私がマネージャー?ー2
◇◇◇玲奈がゆく◇◇◇
玲奈が弓道部に入って2週間になろうとしていた。
弓道部の部員は20人になっていた。
一年生はロードワークと筋トレからだ。
毎日毎日、体力作りの日々だ。
この時点で、一年生の半分以上が脱落した。
弓道にロードワークや筋トレが必要とは思わなかったのだろう。
玲奈は、辞めていく一年生を引き止めた。
安西先輩は、
「軽い気持ちで入部してきた奴らは、皆ここで脱落するんだよ。
淘汰されたと思って諦めよう」
軽く言う。
玲奈は思った。
私はどうなの?
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ツムギ君が弓道部って意外だった。
クシャクシャのちょっと長めの髪の毛に、女の子みたいな喋り方。
なんか頼りなさそうな印象だった。
お姉さん達のお喋りがダダ漏れなのを気付かれないように、
夕飯の時に、何気に聞いてみた。
「お姉さん、私マネージャーやらないかって言われたんだけど、どう思いますか?」
「いいんじゃない!
マネージャーって大変そうだけど。
莉乃ちゃん、しっかり者っぽいから。
何部?」
「弓道部です」
「ツムと一緒だ。
N高の弓道部、結構強いよね。
うちには負けるけど」
H高の弓道部は常勝軍団だって、沙也加ちゃんが言ってた。
「H高の弓道部は、全国大会常連だからね」
「ツム君って、凄いんですね。
そんなチームにいるなんて」
「特待生だからね。
弓道部で特待生って珍しいんだよ」
「特待生って何ですか?」
「入学金免除、授業料免除ってやつ」
「えー!凄い!
それなのに、バイトしてるんですか?」
「まあ、色々あってね。
家庭の事情ってやつかな」
なんだか聞けない雰囲気だった。