制服姿
◇◇◇玲奈がゆく◇◇◇
「綾織さんって、
この制服を着る為に生まれてきたみたい」
紺色のブレザーとチェックのスカート
ネイビー系のリボンと水色のカーディガン。
その色白な肌が生える。
ポニーテイルにした髪が
颯爽とした雰囲気を際立てる。
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今日からお弁当が始まる。
朝早く起きて、母のお手伝いをする。
母と二人暮らしだった頃、忙しい母との貴重な時間として、早起きして一緒に朝ご飯とお弁当を作っていた。
義父は、早番なので7時半には出かけていった。愛妻弁当を持って。
お弁当を作り終え、母と一緒に朝ごはんを食べていたら、お姉さんがパジャマのまま起きてきた。
「摩耶ちゃん、おはよう」
「おはようございます」
「今日から学校ね」
お味噌汁をよそいながら、母が言った。
「はい」
「お弁当もあるから持って行ってね」
「ありがとうございます。
でも、そんなに気を使わなくてもいいですから」
「気を使ってるとかではないのよ。
食べてもらえたら嬉しいの」
「遠慮なくいただきます」
淡々と会話するふたり。
3人とも、まだ居心地悪い。
お姉さんは、すごい勢いで食べ終わり、自分の食器を洗い出した。
そして、洗面所に行き、歯を磨き顔を洗って部屋に戻って行った。
私も後に続き、歯磨きと洗顔をする。
そして、安物の化粧水をつけて、部屋に戻り制服を着る。
持ち物を確認したり、鏡で自分の姿を確認したり。
リビングに戻り、お弁当をリュックに入れていると、お姉さんが部屋から出て玄関に向かう足音がする。
「摩耶ちゃん、お弁当」
母が大きな声で言うが、戻ってこない。
私は、お姉さんの分のお弁当を掴んで、玄関に急ぐ。
「はい、お弁当です」
「ああ、ありがとう」
そこには、
初めて見る制服姿のお姉さんがいた。
私は息を飲んだ。