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ある意味前妻が乗り込んできた

◇◇◇玲奈がゆく◇◇◇ 


 玲奈は、安西先輩とは同じ部活の先輩後輩よと、自分に言い聞かせて弓道に励んだ。


弓道部が苦境に追いやられたおかげか、玲奈だけではなく部員全員が存続に向けて熱を帯びてきた様な気がする。


いつのまにか結束が固くなっている。

玲奈はそれが一番嬉しかった。


でも、一年生はまだ弓を引かせてもらえない。

フォームや動作の形づくりの為のゴム弓での練習が始まった。

安西先輩の指導の元、延々と練習は続く。


玲奈、形に集中するのよ!


でも、ある人物に見抜かれていた。

岩瀬 春斗だ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 義父の元妻そしてお姉さんのおかあさんは、そのまま踵を返して、お姉さんに腕を掴まれ部屋に入る。

ドアを閉めた途端に、怒号が響き渡る。


「あんた、まだクヨクヨしてるの?

いつまで、そうしているつもりなの?

馬鹿じゃないの!」


お姉さんも負けじと声を張り上げる。


「お母さんに、何がわかるのよ。

私は大怪我したんだよ」


「さっさとリハビリして治せば良いだけの話でしょうが」


「もう前みたいに戻れないかもしれないんだよ」


「だったら、前に戻れるように考えれば良いだけの話じゃない」


「そう簡単に言わないでよ」


「アスリートは、コートの中にいてなんぼなんじゃないの?」


「私はマシーンじゃないんだよ」


「マシーンの方がまだマシよ。

いいから何も考えないで、コートに立てばいいのよ」


「今更何言ってるのよ!

お母さんなんて、私が壊れたからってさっさと捨てて、家を出ていったくせに!」



バチンという音が響いた。



義父が耐えかねて、お姉さんの部屋を開けた。


「ふたりとも、いい加減にしてくれ!」


そう言うと、


「うるさい!わかってるわよ」

「うるさい!わかってるわよ」


声がハモった。


お姉さんは、明らかにお母さん似だ。



 


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