弓道部に入部?
◇◇◇玲奈がゆく◇◇◇
玲奈は訪ねた。
「私弓道なんてやったことないけど、そんな私にもできるの?」
「弓道部って、中学校にはないから、ほとんど皆初心者だよ」
と安西部長。
「安西部長や僕みたいに中学生の時から、市の弓道教室に通ってる方が珍しいんだよ」
と春斗が言った。
「おじいちゃんとか多かったよね!」
と、二人が笑った。
やってみてもいいかなと、玲奈は思った。
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私は、沙也加ちゃんと弓道部の見学に行った。
私みたいにただの憧れだけで来た人が多いのか、今年の弓道部の入部希望者は20人以上。
弓道とは?とか、
練習の流れは?とか、
購入しなければいけない物は?とかの説明があった。
N高の弓道部は、地元でも3本の指に入る学校だ。
なので、もともと部員も多い。
常に1位は、お姉さんの学校だ。
結局、新入生は経験者優先になった。
沙也加ちゃんは優先的に残った。
それでも、初心者でも頑張りたいという人がほとんどで、数名は考えてみますと言って去って行った。
私は、説明の時点で心が萎えていた。
スポーツとかやったことのない私なんかにできるの?
お金も掛かりそうだし。
「沙也加ちゃんって経験者だったの?」
「中学生の時に少しだけね」
やっぱりやめておこうかなと思った私は、なんだか沙也加ちゃんと気まずい。
せっかくできたお友達なのに。
その時、
「もしマネージャーやってみたいっていう人がいたら、残って下さい。
もしかしたら、選手の起用もありますので」
と、部長らしき人が言った。
ひとりの女の子を残して、ほとんどの人は帰って行った。
帰ろうとした私を、沙也加ちゃんが引き止めた。
「莉乃ちゃん、マネージャーやってみようよ」
「うーん!どうしよう」
そこに、3年生の上田部長がやってきた。
「やってくれると嬉しいなー」
と言われてしまった。
上田部長は、少しくせっ毛で男らしくイケメンだった。
「考えてみます」