけでもなかったので、10分ほどでクリアしてしまった。


「しかしお前ら二週間でよく切れ味30の武器を作れたな。」


「そんなに難しくなかったよ。前と違って第二武器が限界値まで行っている幹久がいたからね。幹久をガンちゃんのポジションにして、俺が幹久の代わりに中堅守って後ろから桂ちゃんが回復をしてくれたらLV3ダンジョンくらいまでは結構サクサククリアできたんだよ。」


「もちろんLV2に三回潜って野兎を取るのは忘れなかったぜ。」


「なるほどな。しかしおかげで今回もLV7ダンジョンがクリアできそうだぜ。外の奴らをうならせるためにはLV8もクリアしたいところだがな。」


「そうだね。できればLV8をクリアして今の上級者たちに並ばないと流石に独占し過ぎたから示しがつかないね。」


「ん?てことはLV8をクリアした奴はいるのか?」


「一応ね。LV6と7ダンジョンの難易度が下がった影響で今までLV6でくすぶっていた上級者たちがLV8までたどり着いたんだよ。でも最近またLV7の難易度があがってミスって死んで武器の切れ味が落ちたって話を聞くけどね。」


「ああ、さっきも言ったがLV3457のボスは復活しちまったみたいだからな。」


「それじゃあ仕方がないね。」


俺たちはそんな会話をしながらも全員の武器が鍛冶屋で鍛えられたのでLV5へと向かう。桂と要の武器は、結構お金が必要になったが、薬草を節約できる分お金に余裕があった幹久が売れる武器を渡してことなきを得た。


LV5の敵も俺と幹久からしたら既に雑魚認定してもおかしくないくらいの状況となってお

り、サクサクと倒してボスまで着くと、LAをとるため、外で見ているだろうギャラリーのためにと俺が一人で倒すこととなったので、ボスをうまいこと撹乱して倒して見せると、マイク越しに幹久からそとでは拍手喝采だったと教えてもらう。


「とりあえず、LV345とクリアしたから外の世界にモンスターがあふれるという一番の危機は去ったが、LV7をクリアするにはちと荷が重いよな?」


「そうだね。鍛冶屋で武器を鍛えたいっていうのもあるし、このままLV6に乗り込むのはどう?四回行けば雪兎四匹でLV7なんてガンちゃんがいれば簡単にクリアできるんじゃないかな?」


「じゃあ桂と要の武器を鍛えるためにもLV6を四回行くとするか。薬草が足りない奴はいないか?今なら配ってやるぜ?」


元々自分でライフを回復できる桂は必要なかったが、武器にまだ吸収が付いていない要が欲しいといってきたので、要に今持っている薬草を全部あげる。LV4がモンスターであふれていたので大量の薬草が手に入っていたため、要がこんなに入らないと言ったので、一応ということで桂に一束上げた。桂はマイク越しに嬉しそうにしていたのでそれもいいだろう。

LV6に関しては前に三回もクリアしている俺たちがいるし、前とは違い後ろで回復をしてくれる桂もいたのでかなりサクサクと4回クリアしてしまい。1時間ほどでLV7ダンジョンに潜れる状態へとなった。


LV6ダンジョンに四回も行き、鍛冶屋で武器を鍛えた俺たちにとってLV7ダンジョンはもはや脅威とはなりえず、LV7ダンジョンもサクッとボスまでたどり着き。ボスの影響でモンスターが増えていたこともあり、俺の薬草の数は大量にあったのでランサーのまま薬草を大量に使いながらボスに突貫したら、意外とあっさりLAも取ってLV7をクリアしてしまった。ボスに突っ込む時はそろそろ終わってもいいかなという気分だったのだが、薬草とビショップのヒールがあれば捨て身攻撃も可能だという変な攻略方法をおしえてしまう結果になってしまった。


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