目立つ存在
◇◇◇玲奈がゆく◇◇◇
玲奈の周りには、人が集まってくる。
男の子にも女の子にも人気がある。
高校に入学してからは、休み時間に他のクラスの子達が教室に、玲奈を見にくる毎日だ。
中学生の時は、毎朝の登校時知らない生徒からも挨拶され、時にはプレゼントを貰うこともあったが、断るようにしていた。
目立つ存在だ。
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紺色のブレザーで、襟には白いラインが入っている。紺系チェックのスカートに、ネイビー系のリボンと水色のカーディガン。
意外と色白の肌、
目鼻立ちも整っている。
そして、なにより、
その長身とスタイルの良さがシュッとしていて、颯爽としている。
私は見惚れてしまった。
私のヒロイン綾織 玲奈そのものではないか!
お姉さんが家を出た数分後に、私も家を出る。
私の通っているN高は、地下鉄で3駅。
そこから歩いて10分位。
最寄りの地下鉄のホームにおりると、向かいのホームにお姉さんがいた。
向かいのホームでさえ分かる位、お姉さんは目立っている。
何人もの同じ制服の生徒達が、お姉さんに挨拶する。よく見ていると、他校の生徒からも挨拶されている。
お姉さんは、素っ気なく首を縦に振るだけ。
そこに、同じ制服を着た見たことのある男の子が現れて、お姉さんとお喋りを始めた。
ソウタ君だ。
そして、もうひとり。
身長2メートルはあろうかという男の子が合流した。
いかにも、バスケットボールかバレーボールをやっていそうな雰囲気だ。
お姉さんは、その男の子のお腹を、ふざけて何度もパンチしている。
お姉さんの通っているH高は、スポーツに力を入れている私立高校だ。
私の高校とは反対側に一駅だ。
お姉さんも、部活何かやっているんだろうか?
春休みは、バイトに行き、友達と遊び呆けていたけれど。