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エイチ・イー・バーの姫騎士

作者: アイ・タカオ

エドガー・ライン・バローズの火星シリーズのオマージュして当短編を書きました。作品タイトルのエイチ・イー・バーとは、英語で反ヘリウムの事です。

 #1


 わたくしの名は、ホノ・エル・ナー。


 アラユークの都市国家エイチ・イー・バーの第1王女です。


 二重太陽の巡る惑星アラユークは、存亡の危機にあります。


 年老いた世界アラユークの命を支えている大気創造の場が、異世界より現れた邪悪な魔物、『九頭竜』より占拠され支配されてしまったのです。


 アラユークの都市国家群は、今迄に無い未曽有の危機に、一致団結をして立ち上がりました。


 大気創造の場は、年老いたアラユークに大気を空気を創造し供給してくれる唯一の場所なのです。


 二重太陽の第4惑星アラユークも大気と満々と水をたえた太洋に恵まれた美しい惑星でした。


 アラユークの民は二重太陽の下、繁栄し平和な日々を過ごしていました。


 しかし、アラユークに未曽有の危機が迫ります。


 大気が、アラユークの全ての生命を支えている空気が徐々にですが失われ始めたのです。


 未曽有の危機に魔法士達は、知られる限りの魔法を駆使して迫りくる破滅からアラユークのく全生命を救う為、研究を重ね対策を講じましたが全ての対策は水泡に帰しました。


 アラユークの大気の流失は防ぐ事は出来ず、豊かな水をたたえていたアラユークの大洋は干上がり荒野に、樹々が茂る大地は乾ききった砂漠へ変わり果てたのです。


 乾ききった海底は黒緑の苔に覆われ禁断の魔法で産出された魔獣やモンスターが跳梁跋扈する魔境へと変貌しまた。


 褐色荒野苔とサボテン樹が生える荒野に暮らすのは、野蛮な緑色倭人、荒野の遊牧民のみです。


 発達したアラユークの魔法科学でも大気の流失と太洋が干上がる事は防ぐ事は、出来ませんでしたが、魔法士達はアラユーク民と全生命を救う為、懸命に努力を続けました。


 大気の流失を防ぐ事は出来は不可能でしたが、全ての魔法、火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、光魔法を極めた伝説の大賢者ラミ・ナーの大魔法、物質創成魔法により、大気創造の場が、大気創造魔法陣が形成され滅びゆく世界アラユークにも、辛うじて命が維持する事の出来る空気が供給され事になったのです。


 大賢者ラミ・ナーの物質創成魔法と女神イスノの守護のお陰で、アラユークは辛うじて滅亡の危機から救われましたが、アラユークの民からは魔法科学の知識は失われアラユークは、剣と魔法の世界へ逆行して行きました。


 魔法科学が繁栄した大都市は打ち捨てられ、砂漠と荒野に点在する廃墟になりました。


 都市が打ち捨てられ魔法科学の知識も、失われて行きました。


 今では、僅かに残された魔法が、魔法使い達に継承されているのみです・・・・・


 北極の雪解け水を水源とした、荒野に流れるフル河と赤道地帯に広がるカスタナ大湿地帯に都市国家を築いて僅かに生き残ったアラユークの民、赤色人は暮らしています。


 都市国家群が、群雄割拠したアラユークは戦国時代に突入しました。


 都市国家群が覇権を争う時代に突入したのです。


 約2000年、都市国家群が覇権を争う時代が続きましたが、戦国時代のアラユークに存亡の危機が襲い掛かったのです。


 異世界より、魔物『九頭竜』が現れアラユークの生命線、大気創造の場が占拠、支配されてしまったのです。


 #2


 アラユークの都市国家群は、未曾有の危機に立ち向かう為、争い辞め団結して立ち向かいました。


 大気創造の場を占拠する九頭竜を討伐する為に、魔物退治の専門の冒険者パーティを何組も派遣しましたが、九頭竜討伐に向かった冒険者パーティが帰って来る事はありませんでした。


