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落ち込む姉妹

◇◇◇玲奈がゆく◇◇◇ 


玲奈が保健室に連れ添った鼻血を出した女の子が、


「私、弓道部もう辞める。

弓道やる為に入ったのに、こんなことで怪我するなんて。

ただでさえサッカー部の罵声も嫌だったのに」


と泣きながら言った。


玲奈は「そんなこと言わないで」とさえ言えなかった。


その後、弓道部とサッカー部の話し合いが行われた。

弓道部は、サッカーグラウンドの一角でのトレーニングが禁止になった。

ボロボロ弓道場の使用禁止も検討されるという。

打つ手はもうないの?

このまま廃部の可能性もあるとか?



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 1時間程して、優香さんとツムギ君とソウタ君が帰り際、キッチンで母の手伝いをしていた私に、


「莉乃ちゃん、摩耶のこと助けてくれたんだね!

ありがとう」


そう言って、優香さんが泣きながら私に抱きついてきた。

私もまた涙が出てしまった。

ソウタくんとツムギくんが、交互に頭をポンポンしてくれた。



 3人が帰ってすぐに、義父が帰って来た。

母から話を聞いたらしく、心配した義父はお姉さんの部屋に入っていった。

今日は静かに話している。


 その後も、お姉さんは部屋から出てこない。

私はお風呂に入り、部屋で明日の準備をしていた。

まだ落ち着かない。


すると、誰かが私のドアをノックした。


泣き腫らして目を真っ赤にしたお姉さんだった。


「さっきはありがとうね!

怖い思いさせちゃって、ごめんね」


「お姉さんこそ、大丈夫ですか?」


「うん。大丈夫」


そう言って、ツムギ君がバイト先でもらったドーナツをくれた。 



 ベッドに入るが眠れない。

お姉さんのすすり泣く声も聞こえてくる。


 私は、ミルクを温めてマグカップに入れ、お砂糖も入れた。

眠れない時、母がよくやってくれた。


 お姉さんの部屋をノックする。

すぐにドアが開いた。


「お姉さん、ミルク大丈夫ですか?」


「うん」


「私も眠れないので、ホットミルク作ってみました」


そう言って、マグカップを1つ渡した。


「ありがとう」


と、お姉さんはマグカップを受け取った。

そして、


「莉乃ちゃん、私の部屋で少し話さない?」


 初めて入るお姉さんの部屋。

それなりに片付いてはいるが、まだ開けていない段ボール箱が3つ積み重ねてある。


私をベッドに座らせて、お姉さんは勉強机の椅子に座る。

ホットミルクを2人ですする。





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