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彼女は青空に臨む。  作者: 叉都
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序章

「夕岐ー。準備できた??」

「できたもなにも待ってたんだけど。」

本を片手に、冷たい口調で夕岐は答える。

「今日から新しいクラスかぁー。どきどきするね!」

そう!今日から俺たちは中学2年生!!遊ぶのも今年がピーク。

明るく問いかける俺に対して、夕岐は、

「別に。」と適当に返事を返す。

本を目で追う姿は、もう見あきてしまった。

夕岐は、本をパタンと閉じる。

「夕瑚、行くよ。」

そう呼ばれて車に乗った俺たちは、スクールバス停へと向かう。

いつも通りのリズムで刻まれていく俺たちの中学校人生。

これがいいのか悪いのかわからないが、楽しいことは確かだった。


「千秋ぃぃ!おはよぉぉぉ!」

「・・・はよ。何だお前そのテンションは。」


バス停につくと、幼馴染の千秋は今朝の夕岐と同じ目で俺をみる。

「こいつ朝からうるさいの。なんなの。」

夕岐は、イライラして貧乏ゆすりをし始める。

「おいこらぁ!!お兄ちゃんに向かってなんて口を!!」

「1分ぐらいの差でお兄ちゃん気取りしないでよ。」

俺の言葉に夕岐は上乗せしてくる。

「お前らも変わった双子だよな。ほんと。」

千秋はあきれたような溜息をついた。と同時にバスが来て、俺たちはバスに乗り込んだ。


***



「・・・・・。いやだ。」

夕岐は新学期そうそうすべてを闇に変えそうな目で俺のクラスへ来た。

なんというか・・・・ボロボロ?

「どしたの?」

教室の入り口の前で倒れこむ夕岐を起こすと、

「千秋に女子がまとわりついて・・・。」

「お前も女子だろ。」

「そこじゃないよ。」

夕岐は制服についたほこりをパンパンとたたき落とすと、

「2-1、最悪。」

とつぶやいた。

「千秋いるじゃん。」

「ごらんの通り。」

夕岐はイライラするのが趣味なのはしっていたけど、とかいうとまた「違う。」と目力で殺されそうになるので口には出さなかった。

俺はその光景を見てみたいという願望に刈られ、「えー。」と拒絶する夕岐の腕をつかみ、

万全の態勢で2-1に向かった。


「千秋くんって医者になるの?きゃははー」

いや、医者のこどもだけどもね!!

心の中で答える。

「夕瑚がこたえてどうすんの。」

テレパシーだ!テレパシー!!

「違うから。」

夕岐はあきれ顔で呟いた。


千秋は今にも死にそうな顔をしている。

「千秋・・・。大丈夫かな。」

「大丈夫でしょ。医者の息子だから。」

「いやそれ関係ない!!」

ごだごだ夕岐と言いあっているうちに、

「わーーーーー!!」

千秋がとなりにいることに気がつかなかった。

おかげで大声でさけんでしまった。

「おつかれさまです。千秋様?」

隣から迫ってくる黒い影に、とっさの言葉。

「なんで助けなかった!!」

「なんで俺なの?!夕岐は?!」

首を激しくゆすられて声がうまくだせない。

ふと隣をみると夕岐はしれっとして窓の外を見ている。

「夕岐ぃぃぃぃぃ!!」

最後の力を振り絞り、夕岐助けをもとめた。






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