 都市国家群の軍隊が、九頭竜討伐ために派兵される事もありましたが、九頭竜は分身体の魔竜と眷属の骸骨戦士を生み出し応戦しました。


 都市国家連合軍と骸骨戦士軍の戦い長年続きましたが、連合軍は戦争で勝利する事は出来ませんでした。


 百戦錬磨の都市国家連合軍の戦士の敵では、無いのですが倒しても九頭竜の魔力により、次から次へ生み出されるのです。


 わたくし、ホノ・エル・ナーが生まれて17年間、九頭竜との戦争は膠着状態が続いています。


 膠着状態が続いていた九頭竜との戦争ですが、転機が訪れました。


 女神イスノの神託が、聖巫女のより伝えられたのです。


 異世界より勇者を召喚して姫騎士である、わたくしホノ・エル・ナーと2人で九頭竜に立ち向かえば必ずや、聖地、大気創造の場をアラユークの民の手に取り戻す事が出来るであろうと。


 古より伝わる魔導書が紐解かれ失わた召喚魔法が、再現されました。


 召喚魔法陣で、幾度も試みたのですが、失敗しました。


 最初の召喚では、アラユークで見た事の無い奇妙な衣服が召喚されました。


 2度目の召喚では生体は召喚する事が出来たのですが、緑のゲル状の得体の知れない生き物が召喚されました。


 3度目の召喚では豪華な装身具と黄金の鎧を身に纏った戦士のミイラが。


 アラユークは剣と魔法の世界ですが、魔法でミイラを蘇生させる事は不可能です。


 4度目は、逞しい男性が召喚されました。


 頭には兜をかぶり、手には奇妙な武器を持ち奇妙な服を着ていましたが、彼も死亡していました。


 胸の小さな穴から血が流れています。


 小さな穴が彼の死亡原因でしょうか?


 5度目で異世界の勇者を召喚する事に成功しました。


 奇妙な衣服でも、得体の知れないゲル状の生物でも、戦士のミイラでも兵士の遺体でもない、奇妙な衣服を身に纏った生きた、異世界の若者が勇者としてアラユークに召喚されたのです。


 今迄の召喚の失敗は魔力不足が原因だった様です。


 5度目の召喚では、魔導士の人数を20人迄、増やしたので勇者を召喚する事に成功した様です。


 異世界より生きた人間を召喚するには、膨大な魔力が必要な様ですね。


 勇者を召喚した魔導士20名全員が魔力を使い果たし気絶しています。


 異世界ニホンより召喚された、勇者ユウト・カサマとわたくし姫騎士ホノ・エル・ナーは恋に落ちたのです。


 女神イスノに選ばれた2人が恋に落ちるの運命だったのです。


 盾の勇者ユウト・カサマこそ、都市国家エイチ・イー・バーの第1王女にして、姫騎士ホノ・エル・ナーの永遠の恋人なのです。


 #3


 わたくしと勇者ユウト様は2頭の8本脚馬(ロート)が引く戦闘用馬車(チャリオット)を駆り荒野を疾走してる。


 ユウトはロートの皮革製防具を身に纏う以外は裸だ。


 アラユークの民は、赤銅色の肌をしているが、彼の肌は白い。


 ユウトの世界では肌を人前で晒す事は、恥ずかし事とされているらしい。


 其の為、顔と手足以外を隠す奇妙の服で、ほぼ全身を隠すのが習慣らしい。


 異世界では無暗に、人前に肌を晒す事、特に全裸を晒す事は罪になるらしい。


 アラユークにの都市国家エイチ・イー・バーで生まれ育ったわたくしには、理解出来ない習慣と感性だ。


 人前で肌を晒す事を恥ずかしがる必要があるのだろうか?


