表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/33

親の再婚ってー1

莉乃はさえない中学生だった。中学校卒業と同時に、親が再婚し苗字まで変わってしまう。

そんなさえない自分とは正反対のヒロインを作り上げてウェブ小説を書き始めた。

そして、義理の父と姉との生活が始まる。

一緒に暮らし始めたお姉さんは、莉乃の理想のヒロインそのもの?ていうか、どんどん超えてくる。

そして、莉乃にも変化が…

笑いあり、感動あり。

真実は小説より奇なり的な(どちらも小説なんですが)

◇◇◇玲奈がゆく◇◇◇


玲奈の父は、市立病院の内科医。

休みの日でも病院から連絡があれば、率先して出かけていく熱血漢だ。


母は、趣味でフラワーアレンジメントをやっている。

今や、先生と呼ばれている。


そして、5歳年下の弟がいる。

まだまだやんちゃ盛りだが、玲奈には懐いている。


笑いの絶えない家庭だ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 私は、父をほとんど覚えていない。

母がモラハラ夫から逃げるように家を出たのは、私が4歳の時。

やっと離婚が成立したのは、5年程前だ。


 母はいつも仕事を二つ掛け持ちしていて、家にいなかった。

それでも、生活は苦しかった。


私は、お金のかかる部活とかには入ったこともなかったし、

学校の友達との遊びも断ることが多く、

友達も少なかった。

私は、大人しくてダサい、きっとそんな中学生だった。


母が仕事で忙しかったので、私は小学生の頃から、よく家事を手伝っていた。

料理も嫌いじゃない。

母とは、仲も良かった。



 そんなある日、母から、以前から付き合っていたパート先の葛城店長と一緒に暮らしたいと言われた。


その葛城店長とは2年程前に紹介され、何度か一緒に出かけたりしたこともあった。

ここ2ヶ月程はよく泊まりに来ていた。


40歳のぽっちゃり体型で眼鏡をかけた、大人しそうで穏やかそうな男の人だった。

でも、男の人と暮らしたことがない私は、少し嫌だった。

母が楽しそうだったので、我慢していた。


 そして、あれよあれよという間に結婚の話が進んだ。

私の高校進学に合わせてくれたらしい。

新居で一緒に暮らすことになった。

そして、

その時、私に、一歳上のお姉さんができた。



 私は高校進学のタイミングで、小林という普通の苗字から、新しい苗字に変わった。


葛城(かつらぎ) 莉乃(りの)


抵抗があったが、しょうがない。

でも、まあ、少しカッコいい苗字だし。

ただ、呼ばれて反応できるのか不安。



 中学校の卒業式が終わり、3月の末に、私達は引っ越した。

新しい家は3LDK。

4階建の少し古い建物の2階。


最寄りの地下鉄駅まで歩いて15分位。

近くにコンビニがあるだけで、周りは住宅地だ。

買い物は、地下鉄駅直結のスーパーまで行かないといけない。



 私の部屋は5畳程。

母と暮らしていた時は、私の部屋はなかったので、少しランクアップした気分。

ベッドも買って貰えた。

小さいがクローゼットも付いている。

母と二人暮らしの家には、それすらなかった。



 そして、私の部屋の向かいのドアは、まだ見ぬお姉さんの部屋。

私の部屋より少し広め。

今日はバイトがあるということで、まだいない。


 自分の部屋の荷解きをした。

荷物も少ないので、すぐ終わった。

その後母の手伝いで、食器などを並べる。


夕方になり、買い物に行くという母と義理の父となった葛城店長。

その間、私はお留守番だ。

タオルやお風呂セットの荷解きをする。


 両方から持ち寄った荷物で、棚や引き出しに収納しきれない。

どうするのだろう。


そんな事を考えながら荷解きしていたら、鍵の開く音がした。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