ふたつ目の事件
◇◇◇玲奈がゆく◇◇◇
玲奈は、いつの間にか安西先輩と一緒にいるとドキドキしていた。
でも、安西先輩には彼女がいるらしい。
なんだか切ない片思い。
それでも、安西先輩は、私によく話しかけてくる。
嬉しいけど、なんだかぎこちないかしら。
そんなある日、玲奈は、3年生に呼び出された。
「あなた、安西くんとどういう関係?
安西くんには、早紀っていう彼女がいるんだから」
馬鹿らしいと思いながらも、安西先輩とのお喋りを意識してしまった。
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お姉さんは、これからどうするのだろう?
私が思うに、部活に戻りたいと思っている。
何を迷ってるんだろう?
でも、たしかに、まだ足を引きずって歩いている。
怪我の治り具合が悪いのだろうか?
それとも、お姉さんが言っていた恐怖心なんだろうか?
翌日も早くに帰ってきていた。
そんな土曜日の夜、また事件が起きた。
義父は早番で夕方には帰宅していた。
お姉さんは、まだ部活には復帰できていない。
お昼頃少し出かけて、その後は部屋から出てこない。
これから夕食という時に、チャイムが鳴った。
義父がインターフォンに出た。
そして、低い怒ったような声で、
「何しにきた?
ここは、君の来るところじゃないだろう?」
こう言った。
私と母は、少し緊張した。
インターフォンから、こう聞こえてきた。
「あの子に会わせて!
ブロックされてるのか、電話にも出ないのよ」
女の人の声だ。
義父は、お姉さんの部屋に呼びに行った。
そして、お姉さんが玄関を開けた。
「お母さん、何でここにいるのよ?」
「あなたに話があるのよ」
そう言って、ズカズカ家の中に入ってきて、私と母の方を向いて、
「申し訳ありません。
私が、ここに来るべき人間ではないことは重々承知しています。
すぐにお暇しますので」
そう言って、深々と頭を下げた。
前妻が乗り込んできた。
のには違いない。