仕事の時間だ4
中々遅れてしまった
拝啓、天国の母へ、今、私は大きな蛇と戦っています・・・
「いや、どうゆうことやねん!」
「何言ってるんですか!避けないと死にますよ!」
何なんだよあの蛇!異常な範囲の毒に氷と炎のブレスって、イかれてんだろ!
「シャアァァァァ!!」
「ヤバい、ブレスだ!伏せろ!」
「うわぁぁぁ!」
クソッ!どうやってあの攻撃避ければいいんだよ!
「『水壁』!」
「シャアアアア!!!」
意味ねえ!!あの蛇、鱗も固すぎて攻撃が通らないんだよなぁ
「『大滝打ち』!」
「シャアアアア!」
効いてねえ!!
「あの!口の中とか柔らかかったりしませんかね!」
「柔らかいのは確実だろうが中に入る暇がないんだよおお!!」
爆弾かなんかがあれば口に投げ込めるけどよぉ、そんな都合のいいものがここにあるわけ・・
「・・・おい!下層にあった壁の石って持ってるか?」
「え、高く売れそうだったから頑張って爆発しないように取りましたけど・・」
奇跡だっ!!
「それを寄越せ!」
「ええ!?嫌です!帰ったら売るんです!」
「こいつ殺さなきゃ帰れねえから!はよ渡せ!」
「くぅぅ、背に腹は代えられないか・・どうぞ!!」
いい判断だ!冒険者ポイント100点あげちゃう!
「『片翼一蹴』!」
「と、とんだぁ!」
土に還って死ねぇぇぇ!!
「オラッ!」
あの石は、衝撃を与えすぎると爆発する!つまりあの速度で投げたら・・・
「ギャァァァァ!」
「内側から爆ぜるよな!!」
「衝撃波がこっちまで来てるんですけどおおおお!!」
威力イかれてるからな、一応助けといてやるか
「『水壁』」
「うわっ!・・助かったぁ~」
よしよしボスは何とか倒せたか?
「シィィィ・・・」
「え!?まだ生きてますよ!?!?」
「しぶとすぎだろこいつ、攻略させる気ゼロじゃねえか」
でもだいぶ弱ってんな、もう鱗もボロボロだし普通に攻撃通るだろ
「よし、お前が後はやれ!」
「何言ってるんですか!無理ですよ!僕にそんな攻撃力ないです!」
「やれっ!」
「うぅぅ・・・『反転の生』!」
え、何そのスキル
「シャア・・・」
サラサラと蛇の体が崩れていく・・・まるで砂のように・・
「は?消滅?」
「い、いえ、生きるという行為を反転させたんです・・」
なんだそれ、ただのチートじゃねえか
「え、無条件発動?」
「条件はありますけど・・発動対象が少しでも生きる意志を失ったら発動できます」
ようするにほぼ無条件じゃねえか、感情がない奴くらいしか耐えれねえじゃん
「ひどすぎるなそのスキル」
「で、でも使うの怖いし・・魔力の消費量も多いし・・」
「どれくらい使うんだよそれ・・」
「対象の大きさと強さで変わります」
「え?あの蛇30メートルくらいあったんだが・・」
「はい、めちゃくちゃ疲れました」
やっぱ頭おかしいぞこいつ、魔力量もぶっ壊れてやがる・・
「そ、それより、報酬を受け取りましょう!」
「あ、ああそうだな」
えっと、報酬はあの蛇が死んだところに・・・
「あった、えっと、そこそこの魔剣と・・杖かな?」
「杖があるんですか?」
「ああ、いる?」
「ください!僕、いままで武器が短剣しかなかったので・・本当は魔法のほうが得意ですけどね」
もうこいつ意味が分からん、魔法使いが杖なしかつ短剣でダンジョン突っ込むってなんだよ
「お前どうやって生きてきたんだ・・」
「えっと、商店街とかで働いてました」
「・・・そうか」
もういいや、疲れたし帰るとしよう
「ほら、奥の魔法陣で帰るぞ」
「はい!」
謎の新人君
詳細 名前は次の話で明かすつもりだよ、もともと有名な魔法使いの子供として生まれたけど、親の魔法使いが魔族に殺されてしまったから、孤児院に預けられて育った。魔法の才能があったけど、訓練とかを一切してなかったので魔法は使ってなかった。けど、お金が必要になったからダンジョンに潜っているときに、魔物に遭遇して、初めて魔法を使った。自分が魔法を使えることに気づいた新人君はそのまま中層まで潜っていたらたまたまルークと会った。