  わたくしには理解する事は出来ない・・・・・・


 ユウトも人前で肌を晒す事を特にわたくしを含めて若い女性の前で肌を晒す事を恥ずかしがり、嫌がっりました。


 流石に、召喚されたから1年近く立つので、人前で肌を晒す事に抵抗は無い様だが、未だにわたくしも含めて若い女性の前には、全裸を晒そうとしません。


 わたくしはユウトが未だに、全裸を人前で晒す事を恥ずかしがる訳を理解する事が出来ません。


 わたくしの身に纏う防具もユウトが身に纏う防具と同じくロートの皮革です。


 動き安を優先して身体の必要最小限な部分しか防具は覆っていません。


 左右の方の肩当、動き易さを優先する為に、最小限の胸部を覆っていない胸当て。


 ユウトに言わせると胸当てはわたくしの豊満な乳房を強調していて、刺激が強すぎると事。


 豊満な女性の胸元を何故、刺激が強いのかわたくしには理解する出来ませんが・・・・・


 左右の両腕には肘当てと籠手で防護している。


 下半身には動き易さを最優先する為に、股間を防御する最小限のパンツを身に纏っている。


 左右の両脚は、ひざ当て、すね当て、革靴で守られている。


 わたくしの見つけている防具はアラユークの都市国家の女兵士や女騎士達が、身に纏う一般的な防具です。


 ユウヤの世界の言葉では、アラユークの女達が身に纏う防具の事をビキニアーマーと呼んでいるそうです。


 ビキニアーマーの意味は衝撃的な防具との事。


 衝撃的な防具の意味がわたくしには理解する事が出来ません。


 普段は多少は、首輪や腕輪等の装飾品は身に着けるのですが、今日は九頭竜との最終決戦の為、装飾品は唯一の例外を除いて身に着けてはいません。


 唯一の例外とは、防御魔法が掛けられた臍ピアスです。


 臍ピアスに嵌め込まれた緑の宝玉に掛けられた、防御魔法がわたくしを敵の攻撃から守ってくれるのです。


又、ユウトが身に纏う皮革の防具にも強力な防御魔法が掛けられていて着用者を敵の攻撃から守ってくれます。


武器は打撃で敵を圧倒する戦棍( メイス)と、レイピアをわたくしとユウトは携行しています。


 わたくしが、御者を務めチャリオット駆り、骸骨戦士達が待ち受ける敵地へ向かいます。


 #4


 チャリオットを駆るわたくしとユウヤの前に、骸骨戦士軍団か行く手を阻み襲い掛かってきます。


 武器は、大腿骨を模した戦棍( メイス)です。


 勇者ユウトが、特殊能力を発動させて骸骨戦士達を撃退して行きます。


 ユウトが、女神イスノから授けられた特殊能力は、世界を循環する魔素を魔法の盾に変換する能力でした。


 最初は特殊能力を使いこなす出来なかった、ユウヤですが、血が滲む努力する事で、特殊能力を最大限に発揮できる様に成りました。


 流石、女神イノスが選び、異世界より召喚された勇者です。


 そして、わたくしの最愛の恋人、未来の夫です。


 金色のに輝く魔法の盾が100枚、具現化され骸骨戦士軍団を粉砕して行きます。


 骸骨戦士戦士達は粉砕され、荒野に骨破片の山を築きます。


 ユウヤの魔法の盾は魔力が具現化した最強の盾です。


 剣や槍などの物理的攻撃も、火魔法や雷魔法も防ぐ万能の盾なのです。


 ユウトの特殊能力、魔法の盾の前には骸骨戦士は敵ではありません。


 九頭竜と眷属の魔物達を倒し、大気創造の場をアラユークの民の手に取り戻す事が出来る筈です。


 骸骨戦士の1000人軍団をユウヤと、わたくしの前に九頭竜の分身体、黒竜が立ちはだかります。


 6本脚象の2倍の大きさがある、巨大な6本脚大蜥蜴の怪物です。


 口から火炎を吐きわたくしとユウヤとチャリオットごと焼き尽くそうとしますが、魔法の盾に防がれて効果がありません。


 黒竜は巨大化した、4枚の盾に押しつぶされ圧死しました。


 残るは、九頭竜だけです。


 九頭竜を倒せば、年老いた惑星アラユークの生命線、大気創造の場を再び、アラユークの民の手に取り戻す事が出来るのです。


 異世界の魔物、九頭竜は大気創造の場の近くの丘に巣くっています。


