サンタクロースへのクリスマスプレゼント
メリークリスマス、世間はクリスマスだ。
「さてさて、お爺さんそろそろ仕事の時間だよ」
「婆さんや、ワシはそろそろ引退しようと思うのじゃ」
「お爺さん、子供達がプレゼントを待っているでよ」
「婆さんや、もうワシは疲れたのだ、最近の家には煙突が無いし窓から入ろうにも防犯で鍵が閉まっておるし」
「そう言えば、最近物騒ですからね」
「そうなんじゃ、去年なんか裏口が開いていたから入ったら、親に遭遇して強盗と間違えられて追いかけ回されたしのぅ」
「でも、まだサンタクロースからのプレゼントを楽しみにしている子供達は沢山居るのでは?」
「昨日空から下を覗いてたら、親が子供にプレゼント何が良いって聞いたら何と答えたと思う?」
「そうですねぇ、男の子ならプラモデル、女の子なら人形かしら?」
「それがのぅ、昔ならそうかもしれなかったが、現金が欲しいと言ってたんじゃ、それもゲームに課金するからと」
「あれまぁ、時代の流れは怖いですね」
「もう、ワシは引退しようと思うんじゃが、退職金は出るのかのぅ?」
「そうですね、退職金出たら折半にしてこれに印鑑押して下さいね」
そして、お婆さんは離婚届けを差し出して荷物を纏めて出て行った。
「おーい、何故じゃー」
「364日家でゴロゴロしていて、クリスマスの1日だけ仕事行って、あんたの顔に飽きたんですよ、
私からのクリスマスプレゼントですよ」