文房具コーナー
◇◇◇玲奈がゆく◇◇◇
玲奈は、中学校のお友達と本屋さんの文房具コーナーに行った。高校生活に向けて新しい文房具を買いにきた。
文房具って大好き。
新学期って、何もかも新しくなるからテンションあがるね。
新しいペンケースにシャープペンシルや消しゴムを購入。
その後、中学校のお友達とちょっとお洒落なカフェに寄る。
フルーツと生クリーム盛り盛りのパンケーキを食べた。
こうして中学校のお友達とキャーキャーお喋りするのも、あと少し。
寂しくなる!
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翌日もその翌日も、お姉さんは何も言わず出かけて行った。
母も義父も、翌々日から仕事に出かけて行って、私は一日中新居で留守番。
地下鉄の次の駅の近くに、本屋さんがあるはず。グレーのスカートにピンクのカーディガンを羽織って、私はひとりで出かけた。
私は、小説を書いたり、漫画やイラストを描いたりするのが好き。
タブレットが欲しい。
でも、もう少しお金を貯めないと。
本屋さんとか文房具コーナーが好き。
この日は、漫画を描くための原稿用紙とミリペンとスクリーントーンを買いに来た。漫画専用原稿用紙は高いので、上質紙にした。
お小遣いも少ないので、最低限を購入してレジに並ぶと、意外な人を見つけた。
お姉さんだ。
意外だった。
ガッツリお化粧もして、イケイケな雰囲気を醸し出していたから、コンビニとかカラオケ店とかでバイトしているのかと、勝手に思っていた。
お姉さんのレジとは違うレジに案内されたが、お姉さんは、私に気付いた。
私の買った商品をみて、
「莉乃ちゃん?
もしかして、漫画とか描くの?」
と話しかけてきた。
「はい。下手ですけど」
「今度見せてね」
明るい声で私に話しかけ、その後自分のレジに戻っていった。
そして、大学生位のバイトのエプロンをつけた男の人と、キャッキャッと話している。
長身のお姉さんは、そのバイトの男の子より背が高くみえ、目立っていた。
美人で、背も高く、明るいお姉さん。
それに比べて、身長も低くて、どこにでもいそうな顔で、どちらかというと陰キャな私。
血が繋がっていないとはいえ、血が繋がっていないからこそ、正反対の姉妹だ。
私は、さらに自信をなくし、自分が嫌いになりそうだ。