 九頭竜の丘と呼ばれる小山は古は栄えた大都市でした。


 打ち捨てられた都市は長年の歳月で建物は崩れ去り砂に埋まり小山となりました。


 打ち捨てられた古の都市には、10本脚狼や6股大猿以外の魔物やモンスター以外は、住み着く者は居なく放置されていました。


 又、大気創造の場は年老いた惑星アラユークの生命線であり、聖地です。


 都市国家群は勿論の事、乾ききった海底を放浪する緑色倭人の遊牧民も大気創造の場を聖地と崇め近づく事さえしません。


 アラユークの生命線、聖地、大気創造の場が異形の怪物に占拠されたのです。


 年老いた惑星の全生命を守る為、九頭竜から大気創造の場を奪還しないといけないのです。


 #5


 異界から現れた異形の怪物、九頭竜との最終決戦です。


 地面より9体の大蛇が生えている異形の怪物です。


 胴回りは約2メートル。


 全長は20メートル近い蛇の怪物です。


 異形の怪物に関わらず九頭竜の眼には知性が感じられます。


 しかし、相手は異形の怪物です


 意思の疎通が可能とは思えません。


 わたくしはユウトを促して攻撃をさせます。


 金色に光り輝く無数の盾が、巨大化して行きます。


 巨大化した盾が九頭竜を取り囲んでいきます。


 黒竜を倒した同じく、物理的攻撃も魔法の攻撃も防ぐ魔法の盾で圧死させる戦法です。


 わたくしとユウトは勝利を確信しました。


 再び大気創造の場を魔物から取り戻し、アラユークの民の手に取り戻す事が出来ると。


 しかし、物理的攻撃も魔法攻撃も防ぐ魔法の盾は、九頭竜の攻撃の前には無力でした。


万能の防御力を誇った魔法の盾すら貫通した九頭竜熱線攻撃の前には、わたくしの臍ピアスに掛けられていた防御魔法も無力でした。


 熱光線は勇者ユウトとわたくしをチャリオットごと、跡形も無く焼き尽くしました。


 異世界より召喚された盾の勇者ユウトとわたくし、都市国家エイチ・イー・バーの姫騎士ホノ・エル・ナーの最後でした。


 姫騎士ホノ・エル・ナーと盾の勇者ユウトの物語は、終わりません。


 #6


 九頭竜の熱線に焼き尽くされた瞬間に女神イノスの加護により、時間が巻き戻りました。


 ユウトがアラユークに召喚された時まで時間が巻き戻ったのです。


 しかも、未来の記憶を保ったままで。


 わたくしとユウト幾度も幾度も九頭竜との配下の魔物に戦いを挑みました。


 しかし、最期には必ず九頭竜の熱攻撃に敗れ、時間は巻き戻るのです。


 避けられぬ運命だと、知りながらもユウトとわたくしは、九頭竜に戦いを挑むのでした。


 今度こそ、九頭竜に勝利してアラユークの聖地、年老いた惑星、最後の生命線を再び、アラユークの民の手に取り戻す事を信じて。



 アラユークの都市国家エイチ・イー・バーの姫騎士ホノ・エル・ナーと盾の勇者ユウトの物語は終わりを迎えません。


 いつの日か、九頭竜を倒し女神イスノの前で永遠の愛を誓い結ばれた後もわたくしと盾の勇者ユウトの物語は続くのです。


 わたくしは、年老いた惑星アラユークの都市国家エイチ・イー・バーの第1王女ホノ・エル・ナー。


 異世界より召喚された盾の勇者ユウトを一途に愛し続ける女。


 勇者ユウトこそ、()()()()()()()()()()


 エイチ・イー・バーの姫騎士ホノ・エル・ナーと盾の勇者ユウトの物語が終わりを迎える事はないのです。


 永遠(とわ)に・・・・・

誤字、脱字だらけの拙い小説ですが、応援宜しくお願いします。

又、誤字・脱字のご指摘とご感想もお待ちしています。

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[良い点] ビキニアーマーに対する熱意と設定と展開のハードボイルドさのミスマッチがクセになりそうな面白さでした。 ビキニアーマーとはいったい・・・うごごごご
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